2015年9月25日

今週の第1位は『週刊ダイヤモンド』・・・やっとわかった! 経済学


週刊ダイヤモンド ... やっとわかった!経済学
週刊東洋経済 ... 東芝
日経ビジネス ... 日本郵政
週刊エコノミスト ... 歴史に学ぶ通貨と為替

 今週は地味な特集が並んでいます。そのなかで、比較的面白いなと感じたのは『週刊ダイヤモンド』の「経済学」のお勉強特集でした。経済学が苦手のビジネスマンにこれでもかというほど分かりやすく経済学を教えるというのがテーマのようで、確かにかなり噛み砕いて解説しているなという感じはします。解きほぐしすぎて、かえって分かりにくくなっているかな、という点もなきにしもあらずですが、まぁ、それは愛嬌ということでこれを今週の第1位にします。
 第2位は「東芝」を特集した『週刊東洋経済』です。東芝の問題は闇が深い。同誌では、「公明党、創価学会よどこへ行く」という第2特集も組んでいて、これも面白い読み物でした。
 第3位の『日経ビジネス』は特集で「日本郵政」を取りあげているのですが、つい最近『週刊東洋経済』が取りあげたこともあり、相対的に低い評価となりました。そして、最後は『週刊エコノミスト』です。テーマは円高。中国ショックの影響で株価が下がり、安全とされる円が買われたという、その背景を分析しています。

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第1位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< これでも経済学が分からぬか!

「ビジネスマンたるもの、経済学の素養はバッチリです!」と胸を張って言える人は少ないに違いない。いや、なまじそんな知識を持っているのは仕事の邪魔。それよりもひたすら仕事に情熱を持って臨む、という人の方が多かろう。
 しかし、である。最低限の経済学の知識はビジネスに必要なのです、とばかりに特集を組んだのは『週刊ダイヤモンド』である。タイトルは「やっとわかった!経済学」。ホントかなぁ。でも確かに、経済学にコンプレックスを抱くビジネスマンはとても多い。そこで本誌では経済学をどれほど知りたいかによってタイプを3つに分け、入門講義を載せている。
 本誌ではまず、経済学に対しての認識を「経済学なんて大嫌い!」「経済学がチョイ苦手...」「経済通を目指したい!」の3段階に分けて、それぞれに対して大学講義での経済学を「触り」程度から「詳細」に至るまでを解説している。また、後半では「ニュースがわかる経済学」と称して、近頃ニュースで見る機会が多い経済用語をピックアップして解説したり、経済の知識を生かすとどのようなことが分かるのかを学問ごとに解説している。


第2位
■ 週刊東洋経済■ <<<  茨の道はどこまでも続く

 財界の幹部を数多く輩出してきた東芝による長年にわたる不正が発覚し、大混乱が起きたことはいまさら説明する必要もないだろう。ついこの間の『日経ビジネス』でも特集された東芝。今度は『週刊東洋経済』が特集「東芝」で俎上に乗せた。若干の変化もあった。有価証券報告書が遅延に次ぐ遅延により9/7にようやく提出されたのだ。これで上場廃止こそ免れたが14日に発表された第一四半期決算は3年振りの四半期赤字である。
 東芝の再出発はまさに茨の道だ。
 発覚当初は工事基準だけの問題にとどまり、過去利益の修正規模も500億円程度と見られたが、その後芋づる式に不正が発覚し、最終的には2248億円の利益修正が認められた。この報告書の中にはたびたび「チャレンジ」という言葉が出て来る。これは実質的に不正を犯してでも利益をあげろという経営トッップの意志が込められた言葉として現場で受け止められており、東芝の体制そのものに疑問の目が向けられている。
 有価証券報告書は提出したものの、東京証券取引所等は東芝を特設注意市場銘柄に指定、1年以内に内部管理体制の改善文書を提出し認められなければ上場廃止になってしまう。さらに金融庁に収める課徴金は100億円もある他、刑事事件として立件できると踏めば、東京地検が捜査に動く可能性もあり、株主代表訴訟といったものも想定されている。
 果たして東芝はこの後始末を終え、無事に失墜した信頼を取り戻すことができるのであろうか。


第3位
■ 日経ビジネス■ <<< どこもかしこも矛盾だらけ?

