2015年5月27日

今週の第1位は『日経ビジネス』・・・JAPAN RUSHING


日経ビジネス ... JAPAN RUSHING
週刊ダイヤモンド ... 究極のダイエット
週刊東洋経済 ... 日本型雇用システム大解剖
週刊エコノミスト ... 世界史を動かす聖書と金利

 今週の経済誌のなかで際立っていたのは『日経ビジネス』の特集でした。日本がだんだん見向きもされなくなってきている、という認識が蔓延しているなか「いえいえ、そんなことはありません」という特集を組んだからです。そのタイトルはJAPAN RUSHING。バッシング(叩き)に始まりパッシング(素通り)され、あとはナッシングだったはずなのに、ラッシング(押し寄せる)とは。ネーミングもいいですね。その根拠もなるほど、でした。これが今週の第1位です。
『週刊ダイヤモンド』も面白い特集を組んでいます。そのテーマはダイエット。何せ2兆円市場なのだそうです。記者が体験取材を試みており、説得力もあります。これが第2位。
 第3位は『週刊東洋経済』です。日本の企業の働きかたが変わるなか、ブラックだワークシェアリングだ、残業代ゼロだ、と何やら怪しい動きが多い労働環境にメスを入れようというわけです。なかなか読みごたえはありますね。
 そして最後は『週刊エコノミスト』です。特集テーマは「聖書と金利」と何やら「オッ」とさせられますが、読むとなかなかに難しく、特集の必然性がどこにあるのかが伝わってこない(マイナス金利の必然性を読み解こうとしているのですが)、ということで第4位です。

nikkei20150527.jpgdia20150527.jpgtoyo20150527.jpgeco20150527.jpg

第1位
■ 日経ビジネス■ <<<  日本はまだまだ魅力的!?

 東急東横線・綱島駅から徒歩12分程の工場跡地、ここに来年、米アップルの技術開発拠点が完成する。同社が米国以外に開発拠点を設ける事は初めてのことなのだ。
 経済の成熟、少子高齢化、国家赤字。度重なる問題によって「明日なき国」と化した日本になぜか今、世界中の企業が殺到している。製造業からサービス業まで世界中の様々な企業が「Japan Rushing(日本へ殺到)」する理由は何なのだろうか。
 このテーマを特集したのが今週の『日経ビジネス』である。同誌は、外国の企業が日本に見る"魅力"とは何かを4つに分類した。
 一つは「『社会的課題』が山ほどある」ということ。日本人に明るい未来が見えないという事はそれほどまでに抱える問題が多いという事。それはつまりそれを解決する需要もまた数多く眠っている事を意味する。例えば語学音痴でグローバルな人材が育ちにくい日本人には英会話教育システムを売り込メルチャンスがあるといった形だ。
 2つ目は「製品開発に最適な『インフラ』がある」だ。経済の不安による消費不況の中だからこそ画期的な売り方を試したり、厳しい消費者に鍛えられたりと、ある種修行場的な見方をする企業もある。
 3つ目は「『ニッチ市場』でも十分なパイがある」ニッチなはずがそれなりの規模を持っている...。日本では損な「大きなニッチ市場」とも呼べる市場が散見している。特殊家電やエスニック等のマイナー外食産業といったニッチな分野の市場にも外国企業が集まっている。
 4つ目は「実はまだまだ『人材』の宝庫」というモノ。「日本にはグローバルで活躍できる人材がいない」そういった自虐的な論調が世を風靡しているが、世界にはそんなことはつゆとも考えていない企業が数多くある。例えば日本の介護士のうち6割は介護の仕事についていない。お隣中国は介護人材が圧倒的に少なく、日本の介護人材を高く買っている。
「外資にとっての日本の魅力」という視点が面白い。


