2015年10月14日

今週の第1位は『日経ビジネス』・・・ガンダム 日本再生計画


今週の第1位は『日経ビジネス』

日経ビジネス ... ガンダム 日本再生計画
週刊東洋経済 ... 絶望の非正規
週刊ダイヤモンド ... 「読書」を極める!
週刊エコノミスト ... 日本郵政株 大解剖

 経済誌の中心読者層(40〜50代)は「ガンダム世代」なのだそうです。1979年にテレビ放送が開始された「機動戦士ガンダム」は36年経っても未だに人気が続き冠イベントには大勢の人が押し寄せるといいます。この人気の背景にあるのは何かという視点で特集を組んだ『日経ビジネス』が今週号では秀でていました。実際安倍政権下で特区計画まで持ち上がっているようで、そのパワーは計り知れないようです。視点の面白さも含めてこれが今週の第1位です。
 第2位は『週刊東洋経済』。今や労働者の3分の1を占めるまでに膨らんだ非正規社員の問題を特集しています。この非正規という人たちを調整弁として使ってきたツケが社会全体に出ているというのが同誌の主張です。
 秋だから? というわけでもないでしょうが『週刊ダイヤモンド』は読書の特集を試みました。視点は面白いですが、インパクトはそれほどでもないというのが評価です。これが第3位。
 そして、『週刊エコノミスト』は11月4日に上場する郵政3社株を特集していますが、他誌が既に取りあげており、今ひとつの感がありました。

   <第1位>       <第2位>       <第3位>       <第4位>

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第1位
■ 日経ビジネス■ <<< ガンダムが日本の未来を作る

 雑誌巻頭の「編集長の視点」に「だまされたと思って、読んでみてください」とある(笑)。今週の『日経ビジネス』はガンダム世代よりも上の年代には未知の「ガンダム」を、日本を再生するヒントの宝庫として特集を組んだ。「ガンダム 日本再生計画 モノ作り、カイゼンから経営まで」というタイトルだ。「検証:ガンダムは日本を育んだ」「提言:ガンダムは日本を変えられる」と言い切っている。
 1979年にテレビ放送が開始され、一大ブームを巻き起こしたのが「機動戦士ガンダム」だ。マニアが多いガンプラ(ガンダムのプラモデル)は、耳にしたこと目にしたことはあるだろう。関連市場はいまも拡大を続けている。この夏、六本木ヒルズで開催されたガンダム展は大盛況。アニメも10月から最新作がスタートする。トヨタ自動車は「シャア専用オーリスⅡ」なるスポーツカーを発売した。シャアとは、主人公のライバルである人気キャラクターだ。そしてなんと、政府主導のもと近未来技術実証特区検討会・通称「ガンダム特区計画」が2020年を目標に立ち上がった。特区ではガンダムやザク、ドムなど、おなじみのモビルスーツが動き回るのだという。世界中のマニアが興奮して押し寄せるだろう。
 ここまで日本人を、ガンダム作品に接した人を惹きつける魅力は何か? ガンダム世代もそうでない方も読んで損はない特集です。


第2位
■ 週刊東洋経済■ <<<  中年フリーターから下流老人へ

 いまや労働者の3分の1を占める非正規雇用労働者。企業が固定費の"調整弁"として都合よく使ってきたツケが、非婚の増加や希望喪失など社会全体に負の連鎖をもたらしている。
 今週の『週刊東洋経済』はこの非正規雇用について、とくに「中年フリーター層」と呼ばれる労働の中心層の非正規化に焦点を当てて特集する。タイトルは「もう知らないふりはできない 絶望の非正規」。同誌で8月に特集した「下流老人」に続く、日本の歪みを突くテーマだ。
 非正規労働者を数的に押し上げているのは「主婦層」と55歳以上の「セカンドキャリア層」。だが、問題なのは25歳〜54歳の「中年フリーター層」だ。就職氷河期以降増加し続け、いまや273万人。第1世代は40代に入り、低収入からくる低い有配偶者率や親の介護不安、自身の高齢化への不安など、希望を見出せない状態にある。初めて社会に出る新卒の4割が非正規だという。日本版回転ドアと言われるリストラ後に同じ職場・同じ職種に派遣されるケースもある。


第3位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< 反知性主義の流行?

 インターネットの興隆により情報収集の最初の一歩はネット検索。誰でもどこでも情報収集は容易になった。しかしそこから得られる知識はどうしても断片的で個人の狭い興味の範囲に収まってしまいがちだ。もっと広い「知」の世界に触れるにはやはり書物が欠かせない。
 今週の『週刊ダイヤモンド』の特集は「『読書』を極める!」。
「古今東西の深い思索に触れ、自分と向き合う体験ができる」読書を掘り下げる。サブタイトルは「闘う書店、使い倒せる図書館の歩き方」だ。
「反知性主義」について言及するのは読書家としても知られる元外務省主任分析官・佐藤優氏。反知性主義とは、「実証性は客観性を軽視もしくは無視して、自分が欲するように世界を理解する態度」と解説する。世の中右も左も"反知性主義"が跋扈しているように見えるいま、そこに陥らず自らの知のスペックを高めるための読書術を語る。
 そのほか成毛眞氏、野口悠紀雄氏など、読書の達人たちがその読書術・書物選択術を伝授する。全国の愛される図書館、奮闘する個性派中小書店も書物好きには必見かも。
 第2特集は「逆風のインドネシア」。高速鉄道建設で日本案をソデにしたインドネシア経済の現状をレポートする。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 郵政3社上場まであと僅か

 日本郵政の上場については経済誌各誌が既に取りあげているが、最後発の特集が『週刊エコノミスト』から出された。
 特集のタイトルは「大解剖 日本郵政株」とシンプルだ。グループ3社まとめて1兆円の巨額の売り出しとあって、11月4日の上場を控え、多少煽り気味ではある。確かに、証券会社自らのコストで郵政株の広告宣伝を行ない。主幹事証券も実に11社にも及ぶのだから失敗は許されないのだろう。
 ただ、特集の中身は割に普通で、例えば「匿名座談会」と称して金融のプロたちが「日本郵政3社株」の実力について語っているが、中身はそれほどのインパクトのあるものではなかった。