 全国津々浦々どこに行っても郵便局を知らない人はいない。しかしそれを束ねる日本郵政はどうだろうか?
 11月4日に上場が決まった日本郵政だが、最後の大型民営化案件にも関わらず機運が盛り上がらないこと甚だしい。それは経営実態の分かりにくさや、政治に翻弄されたことによって生まれた多くの矛盾がさらにこの企業を難解にさせているからだ。でも考えてみれば、上場によって株主の厳しい目にさらすことで「矛盾の塊」を壊すこともできる。
『日経ビジネス』は特集「日本郵政」でこの大型上場の背景にある同社のさまざまな問題点や課題を浮き彫りにさせている。
 例えば、民営化以前の効率性を度外視した官業の面影はいまだに残ったままで、全国8割の地域の郵便局が赤字に陥っているという実態がある。しかも今後一層過疎化が進んでいく。国営であれば赤字を垂れ流ししていたかもしれないが、民営化した今となっては無視することはできない。ではどうすらばよいか。そこがいちばんのポイントで、この「究極の地域密着サービス」とも言える郵便サービスを利益へと結びつけるシナリオは未だ見えてはいない。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<<  円高傾向が続くかどうか?

『週刊エコノミスト』の今週の特集は「歴史に学ぶ通貨と為替」である。この特集の背景にあるのは、去る8月24日の円相場の急騰だ。この引き金になったのは言わずと知れた中国ショックで、中国経済の減速懸念が世界同時株安を招き、世界的には相対的に安全だとされる円に買いが入ったわけである。
 この傾向がこの先続くのかを同誌は、米国の金利引き上げ観測に絡めて分析している。利上げが実施されると、緩やかな円安ドル高になるが、それもこれも中国経済の行方次第というわけで、三つどもえの駆け引きが市場でなされていることになる。
 同誌は、「今知りたい疑問」として<米利上げ><ドル高円安><元切り下げ>を上げて解説し、同時に為替と通貨の問題を歴史に学ぼうと、<ドル基軸通貨>、<通貨危機>、<プラザ合意>についても解説している。

2015年9月15日

今週の第1位は『週刊ダイヤモンド』・・・頭取ランキング


週刊ダイヤモンド ... 頭取ランキング
週刊東洋経済 ... やり直し相場ではじめるETF(上場投資信託)超入門
週刊エコノミスト ... 世界がおびえる中国と利上げ
日経ビジネス ... あなたに迫る 老後ミゼラブル

 だいたい多くの人の頭のなかにあるに違いありません。なぜ銀行だけ社長を頭取と呼ぶのかと。その疑問に答え、しかもその頭取を成績別にランキングしてしまうという、本邦初の試みを『週刊ダイヤモンド』がやってしまいました。銀行の絶対権力者を丸裸というサブタイトルも効いています。これが今週の第1位です。
『週刊東洋経済』の特集はETF(上場投資信託)です。ETFなんかなぜ今取りあげるのだろうと思う方もいるでしょうが、最近の下げ相場でにわかに注目を集めているというのがその理由です。先週『週刊ダイヤモンド』が今週『週刊エコノミスト』が金融パニックを特集していますが、これはその視点をちょっとずらした特集と言えるでしょう。これが第2位です。
『週刊エコノミスト』はその「金融パニック」を先週の『週刊ダイヤモンド』に続いて取りあげました。中国危機の革新がコンパクトにまとめられている点を買って第3位。
『日経ビジネス』はこの前『週刊東洋経済』が特集した「老後の問題」です。普通の中流の人たちに悲惨な老後が待っているという特集です。実際、その現実は迫っています。今から、プロパガンダしても遅い気がしますが、自己防衛だけはしっかりとやっておかねばならないでしょう。でも、この手の特集はあまり読む気がしないので、4位です。

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第1位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< 頭取1位はあの地銀

『週刊ダイヤモンド』が銀行の頭取をランキングした、本邦初の特集だ。タイトルは「頭取ランキング 銀行の絶対権力者を丸裸」。全国112銀行頭取の実力を、市場評価・収益性・効率性・公共性の4つのテーマ全7指標を設定して測り、ランキングしたという。一体何のため? それは記者たちの日頃の現場取材で、頭取に対する諦めの言葉を聞く機会が増えてきたことがきっかけらしい。殿様イメージの頭取は「自分が頭取の間に銀行がつぶれるわけじゃないのだから、誰も面倒なことはしたがらない」。そんな"逃げ切り頭取"に釘を刺し、「あえて火中のクリを拾う頭取をもり立てられないか」。そんな思いの特集だという。
 人口の減少、金融業務に参入する巨大IT企業と、銀行の経営環境は激変している。この環境下で『週刊ダイヤモンド』が提示するこれからの頭取力は、①買収・再編をめぐる大胆な決断力とタフな交渉力、②新たなビジネスの可能性を先読みする先見性、③危機に陥っても動じない胆力とリスクテイク能力、だ。さて、新たな頭取像に最も近いランキング1位は誰か!? それはメガバンク頭取を抑えて、銀行頭取最高報酬を受け取るあの地銀社長。詳しくは本誌でご確認を。
 第2特集は「クールJAPANコンテンツの現実(リアル)」。