第2位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<<  痩せたい人の市場規模は2兆円

 減量に対する現代人の情熱は際限がない。ダイエット市場はいまや2兆円を越える巨大産業だ。遺伝子、IT、痩身医療など最新の技術を用いたダイエットが台頭する中で本当に痩せるダイエットとは何なのか、『週刊ダイヤモンド』が解明しようというわけだ。なにせ2兆円の市場である。
 面白いのは同誌記者の体当たり取材によって究極の減量法を徹底解明したこと。
 例えば、最近人気が急騰している高級プライベートジム「ライザップ」。糖質制限食と集中的なトレーナーとのマンツーマントレーニングによって短期集中型のダイエットプランを売りとしている。高額な反面高いトレーナーの質や食事制限の徹底した指導でダイエット業界のトップを進んでいるのだ。
 しかしダイエット産業の移り変わりは激しい。次の主役を狙う勢力のウチの一つが「遺伝子ダイエット」だ。これは遺伝子検査によって大まかに3種類に肥満タイプをわけ、それぞれにあったダイエット方法を提案するといった物だ。検査と合わせてそれぞれの肥満タイプに適したサプリ等を開発、販売する事で勢力を拡大しようとしている。
 一方でライザップより金はかかるがラクに痩せられる努力がイヤな人にはぴったりの脂肪吸引に代表される痩身治療という物もある。しかし表沙汰にはなりにくいものの死亡事故の発生しており、リスクが伴う。やれやれ。

第3位


 長時間労働の是正等、自分の働き方を見直したいというビジネスマンの機運は衰える気配を見せない。国会においても、労働時間規制の適応除外等の改正法案が審議入りする等、世の中全体で雇用のあり方を見直そうという動きがある。だが、今までの日本型の雇用慣行をちゃんと認識しないままで欧米流に変更すると手痛いしっぺ返しを食らいかねない。まずは日本型雇用慣行とはどういったモノなのかちゃんと知る必要がある。
 そんなわけで、今週の『週刊東洋経済』の特集は「日本型雇用システム大解剖」だ。
 ジェームズ・アベグレンは著書の『日本の経営』で、終身雇用、年功序列、企業別労働組合の3つを日本型経営の「三種の神器」とする考え方を述べた。しかし三種の神器は帰結であって根源ではない。では、日本型雇用システムの根源とは何なのかそれは「メンバーシップ型」だと同誌は主張する。
 日本では他の国と比べて職務という考え方が希薄で、企業内の仕事を職務毎に切り離さずに雇用契約を結ぶので労働者は全ての仕事に従事する義務を持つからだ。本特集では「部下なし管理職の生き残り法」や「本当に日本の解雇規制は厳しいのか」など、読みたくなるキーワードがいろいろと入っている。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 金利を取ってはいけない!?

歴史を振り返ると、宗教が金利を禁じていた時代がある。金利にはいい金利と悪い金利とがあり、古代にはマイナス金利の発生もあった。異常なほどの低金利やマイナス金利は我々に価値観の転換を迫るサインだと同誌は主張する。確かにそうかもしれない。仏教は今日の日本では脱世俗とか無欲とかを説く宗教と理解され、経済社会とは無縁とされているが、発生当時から承認の消えによって支えられてきたというような事実の解説があるなど、読み物としては面白い記述もあるものの、全体として、何を言いたいのかが伝わってこない気がする特集である。

2015年5月20日

今週の第1位は『週刊東洋経済』・・・不動産マンション バブルが来る!?


週刊東洋経済 ... 不動産マンション バブルが来る!?
日経ビジネス ... 円安でも儲からない
週刊ダイヤモンド ... 投資の鉄則 高値圏でも買っていい!株・投信
週刊エコノミスト ... 徴税強化 マイナンバー、出国税、インフレ税

 今週の経済誌のなかで面白かったのは特集以外にネットフリックスのヘイスティングス社長をインタビューした『週刊東洋経済』です。以前に「クラウド系のビジネス誌」の編集を手伝っていた関係から、そのインパクトがよく分かります。テレビが変わって来るなという感じです。各誌の特集を並べてみても同誌の特集「不動産バブル」が面白く、これを今週の第1位にします。
『日経ビジネス』は「円安でも企業は儲からない」現状を分析して特集を組みました。分類すると3つのパターンがあるのですが、どれも正しい指摘だと思いました。これが第2位。
 株式の投資は現在のような高値権では難しいのではないかとされていますが、そのような状況下で「いかに買うか」を特集したのが『週刊ダイヤモンド』です。
『週刊エコノミスト』はますます強化される税金の徴税状況を分析・予測した特集を組んでいます。

