2015年4月 9日

今週の第1位は『週刊東洋経済』・・・貧困の罠

週刊経済誌の読みどころ20150409

今週の第1位は『週刊東洋経済』

週刊東洋経済 ... 貧困の罠
週刊ダイヤモンド ... 世界経済超入門
日経ビジネス ... 日本を揺るがす新常態
週刊エコノミスト ... 土地投資の極意

 経済誌が春になって若干活気が出てきたような気がします。4月はいろいろなものが動く時期ですし、経済にもそれが現れている? のかも知れません。
 そんななかでいきなりくらいテーマですが、『週刊東洋経済』は特集で貧困の問題を取りあげました。6人に1人が貧困というインパクトは大きく、特に日本の場合、中間層が脱落して貧困層に落ちていくという話なので、くらくもなろうというものです。しかし、避けては通れない話でもあり、日本という国の作り方をもう一度考えなくてはなりません。その意味で1位にします。
 次に注目したのは地政学から世界をみるという特集を組んだ『週刊ダイヤモンド』です。レビューにも書きましたが、昔地政学ブームがあったことを社のスタッフは誰も知りません。でも、それはともかく今また地政学から世界を見ることの必要性が高まって気て、ダボス会議にも取りあげられたという話です。これが2位。
 3位の『日経ビジネス』は中国の「変化」を「新常態」という言葉を使って、取りあげました。そして4位のエコノミストも「残す街」「捨てる街」という切り口から、土地投資の極意を伝授する特集を組んでいます。当たり前と言えば当たり前ですが、街自体の選別が不動産価格にも影響して来るわけです。

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第1位
■週刊東洋経済■ <<< 6人に1人が貧困の時代

 順風満帆に見えた人生から一転して転落......。今の日本には病気や介護、転職、失業といった貧困への罠が多数存在する。どんなに安定した生活を送っていても、陥る可能性がある貧困。
 今週の『週刊東洋経済』が「貧困の罠」と題してその実態にせまる。
 ピケティが提唱する欧米中心の一部の富裕層がよりリッチになる格差構図と違い、大衆層の貧困化によって格差が進む日本。割合からして6人に1人が貧困状態にあるという。日本は他の国々と比べて貧困に落ちないための対策が不十分だ。最低限の社会保障制度は存在するが、「最後の命綱」は生活保護しかなく、"丸裸になってからでないと利用できない"から、一度陥ってしまうと貧困状態から抜け出しにくい。その社会構造が問題視されているのだ。本誌には貧困に喘ぐ現場の事例が数多く取り上げられていて、6人に1人が貧困状態という実態がこれほど身近なのかと心が痛い記事も多い。4月には生活保護の手前で支援を行う「第2のセーフティネット」=自立支援法の施行も始まった。また、福井県や富山県といった「低貧困」、つまり貧困のない地域もある。
 第2特集は国債財務報告基準IFRS導入企業の減損の謎を扱う。上場企業の導入事例が増えてきたところでの問題提起だ。


第2位
■週刊ダイヤモンド■ <<< 地政学の時代、到来!

 このメルマガで扱う4大経済誌の表紙に「地政学」という言葉が登場したのは、私の記憶に間違いがなければ、昨年4月の『週刊エコノミスト』が最初だ。なぜ2014年? 答えは明快。2014年の世界経済フォーラム、いわゆるダボス会議において新たな専門委員会「ジオエコノミー」が立ち上がったからだ。その「ジオエコノミー」では、地政学と世界経済の相互関係を専門に研究するのだという。ここに「地政学」が公に復権を果たし、いまブームともなっている。
 今週の『週刊ダイヤモンド』はこの地政学で読み解く世界経済の特集だ。
 大昔で言えば、倉前盛通亜細亜大学教授(当時)の「悪の論理--−ゲオポリティクとは何か」(1977年:日本工業新聞社刊)がベストセラーになっていたという記憶があるが、近年「地政学」という言葉を久々に耳にしたくらい、日本人は"地政学オンチ"である。第2次世界大戦までは盛んに研究され東アジア最大の覇権を握る学問的な背景だった。しかし戦後GHQによりその研究は禁じられる。ヒトラーもまた地政学を研究し、愛したという史実がある。枢軸国の"禁断の学問"だったわけだが、米露中など超大国では当然ずっと研究されてきた。そして米国の覇権が弱まりつつある現在、米中露、EUはどう動き、それが世界経済地図をどう変えるのか、地政学の視点を外しては何も語れない。リーダー不在の世界秩序を「Gゼロ」と名付けた国際政治学者イアン・ブレマー氏へのインタビューも。


第3位
■日経ビジネス■ <<<  ニューノーマルの時代に入った中国

 中国経済の歴史が転換期を迎えている。高速成長時代に別れを告げ、安定成長と構造改革を両立させる「新常態」の時代へと突入したのだ。ブレーキがかかる中国経済が世界を揺るがす途上で、いかに賢く稼ぐか。今週の『日経ビジネス』は特集「日本を揺るがす新常態」のなかで、失速中国でも稼ぐ鉄則を探る。ちなみに「新常態」とはリーマンショック以降の世界経済が新しい局面に入ったとして使われた英語の「New Normal」の中国語訳である。
 中国の習近平国家主席は新常態への構造改革のため、あらゆる反対を押し切り反腐敗運動を押し進めている。いままで汚職に染まっていた役人を階級の大小に限らず次々と検挙しているのだ。面白いのは、中国が「新常態」に突き進む必然をトマ・ピケティ氏に解説を求めているところだ。彼の解説によって中国全体の現状と問題点が見えてくる。
 そしてその失速化での商機だ。例えばコニカミノルタは環境汚染対策での規制で規格を変更せざるを得ない工場に対して、専用のプリンターを売り込んでいる。規制強化を逆手にとっているのだ。他にも日立製作所は中国向けATMの開発を現地で行ないそれをモデルにアジア諸国へビジネスの拡大を目論んでいる。


第4位
■週刊エコノミスト■ <<< あなたの家の場所は「残す街?」「捨てる街・」

 今週の『週刊エコノミスト』は「土地投資の極意」という特集だ。「かつての『土地神話』は消え、価値を生む土地と生まない土地が明確に差別化されるようになった」。東京都心の不動産が高値で取引きされる一方、地方ではタダでも引き取り手が見つからない物件が増えている。そこで個人も土地所有を「投資」と捉えて今後を見極めよう!という記事だ。相続や人口減少も関わるテーマだけに、中身はどの世代もチェックしておきたい内容だ。
「残す街」「捨てる街」の線引きが行なわれつつある「改正・都市再生特措法」。買った物件が「捨てる街」に入っていたら売却できないかもしれない。相続税対策でブームの賃貸住宅建設だが、人口減少で市場は将来確実に悪化する。時代の変動期である昨今、回避するべきリスクが多くてボーっとしてはいられない。