第2位
■ 週刊東洋経済■ <<<  短期にも下げ相場にも、長期にも強い投資

 個人投資家のみなさんには今さら......な情報かもしれないが、ETF(上場投資信託)が大人気だという。この昨今の不安定な株式市場にあって、ETFの売買代金は1兆163億円と、史上初めて1兆円を突破し、東証全現物株の2割を占めるまでの人気商品となった。アベノミクス相場前は「100億円を超えたらすごいと言っていた。今や隔世の感がある」と、証券関係者。海外ではすでに純資産高360兆円に迫る巨大市場(2015年6月末現在)だが、ここにきて日本でもブレークしている。
 そのETFを『週刊東洋経済』が特集した。題して「やり直し相場ではじめる ETF超入門」。長期的な国際分散投資から短期売買の大儲け狙いまで、その投資法を基礎から解説するという。
 なぜいまETFなのか。本誌は下落相場に強いことをまずその理由に挙げている。そして長期投資したときの投資信託と比較した圧倒的な信託報酬コストの低さ。短期売買での儲けを期待する投資家にも応える商品もある。この特集でますますETF売買代金は膨らむことになるか否か。証券関係者は大いに期待しているに違いない。


第3位
■ 週刊エコノミスト■ <<<  チャイナ・ショックの核心

 先週『週刊ダイヤモンド』が「米中発!金融パニック 世界緩和バブルの終焉」を緊急特集として第1特集で扱ったが、今週は『週刊エコノミスト』が「世界がおびえる中国と利上げ」と題して特集した。おなじみのアナリストから中国事情専門家まで、『週刊エコノミスト』ならではのシンプルな切り口設定が、『週刊ダイヤモンド』とはまたひと味違う情報を提供する特集となっている。
 中国市場でついに自動車もスマホも飽和状態となり、アップルもサムスンも外資系自動車会社もその成長が急失速中だ。対中輸出依存度の強い韓国では、リーマンショックを超える輸出減少に主要産業の業績が軒並み悪化している。iPhoneと中国需要が株価を押し上げてきたアップル株が8月に急落したのも、中国経済悪化の影響だ。資源国である南アフリカやブラジル経済も打撃を受ける。ページ数は少ないものの、コンパクトにチャイナ・ショックの核心がまとめられている。
 三菱東京UFJ頭取・平野信之氏。『週刊ダイヤモンド』「この人に聞く」、『週刊東洋経済』に続き、『週刊エコノミスト』「特別インタビュー」にも登場。三菱東京とUFJの統合から10年という節目の年なんだね。


第4位
■ 日経ビジネス■ <<<  老後は、円の貯蓄より縁の貯蓄を

『日経ビジネス』よ、おまえもか。
 4週前の『週刊東洋経済』の特集「下流老人」に続いて、今度は『日経ビジネス』が「あなたに迫る 老後ミゼラブル」。リスクを知らせる大切な情報かもしれないけれど、老後のために貯蓄しないと!とか、いろんな意味で若い人に老後への恐怖心を抱かせる感じがして、どうも苦手だ。
 ヨボヨボの高齢な自分を想像できない脳天気な性格だからだろうか。しかし、日本はこれから超高齢化社会を迎えることは確実で、その社会を少しでも明るいものにするためには、高齢になっていく一人ひとりの、真っ当に尊厳をもって生きていこうとする地道で健気な努力が必要なわけで、なおさらに心とカラダの健康管理に努めねばと思った次第。
 本誌も特集のエピローグタイトルを「『円』の貯蓄より『縁』の貯蓄を」と結んでいる。

2015年9月10日

今週の第1位は『週刊東洋経済』・・・経営学の教科書


週刊東洋経済 ... 経営学の教科書
日経ビジネス ... 日本企業は 地球どこでも人手不足
週刊ダイヤモンド ... 米中発! 金融パニック
週刊エコノミスト ... マイナンバーがやって来る!