toyo20150520.jpgnikkei20150520.jpgdia20150520.jpgeco20150520.jpg


第1位
■ 週刊東洋経済■ <<<  不動産大手三つどもえの争い

 東京五輪を5年後に控えて、都心で次々と立ち上がる再開発プロジェクト。それに先行してオフィスビルやマンションの価格上昇が起きている。日銀の追加緩和や円安を背景に不動産投資が活発となっており、都心を舞台とした局地的な不動産バブルが起きようとしている。今週の『週刊東洋経済』第1特集は、「不動産マンション バブルが来る!?」だ。
 世界的な低金利に後押しされて活発化する不動産投資。円安もあって海外からも注目が集まる。都心や湾岸部で乱立するいわゆる"億ション"は実需だけでなく投資需要も高い。この勢いを逃がすまいと不動産大手は陣取り合戦を始めている。特に過激なのは企業が集積する都心エリアだ。不動産大手住友不動産が今年4月に竣工した「東京日本橋タワー」の立地は、なんとライバル、三井不動産が本社を構える地区のど真ん中だ。
「これはね、戦争ですよ」と関係者は語る。一方で三井不動産は抗戦の構えは見せるものの、住友不動産との局地戦に執着する様子はなく、積年のライバルである三菱地所を見据えた戦略を練っている。不動産バブルのなか、大手不動産は三つどもえの戦いに火花を散らしているわけだ。
 この秋に日本に進出することで話題の米国動画配信会社ネットフリックス。今週の『週刊東洋経済』でそのCEOが、初めて日本のメディアのインタビューに答えている。


第2位
■ 日経ビジネス■ <<<  円安の仇

 アベノミクス下で進んだ円安。その効果は日経平均株価や急増する訪日外国人の数に現れている。しかしその一方で為替安に苦戦する企業も少なくない。「円安で利益が増えない輸出企業」や「恩恵が及ばない内需企業」が増えればアベノミクスの根底は瓦解してしまう。円安で儲からない企業の事情と誤算について、今週の『日経ビジネス』が「円安でも儲からない」という特集を組んで掘り下げる。
 円安が効かない企業のパターンが4つほどある。一つは「輸出したくても"客"がいない」というパターン。世界最大規模の造船会社であるジャパンマリンユナイテッドはここ数年で主な荷主であったグローバル企業の事業構造が変化し、注文が減少。結果として円安の恩恵を受けられていない。
 2つめのパターンは「輸出したくても"競争力"がない」企業。畜産業界は和牛の輸出が好調だったが、最近では現地牛と交配させたブランド「WAGYU」に押され円安でも売り上げが伸びていない。3つめは「原料高を価格転嫁できない」企業だ。豆腐は、その原料となる大豆の約8割を輸入に頼っている。円安により輸入大豆は高止まり、資材費や燃料費も上がり、国産大豆は需要逼迫により値上がりした。しかし小売りの発言力が高く思うように値上げもできず、利益を出せていない。最後が「事業構造が円高モード」企業だ。ソニーはその事業構造を既に円高用に作り替えていた。そこに急激な円安が現れたことで海外生産の製品のコストが拡大、円安が逆に利益を押し下げてしまった。グローバル時代の為替変動リスクの分散は、大企業でも始まったばかりだ。


第3位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<<  株は既にバブル!?

 4月下旬に15年ぶりに2万円台を回復した日経平均株価。しかし市場には割高感も漂っており、個人投資家の間では今投資すべきか迷いもある。そんな時こそ基本に忠実に......とのことで、4月下旬の『週刊東洋経済』に続き、今週は『週刊ダイヤモンド』が第1特集に「投資の鉄則 高値圏でも買っていい!株・投信」を持ってきた。
 まずは初心者にも経験者にも伝えたい「投資の鉄則」7ヵ条。3人の専門家が教える7つの鉄則を紹介している。3人の専門家とは経済評論家・山﨑元氏、ファイナンシャルジャーナリスト・竹川美奈子氏、経済コラムニスト・大江英樹氏。「他人の話をうのみにする人は失敗する」「アドバイスをもらう相手から商品を買ってはいけない」といった心構えの鉄則もあって、初心者には優しく経験者にはズキっとくる内容で意外と面白い。そのほか、専門家が厳選する「買っていい株・投信」、超初心者向け「投資スタートガイド」など。こういう特集をしっかり読んで実践してたら仕事に身が入らないのではないか? と思うのは自分だけか?
 第2特集は「デジタルデトックスのすすめ」。中学生への調査ではネット・スマホ中毒で学力低下が顕著だというが、大人の世界も同じらしい。ソフトバンク孫さんが後継者指名したニケシュ・アローラ氏にも大注目だ。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<< カネをむしり取る国

