2015年4月28日

今週の第1位は『週刊ダイヤモンド』・・・人事部の掟

週刊ダイヤモンド ... 人事部の掟
週刊東洋経済 ... トヨタ! 進撃再開
日経ビジネス ... イオン 挫折の核心
週刊エコノミスト ... 世界株高の落とし穴

 5月のゴールデンウィークということで各誌合併号が組まれている経済誌ですが、以前のように華やかな特集はなく、普通の号と同じような特集が組まれています。そのなかで光っていたのは「人事部の裏側」を特集した『週刊ダイヤモンド』です。大手企業では人事部は出世コースと俗に言われていましたが。本当のところはどうなのか、今の採用はどのような本音でなされているのか。あるいは人事評価の実態はどうなっているのかなどと、尽きない興味がもたれているのも事実です。そうした人事部を丸ごと特集にし、そのために同誌初の人事部アンケートまで行なったそうです。これが今週の第1位です。
 今週は企業ものの特集も重なりました。ただその取りあげかたには違いがあり、『週刊東洋経済』が快進撃を続ける「トヨタ」を特集すれば、『日経ビジネス』が不振をかこつ「イオン」を特集するといった具合です。イオンは以前にも他誌が取りあげていたこともあり。内容で勝る『週刊東洋経済』が2位、『日経ビジネス』を3位としました。そして、『週刊エコノミスト』は世界株高の落とし穴を探る特集ですが、ゴールデンウィーク向けに「古本屋が熱い」といった第2特集も組んでいます。

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第1位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<<  人事部アンケートから見えるもの

 今週の『週刊ダイヤモンド』は珍しい特集を組んできた。「人事部の掟 あなたの異動・昇進・昇給はこう決まる!」だ。特集のキモは、従業員3000人以上の上場737社に対して行なわれた同誌"初"となる「人事部アンケート」だ。回答を寄せたのは212社。かなりの回答率だと思う。特集副題に「"伏魔殿"ニッポンの人事部を徹底解剖!」とあるが、各企業の奥の院的な存在がこれだけ回答を寄せてきたことに、人事部の抱える苦闘・課題を感じる。
 アンケートをひも解くと、「過去3年で見直した人事制度」は、「成果重視の色彩を強くした」が第1位。3位に「シニア層よりも若年層の処遇を厚くした」が入り、ベテラン社員の給与を若手にシフトする傾向が見て取れる。「深刻な課題」トップ3は、①グローバル人材の育成、②女性活用、③将来の幹部人材の育成。幹部候補社員に経験させるポスト1位に「海外現地法人」が入るなど、グローバル戦略が人事でも中心課題となり、人材採用・育成の苦戦ぶりが想像できる。
 回答企業が参考にしている企業として注目を集めるのが「日立」の取り組みだ。巨大企業が、世界中のグループ950社、32万人を統一評価基準で格付けする「グローバル・グレーディング」がそれ。評価基準を「人から仕事(職務・職責)」へと変更し、このグレーディングを従業員の処遇・異動・配置・選抜の目安とした。

第2位


 自動車業界の巨人、トヨタの躍進が止まらない。独走するトヨタの新時代とは何なのだろうか。今週の『週刊東洋経済』は「トヨタ! 進撃再開」と題して、充電を完了して再びアクセルを踏むトヨタ自動車の戦略を掘り下げる。
 4月19日、上海国際モーターショーの前夜祭にてトヨタは現地生産の新型ハイブリッド(HV)車を披露した。トヨタが日本以外でHV車を開発するのは今回が初めてだ。これはVW社に決定的に負けている中国市場でのシェアを増加させるための乾坤一擲の策だ。2017年にはさらに新工場を立ち上げる計画もあり、いかにトヨタが中国市場を重要視しているかがわかる。
 トヨタはリーマンショックによる需要激減の煽りを受け失速した後、過剰な生産力を整理し、物作り改革に努めてきた。その結果が実り営業赤字は回復。収益構造の根本からの改善に成功し、より安定した経営体制へと移行した。2013年には世界販売1000万台という前人未到の数字をたたき出し、さらに強くなろうとしている。
 世界各地に工場を広げて行った世界展開のフェイズを終え、技術革新やサプライチェーンの複雑化、不安定な為替等山積みの課題に対して、自動車産業のトップランナーとしてどのように対応して行くか。トヨタの新時代が始まっている。この会社の戦略を知らずしてもはやビジネスは語れない。


第3位
■ 日経ビジネス■ <<<  完全に飽きられたイオン

 最近、規模の大きさに「復讐」される小売業が目につく。マクドナルドしかり。今週の『日経ビジネス』の第1特集で取り上げられているイオンも不振だ。特集のタイトルは「イオン 挫折の核心 〜セブンも怯えるスーパーの終焉」。イオンの不振に象徴される大手総合スーパーの生き残りを懸けた方向転換を追う。
 イオンの総合スーパー事業が前期、赤字に転落した。客離れが止まらないという。コストダウンに欠かせない全国規模の仕入やプライベートブランド優先の売り場づくりが強みの時もあった。しかし現在、地域の消費者の多様化した嗜好にフィットせず、特徴のない品揃えで完全に飽きられてしまった。イオンは「一番元気があった頃」に会社の有り様を戻すという。それは「1つの事業本部内に、仕入から商品企画、マーケティングなどのあらゆる機能があって、密接に連携し合い、顧客の変化を捉えたら、誰ともなく行動に移し、現場主導で売り場を作っていた」1980年代後半のジャスコの姿だ。好調のセブン&アイホールディングスも、低迷が続くイトーヨーカ堂の仕入を「セブン流」に変換するという。絶好調のセブンイレブンも危機感を持ち、セブンプレミアムに商品開発に地域による嗜好の違いを取り入れる。
 これら大手が地域密着の店づくりに大きく舵をきったことは、これまで地元スーパーの独壇場だったローカルブランド商品の品揃えで、熾烈な競争が始まることを意味する。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 2015年の10大リスク

 今週の『週刊エコノミスト』は、「世界株高の落とし穴」という特集タイトルのもと、現状の世界経済情勢におけるリスクを俯瞰する。切り口は国や地域だ。米国、日本、中国、欧州、ロシア、中東、ブラジルの個別の事情を掘り下げる。日本に関しては、安倍首相のブレーンの1人、浜田宏一・内閣官房参与が登場。金融政策に対する持論を展開している。そして、毎年「世界10大リスク」を公表して注目を集めるユーラシア・グループ社長イアン・ブレマー氏が、米国の影響力が低下し、主導国がいない「Gゼロ時代」における日本のあり方、日米関係、日中関係についてインタビューに答えている。2015年の10大リスクも誌面で確認できる。
 第2特集は「農業改革の化けの皮」。安倍政権が掲げる「強い農業」を目指す改革の裏側をレポートする。そして『週刊エコノミスト』はいち早くゴールデンウィーク向け企画も掲載した。「GWは古本屋が熱い!」がそれ。清澄白河、中央線沿線、神保町の古書店街の紹介から、全国の個性あふれる古書店を訪ね歩く古本屋ツーリスト・小山力也のマニアックな解説まで、いい感じの記事になっている。