 今週の経済誌は地味な特集が揃いました。そのなかで「お勉強」特集を持ってきた『週刊東洋経済』が比較的面白く、これを今週の一押しにしたいと思います。テーマは「最新の経営学」で、ドラッカーもポーターももう古いとばかりに、11のテーマを並べ、それぞれの最新理論を展開しています。
 次に興味を惹いたのは『日経ビジネス』の特集です。内容は「海外での日本企業の人材採用」。これがどうもあまり上手くいっていないと、同誌は分析しています。冒頭にラオスで祈祷師まで雇わざるを得なかった東証一部上場企業の実態をレポートしていて、なかなかの大変さがそこから読み取れます。
『週刊ダイヤモンド』はいちばん旬の金融パニックを特集に持ってきましたが、分析とお勉強が入り交じった内容で、イマイチいつものパンチ力に欠ける嫌いがありました。
そして『週刊エコノミスト』の特集は「マイナンバー」です。来年1月からスタートするこの制度のお勉強をしておこうという特集です。

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第1位
■ 週刊東洋経済■ <<< 経済学の新常識

「四半期資本主義」という言葉が米国で使われだしている。ヒラリー・クリントン氏が7月の演説で使い、一気に拡散したという。米国の経営学者の間でも、四半期決算の業績にこだわる短期志向や行き過ぎた株主還元に対し警鐘を鳴らす者が増えている。
 一方日本では、株主重視が声高に叫ばれる。こちらは企業がキャッシュを溜め込んでおり、株主重視が主張されるのは自然な流れ。過大な株主還元が議論される米国とはわけが違う......、とばかりも言っていられない。なぜなら世界の経営学は近年大きく変わってきているのだ。日本の経営学ではいまだピーター・ドラッカー、マイケル・ポーターといった巨人が中心にいる。しかし世界の最新経営学に彼らは登場しない。今週の『週刊東洋経済』は、「世界の経営学の新常識」を伝える。題して「たった1日でわかる経営学の教科書」。「激動の時代を生き抜くための誌上ビジネススクール」の開講だ。
 選ばれたテーマは11。競争戦略、ビジネスモデル、イノベーション、国際化戦略、ネットワーク理論、ガバナンス、組織論、採用学、M&A、マーケティング、起業である。ケーススタディ、参考書をふんだんに盛り込みながら、若手経営学者が講義する。
 第2特集は「マイクロソフトの逆襲」。Windows10の無償配布で巻き返しをはかれるか?


第2位
■ 日経ビジネス■ <<<  海外で勘違い採用する日本企業

 少子高齢化で労働人口の減少が避けられない日本。日本企業の多くは将来的な人手不足解消や市場開拓のため、海外進出に力を入れている。しかし海外での雇用確保がうまくいかない。新興国では人があふれており失業率も高い。が、優秀な若い人材ほど日系企業を敬遠する傾向にある。なぜか? 
 今週の『日経ビジネス』が特集「日本企業は地球どこでも人手不足」でこの疑問に答える。副題は「『勘違い雇用』に世界がそっぽ」だ。
 海外での雇用難。それは日本企業の経営手法が支持されておらず、ライバルである欧米や中韓の企業に"採り負けている"からだ。日本企業の「勘違い雇用」は大きく3つあると、記事は分析する。一つ目が「新興国を舐めている」こと。新興国の人件費が格安なのは既に過去のことになっている。現に欧米企業の給料の提示額は日系企業の約3倍。これでは採り負けるのも仕方ない。二つ目は「採用や人事に差別的な部分が残っている」こと。日本の人事制度に関する性差別、国籍差別、年齢差別といったものは大企業であればあるほど根強く残っている。現地社員への教育投資やスキルアップの機会がない日本企業に現地社員は魅力を感じない。三つ目は「日本式を押し付ける」こと。接客や就業形態には各国それぞれのスタイルがあり、それにそぐわない「日本式」を押し付けられる現地社員が必ずしもいい反応をするとは限らない。「日本式」は必ずしも成功パターンとは限らないのだ。