 2015年10月より「マイナンバー」の通知が始まる。個人に12桁の番号を割り振り、2016年1月から社会保険・税・災害対策の3分野で利用が始まるのだという。さらなる利用範囲の拡大もすでに国会で審議され、その1つが「預金口座へのマイナンバーひも付けだ。実現すれば、他人のナンバーを届け出ることはできないため、名義預金や隠し口座などの存在を税務当局が把握しやすくなる。今週の『週刊エコノミスト』は、「徴税強化!」というタイトルで、国民の所得や財産に対する捕捉力を強める国の徴税強化のうねりを特集した。
 景気に大きなブレーキをかける消費税増税。これをどんどん上げていくのは難しい。さてどこから取るか。財務省がここ数年力を入れているのが、国民の所得や資産の把握を強化すること、それから富裕層や高所得者への相続税などの増税だ。今年7月から富裕層の出国にも網がかかり、海外移住の際に有価証券の含み益に課税する「出国税」も始まる。マイナンバーで口座情報がガラス張りとなり、海外財産も厳しく把握されつつある昨今、徴税強化から逃れるのはもはや困難な情勢かもしれない。


2015年5月14日

今週の第1位は『週刊ダイヤモンド』・・・格安スマホ 最強の理由

週刊ダイヤモンド ... 格安スマホ 最強理由
日経ビジネス ... 韓国 脱財閥へのもがき
週刊エコノミスト ... アジア インフラ争奪
週刊東洋経済 ... 最強のエアライン

 格安スマホの存在を薄々と知ってはいても、どのくらい、どんな形で利用できるのか、その詳細はあまり知らないという人が多いのではないか、そう思っていたら、『週刊ダイヤモンド』が特集を組みました。本当に通信料の高さに泣いている人は多いし、スマホと言ってもどれくらい利用価値があるのか、分からずに使っている人が多いわけですから、そんな人はさっさと乗り換えればいいのではないか、そんな気にさせられました。これが今週の第1位です。
 第2位は韓国の財閥の実情を分析し、韓国経済のどこが危ういかを的確に分析した『日経ビジネス』です。サムスンがこけたら皆こけるくらいの認識でいると本質を見誤ります。韓国の財閥は皆カリスマ経営。独裁的なカリスマが元気なときはいいですが、企業が巨大化していくと末端では失敗を恐れて斬新な開発がなくなり、結果新興国である中国に追いつめられていく姿は、どこか日本の大手企業がたどってきた道とイメージが似通います。
 アジアのインフラ投資が拡大しているのは当然の話ですがその規模は900兆円におよぶと特集を組んだのは『週刊エコノミスト』です。陸の「シルクロード経済帯」、「21世紀海のシルクロード」などの言葉が並ぶとその壮大さや規模が想像でき、その900兆円が現実味を帯びてきます。ページが少ないので第3位にしましたが、これは読んでおいた方がいい特集でしょう。
『週刊東洋経済』の特集は毎年恒例のエアラインランキングですが、やはりアジアにスポットを当てています。多くのエアラインがひしめき合うなかでどの航空会社が覇権を取っていくのか、その帰趨は気になるところです。ただちょっとマンネリ感も否めませんでした。

dia20150513.jpgnikkei20150513.jpgeco20150513.jpgtoyo20150513.jpg

第1位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<<  知らないと損をする格安スマホの中身

 街で3件しかないレストラン。1件目も2件目も3件目もメニューは厚いステーキのみ。仕方ないから小腹がすいてるだけなのにステーキをオーダーする。格安スマホが登場するまでの大手通信会社によるスマホ利用者はだいたいこんな感じ。私もステーキをちょいと口にいれ、サイドディッシュを食べてるだけなのに、いつもステーキ代を払っている顧客の1人だ。そんなわけで、携帯電話利用料は長年日本の家計を圧迫してきた。しかし近年格安スマホを提供する会社が登場し、支持を得ている。特にこの5月以降、SIMロック解除が義務づけられたため、格安スマホに移りやすい環境が整った。
 今週の『週刊ダイヤモンド』は、「格安スマホ 最強理由」と銘打って、その安さのメカニズムやSIMフリー人気機種、どの会社でどのプランを選べばいいのか、デメリットは?など、格安スマホにまつわる疑問を一挙解消する。格安スマホを知っている人も知らない人も、検討中の人も初めて知った人も、知らないと損をする情報がいっぱいだ。


