2015年9月10日

今週の第1位は『週刊東洋経済』・・・経営学の教科書


週刊東洋経済 ... 経営学の教科書
日経ビジネス ... 日本企業は 地球どこでも人手不足
週刊ダイヤモンド ... 米中発! 金融パニック
週刊エコノミスト ... マイナンバーがやって来る!

 今週の経済誌は地味な特集が揃いました。そのなかで「お勉強」特集を持ってきた『週刊東洋経済』が比較的面白く、これを今週の一押しにしたいと思います。テーマは「最新の経営学」で、ドラッカーもポーターももう古いとばかりに、11のテーマを並べ、それぞれの最新理論を展開しています。
 次に興味を惹いたのは『日経ビジネス』の特集です。内容は「海外での日本企業の人材採用」。これがどうもあまり上手くいっていないと、同誌は分析しています。冒頭にラオスで祈祷師まで雇わざるを得なかった東証一部上場企業の実態をレポートしていて、なかなかの大変さがそこから読み取れます。
『週刊ダイヤモンド』はいちばん旬の金融パニックを特集に持ってきましたが、分析とお勉強が入り交じった内容で、イマイチいつものパンチ力に欠ける嫌いがありました。
そして『週刊エコノミスト』の特集は「マイナンバー」です。来年1月からスタートするこの制度のお勉強をしておこうという特集です。

   <第1位>       <第2位>       <第3位>       <第4位>

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第1位
■ 週刊東洋経済■ <<< 経済学の新常識

「四半期資本主義」という言葉が米国で使われだしている。ヒラリー・クリントン氏が7月の演説で使い、一気に拡散したという。米国の経営学者の間でも、四半期決算の業績にこだわる短期志向や行き過ぎた株主還元に対し警鐘を鳴らす者が増えている。
 一方日本では、株主重視が声高に叫ばれる。こちらは企業がキャッシュを溜め込んでおり、株主重視が主張されるのは自然な流れ。過大な株主還元が議論される米国とはわけが違う......、とばかりも言っていられない。なぜなら世界の経営学は近年大きく変わってきているのだ。日本の経営学ではいまだピーター・ドラッカー、マイケル・ポーターといった巨人が中心にいる。しかし世界の最新経営学に彼らは登場しない。今週の『週刊東洋経済』は、「世界の経営学の新常識」を伝える。題して「たった1日でわかる経営学の教科書」。「激動の時代を生き抜くための誌上ビジネススクール」の開講だ。
 選ばれたテーマは11。競争戦略、ビジネスモデル、イノベーション、国際化戦略、ネットワーク理論、ガバナンス、組織論、採用学、M&A、マーケティング、起業である。ケーススタディ、参考書をふんだんに盛り込みながら、若手経営学者が講義する。
 第2特集は「マイクロソフトの逆襲」。Windows10の無償配布で巻き返しをはかれるか?


第2位
■ 日経ビジネス■ <<<  海外で勘違い採用する日本企業

 少子高齢化で労働人口の減少が避けられない日本。日本企業の多くは将来的な人手不足解消や市場開拓のため、海外進出に力を入れている。しかし海外での雇用確保がうまくいかない。新興国では人があふれており失業率も高い。が、優秀な若い人材ほど日系企業を敬遠する傾向にある。なぜか? 
 今週の『日経ビジネス』が特集「日本企業は地球どこでも人手不足」でこの疑問に答える。副題は「『勘違い雇用』に世界がそっぽ」だ。
 海外での雇用難。それは日本企業の経営手法が支持されておらず、ライバルである欧米や中韓の企業に"採り負けている"からだ。日本企業の「勘違い雇用」は大きく3つあると、記事は分析する。一つ目が「新興国を舐めている」こと。新興国の人件費が格安なのは既に過去のことになっている。現に欧米企業の給料の提示額は日系企業の約3倍。これでは採り負けるのも仕方ない。二つ目は「採用や人事に差別的な部分が残っている」こと。日本の人事制度に関する性差別、国籍差別、年齢差別といったものは大企業であればあるほど根強く残っている。現地社員への教育投資やスキルアップの機会がない日本企業に現地社員は魅力を感じない。三つ目は「日本式を押し付ける」こと。接客や就業形態には各国それぞれのスタイルがあり、それにそぐわない「日本式」を押し付けられる現地社員が必ずしもいい反応をするとは限らない。「日本式」は必ずしも成功パターンとは限らないのだ。


第3位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<<  田舎大国アメリカの「利上げ」

 世界同時株安を第1特集に持ってきたのは『週刊ダイヤモンド』だ。タイトルは「緊急特集 米中発!金融パニック」。副題を「世界緩和バブルの終焉」とした。中国発世界同時株安でアメリカの利上げはしばらくないかな......というのはどうやら素人の見方のようで、米国の早期利上げ観測はいまだくすぶっている。中国の想定以上の減速と米国の利上げ観測という「米中二大リスク」が共振し、金融市場の不安感は一向に治まる気配がない。
 米国の利上げ観測が消えないのは、米国が一国で世界経済を牽引するほどの大国でありながら、実は他国への関心が薄い「偉大なるドメスティックカントリー=田舎大国」だから。中国の大変調をよそに、自国の強い景気指標だけで突如利上げに踏み切る可能性は五分五分なのだ。中国経済の急減速はとくに資源国・新興国に打撃を与え、波及している。米中の二大リスクが同時発生を嫌気するマネーがまた暴れ始め、次はどこに流れ着くのか。日本経済はこの大きな潮流の変化を乗り切れるのか。天候といい気候といい、大荒れな今日この頃。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<<  これ1枚で生活できる「マイナンバー」

『週刊エコノミスト』は、2016年1月からスタートするマイナンバー制度を取り上げた。題して「マイナンバーがやって来る!」。いよいよ来月10月からマイナンバーの通知が始まるため、まずは社員のマイナンバーを収集・保管する必要のある民間企業を中心に対応に大わらわのようだ。
 マイナンバーは、2015年10月5日を最初の基準日として、国内に住民票があるすべての人を対象に割り振られる12ケタの番号だ。1度交付されると番号が変更されることはないそうだ。外国人であっても住民票があれば割り振られ、日本国籍であっても基準日に海外赴任中であれば帰国後ということになる。まずは所得税や住民税などの「税」、次に年金や雇用保険などの「社会保障」、そして被災者台帳作成など「災害対策」の3分野で順次利用がスタートし、様々な手続きの際に提示が義務付けられる。
 希望により交付されるカードのICチップの空き領域をいずれ民間に開放していくことになっており、キャッシュカードやクレジットカード機能も視野に入っている。
 政府側は「これ1枚で生活できる」ようになると豪語するが、ナンバーの乗っ取り・なりすましや情報漏洩への対策はいまのところ甘いと言わざるを得ない状況。まさかとは思うが、そんな大事な番号が希望により発行されるカードの表面に記載されているなんていうことはないですよね?!