第3位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<<  田舎大国アメリカの「利上げ」

 世界同時株安を第1特集に持ってきたのは『週刊ダイヤモンド』だ。タイトルは「緊急特集 米中発!金融パニック」。副題を「世界緩和バブルの終焉」とした。中国発世界同時株安でアメリカの利上げはしばらくないかな......というのはどうやら素人の見方のようで、米国の早期利上げ観測はいまだくすぶっている。中国の想定以上の減速と米国の利上げ観測という「米中二大リスク」が共振し、金融市場の不安感は一向に治まる気配がない。
 米国の利上げ観測が消えないのは、米国が一国で世界経済を牽引するほどの大国でありながら、実は他国への関心が薄い「偉大なるドメスティックカントリー=田舎大国」だから。中国の大変調をよそに、自国の強い景気指標だけで突如利上げに踏み切る可能性は五分五分なのだ。中国経済の急減速はとくに資源国・新興国に打撃を与え、波及している。米中の二大リスクが同時発生を嫌気するマネーがまた暴れ始め、次はどこに流れ着くのか。日本経済はこの大きな潮流の変化を乗り切れるのか。天候といい気候といい、大荒れな今日この頃。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<<  これ1枚で生活できる「マイナンバー」

『週刊エコノミスト』は、2016年1月からスタートするマイナンバー制度を取り上げた。題して「マイナンバーがやって来る!」。いよいよ来月10月からマイナンバーの通知が始まるため、まずは社員のマイナンバーを収集・保管する必要のある民間企業を中心に対応に大わらわのようだ。
 マイナンバーは、2015年10月5日を最初の基準日として、国内に住民票があるすべての人を対象に割り振られる12ケタの番号だ。1度交付されると番号が変更されることはないそうだ。外国人であっても住民票があれば割り振られ、日本国籍であっても基準日に海外赴任中であれば帰国後ということになる。まずは所得税や住民税などの「税」、次に年金や雇用保険などの「社会保障」、そして被災者台帳作成など「災害対策」の3分野で順次利用がスタートし、様々な手続きの際に提示が義務付けられる。
 希望により交付されるカードのICチップの空き領域をいずれ民間に開放していくことになっており、キャッシュカードやクレジットカード機能も視野に入っている。
 政府側は「これ1枚で生活できる」ようになると豪語するが、ナンバーの乗っ取り・なりすましや情報漏洩への対策はいまのところ甘いと言わざるを得ない状況。まさかとは思うが、そんな大事な番号が希望により発行されるカードの表面に記載されているなんていうことはないですよね?!

2015年9月 4日

今週の第1位は『日経ビジネス』・・・東芝 腐食の原点


日経ビジネス ... 東芝 腐食の原点
週刊ダイヤモンド ...中国コンフィデンシャル 紅い人脈
週刊東洋経済 ... 日本郵政株 買いますか、買いませんか
週刊エコノミスト ... 中国ショック 株・原油 暴落

 東芝の社員が「決死の覚悟」でリークした現場の実態をもとに『日経ビジネス』が「東芝の不正の実態」を特集しました。その結果、かどうかは定かではありませんが、15年3月期の訂正決算の発表予定を2ヵ月延期することになりました。こうした特集は経済誌ならどこもが狙っている種類のものでしょうが、なかなか実現できません。このインパクトは大きいもので、これを今週の1位にします。
 第2位には中国の習近平が徹底して行なう腐敗一掃を特集した『週刊ダイヤモンド』です。今やこの一掃作戦は習体制のリードで政治から国有企業、金融業界にまで広がっており、指導者のなみなみならぬ意欲が伺えます。さてその実情やいかに。
「週刊東洋経済」はこの秋(11月)に予定されている郵政関連3社の上場をテーマに特集を組みました。俗に郵政3斜と言っても、その実態はそれぞれで、したがってあがる株も下がる株?もあるだろうという読みです。
 最後に『週刊エコノミスト』は中国ショックで株や原油がどう値下がりするかを特集しています。

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第1位
■ 日経ビジネス■ <<<  問題発覚後も横行する「東芝の不正」

 8月31日、東芝は2015年3月期の決算と過去の決算の訂正を発表する予定だった。しかし同日、それをさらに2ヵ月延期するとの発表があった。組織ぐるみで実行された東芝の不正な会計操作。経営陣はこれを「不適切会計」と言う。西田、佐々木、田中と、歴代3人の社長は辞任したが、不思議なことに歴代3社長はいまも出社しているという。第三者委員会は核心に切り込まず、東芝は根本原因に蓋をしたまま問題の幕を引こうとしている。果たしてそれで許されるのだろうか。今週の『日経ビジネス』はこの東芝に「社員が本誌に決死の告発 東芝 腐食の原点」という特集をぶつける。現場社員への取材で腐食の原点を探る。東芝はなぜこのような体質になってしまったのか。
 東芝では「チャレンジ」と称して無理な業務目標を部下に強要するのが常態化している。右肩上がり以外は認められず、社内会議で吊るし上げられ、達成不可能な目標を自己申告させられ、少しでも計画通りに進まないと上司に怒鳴られる。「(達成のために)不正したやつから偉くなる」と現場の社員は言う。驚いたことに、このようなパワハラ会議は不正会計発覚後も連日続いているらしい。
 そもそも東芝の暴走の原因とも言えるのは2006年に行われた米原子力発電機器大手ウェスチングハウスを6600億円で買収したことだと言われている。資金を金融機関からの借入金等で賄い無理な買収を行なった結果バランスシートが崩れ、危機を乗り切るために短期的な利益を優先せざるを得なくなった。日本を代表する企業の黒い実態に近づく特集だ。