第2位
■ 日経ビジネス■ <<<  もがく韓国の未来像

 今週の『日経ビジネス』は「韓国」の特集だ。経済成長を支え、急成長してきた韓国の財閥系企業。彼らが今もがいている。その原因はウォン高や新興国経済の低迷だけではなく、独裁型の経営体制や既存技術の組み合わせといった強みが通用しなくなり出したことにある。韓国は脱財閥が可能か? ベンチャーが生まれ、そこから"第2のサムスン"は果たして成長するのだろうか。
 サムスンのモットーは徹底した成果主義だ。それによって生まれた失敗への恐怖がいつしかリスクへの挑戦を閉め出し、イノベーションが起きにくい体制となってしまった。かつては絶対的権力者イ・ゴンヒ会長による迅速なトップダウンの決断が、圧倒的な量産体制を可能にし、シェアを獲得する「強み」にもなっていたが、いまや中国企業等新興国勢力の台頭により競争力の低さが露呈してしまった。
 サムスンに限らずトップダウン型の経営体制を持つ韓国の財閥が軒並みこの壁にぶち当たり、大手は「脱独裁」経営を模索している。産業構造が変わるなか、いままで成長を阻まれてきたベンチャーが育ってきているのも注目だ。財閥には無い独自性やチャレンジ精神を持って市場を切り開かんとする「新韓流」企業。実はそこには「尋常でないほど手厚い」政府支援がある。韓国企業を侮るのはまだ早い。


第3位
■ 週刊エコノミスト■ <<< アジア900兆円の争奪戦

 急速に豊かになっていくアジアで、インフラ需要が拡大中だ。AIIB(アジアインフラ投資銀行)設立を控え、にわかに注目が集まっているという状況だ。米国と日本が主導して設立されたことで最近よく取り上げられるADB(アジア開発銀行)の2009年の試算では、中国を含むアジア・太平洋30ヵ国で、2010〜20年に合計950兆円のインフラ投資が見込まれると発表されている。
 今週の『週刊エコノミスト』は、特集「アジア インフラ争奪」で、900兆円市場争奪の現場をリポートする。
 AIIB設立の狙いは、中国の西太平洋から中東への戦略的リバランス(西進)、中東を含む西アジアへの進出だ。陸の「シルクロード経済帯」、「21世紀海のシルクロード」を、一帯途上国との相互接続・連携強化によって固めていこうという壮大な戦略の第一歩だろう。さて日米はどう手を組んでいくか。それはこれからとして、特集では、中国から東南アジア、南アジアへと広がる地域の、道路、橋、鉄道、空港、港湾、発電プラント、水事業など、持ち上がるインフラ整備のポテンシャルの高さを、そこに群がる各国企業の動向とともにがっちりと見せてくれる。「アジアのインフラ需要拡大で成長が期待される45社」(日本企業)も掲載。


第4位


 今週の『週刊東洋経済』は、昨年のゴールデンウィークから1年ぶりに「最強のエアライン」特集を持ってきた。
 一般的に航空会社の規模を示すのは、有償旅客キロメートルといって有償で搭乗した旅客数に飛行距離をかけた値だ。IATA(国際航空運送協会)がまとめている。世界の航空会社事情は、トップを占める米国系に対して、それに食い入らんとするアラブのエミレーツ航空や中国系の航空会社やLCCといった構図となっている。日本勢のランキングの順位は芳しくない。ANAが23位、JALが29位だ。80年代にはJALが5年連続世界首位だったのがまるで嘘のようだ。ここからトップへと食い込んで行くには事業の規模拡大が必須だが、ANAとJALの反応は対照的だ。ANAは10年にも及ぶ長期構想を発表。一方でJALは経営破綻の過去もあり、現状をどう維持するかが当面の課題だ。
 2008年の金融危機によって多くの航空会社が破産や運行停止に追い込まれ、北米や欧州、そしてLCCは最終的に3社程度へと収束した。しかしアジアは航空自由化の遅れやLCCのシェアの低さ等の理由から、まだ多くの会社がひしめき合っている。現状の規模を見るにJALとエアチャイナが優勢だが、残りの一枠を勝ち取りアジアの勝者となるのはどの航空会社だろうか。
 巻頭では、「シャープ 解体へのカウントダウン」、「岐路に立つIBM」を取り上げている。