第2位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<<  中国の腐敗一掃はどこまで進むか

 中国13億人のトップに君臨してする最高権力者・習近平。激しい権力闘争のなか、歴代まれに見るスピードで共産党内の政治基盤を築いてきたと言われている。習近平はいかなる人脈とネットワークを持ち、中国をどう展開しようとしているのか。今週の『週刊ダイヤモンド』は「中国コンフィデンシャル 紅い人脈 −−−13億人の命運を握る最高権力のベールを剥ぐ!」と題して、習近平と中国経済の難局に立ち向かう習近平の「紅い人脈」の秘密に迫る。
 中国共産党の政治体制は総書記を頂点に「チャイナ・セブン」と呼ばれる7人の政治局常務委員、さらに18人の政治局委員をあわせた25人が政治を動かしている。習近平はこの25人を徹底的に自身の信頼できる人材へと入れ替え、既存の人事を有名無実化した。特に要職には彼と同じく革命指導者を親に持つ「紅二代」の面々が名を連ねており、他の面々には彼が地方勤務時代に知り合った部下や元上司がおり、政治を支えている。
 習近平は徹底した反腐敗体制を貫き、大物政治家から地方役人まで25万人以上を摘発したと言われている。そしていま、その目は経済界、国有企業へと向けられている。13年以降次々と査察が国有企業へと入っており、今年8月には「金融業界」も査察対象へと加えることが発表された。徹底した反腐敗政治で経済をも立て直すことはできるだろうか。


第3位
■ 週刊東洋経済■ <<< 3つの「郵政」上場の帰趨

 早ければ今週中にも日本郵政の上場が認められる。ゆうちょ、かんぽ、日本郵政、前代未聞の親子三社同時上場が11月に予定されているわけだが、どれを買うべきで、どれを買わざるべきか。今週の『週刊東洋経済』が「日本郵政株 買いますか、買いませんか」と題して、日本郵政株の魅力とリスクを徹底検証した。
 日本郵政の上場は、昨年末の時点で2015年度以降が目標だった。3月に仮審査、6月に上場申請を済ましているので、8月上旬には上場すると思われていた。が、思ったより上場承認が遅れ、8月末現在では9月上旬に上場承認、実際の上場は11月前半との見込みが強い。
 今回上場される3つの会社、日本郵政、かんぽ保険、ゆうちょ銀行。日本郵政は赤字事業こそ多いものの、近年力を入れている不動産開発に注目が集まる。かんぽ生命は2014年にリニューアルされた学資保険「はじめのかんぽ」が非常に好調だ。ゆうちょ銀行は規模こそ大きいものの郵政民営化法に縛られ動かせる金が少ない。資産運用の認可が降りれば......といったところだ。
 3社のリスクは、例えば大量に存在する非正規雇用者の待遇改善や、上場後も政治に翻弄され続ける体質、また莫大な維持費用等が共通して上げられる。買いますか? 買いませんか?


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<<  米国の利上げは先延ばしか

 8月18日に始まった世界同時株安。8月21日にはニューヨークダウが2日連続大幅続落し、週明け24日から日本、中国、欧州、米国と下落の連鎖が世界中を駆け巡った。多少持ち直すかに見えたものの、今週も2番底とも言える下落から週を開けている。
 今週の『週刊エコノミスト』は「中国ショック 株...原油 暴落」と題して、中国経済への懸念から始まった世界同時株安と原油安の現状分析と今後の予測を特集した。
 中国は8月11日から13日、3日連続で人民元引き下げを実行した。さらに強烈な政府の介入があったにもかかわらず、株式市場の下落傾向に歯止めはかからなかった。一方米国はこの世界的な荒れ模様に9月にも予定していたとみられる利上げを先延ばしせざるを得ないとみられている。今回の同時株安は世界に不安材料をさらけ出したと言える。