2015年3月 5日

今週の第1位は『日経ビジネス』・・・タケダの苦闘

日経ビジネス ... タケダの苦闘
週刊ダイヤモンド ... 高く売れる家 売れない家
週刊東洋経済 ... 一冊まるごと欧州
週刊エコノミスト ... 相場は歴史に学べ

 今週の経済誌で興味を引いたのは、タケダを取り上げた『日経ビジネス』です。以前別の経済誌がタケダのグローバル化についてその先進性を取り上げていましたが、今週の同誌は視点が少し異なり、グローバル化に苦悩しながらも舵取りを進めていく同社の現状を取り上げています。長谷川会長へのインタビューで本音が吐露されているところが感慨深いものでした。これが今週の第1位です。
「家を売りたい」と思った時に高く売れるのか、それとも安いのか、という問題は我々の誰もが興味を持つテーマですが、それにストレートに取り組んで特集したのが『週刊ダイヤモンド』です。一言で言えば、今がどういう状況で、もし今物件を持っているとしたら、売った方が得なのかどうか、よくわかる特集です。これが第2位。
 第3位は丸ごと一冊で「欧州」を取り上げた『週刊東洋経済』です。ギリシャ支援の行方から、フランスであったテロまで揺れるEUの感がありますが、それらを分かりやすく解説しています。
『週刊エコノミスト』の特集は歴史と相場の関係です。市場がどうなっていくか、予測をたてる際に学ぶべきは過去の歴史であるという同誌の視点はそれなりに面白いと思いました。

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第1位
■日経ビジネス■ <<<  グローバル化の本当の意味

 創業家出身・武田國男氏から2003年にバトンを受け取り武田製薬代表取締役に就任した長谷川閑史(やすちか)氏が、昨年6月、次に武田製薬の経営者としてバトンを渡したのは、元グラクソスミスクライン(GSK)ワクチン部門トップであったフランス人、クリストフ・ウェバー氏だった。現在、同社の最高執行機関「タケダ・エグゼクティブ・チーム」は、16名中11名が外国籍をもつ外国人だ。長谷川氏はいま代表取締役会長。その社長時代、巨額M&Aでグローバル展開をはかったが、舵取りを任せられる日本人社員を後継に育成できなかった。欧米メガファーマを相手に世界で戦うには、生え抜きの日本人社員はまだ経験も能力も足りなかったのだ。
 今週の『日経ビジネス』は、この武田製薬をどの日本企業でも起こりうる事例として特集する。「グローバル タケダの苦闘」がそのタイトルだ。特集は長谷川会長へのインタビューで始まり、ウェーバー社長への編集長インタビューで終わる。2011年から始まった社内改革では創業家の社員すらリストラし、全管理職をゼロから選び直すようなドラスティックな改革が進められてきたという。欧米医学会の権威・タチ山田氏が研究開発部門のトップに就任したのが大きな転換点となり、彼のつながりからグローバルに活躍する海外人材がスカウトされてきたという。


第2位
■週刊ダイヤモンド■ <<< わが家はいくらで売れるのか

 これからは「(家を)売る力のレベルアップ」が必要。なぜなら、必要な時に売り抜けなければ「不動産」が「"負"動産」なってしまう危険が顕在化したからだ。今週の『週刊ダイヤモンド』は、そんな時代のマンションや一戸建てを"売る"力に焦点を当てた特集「高く売れる家 売れない家」である。
 全国で表面化する空き家問題をきっかけに、いま不動産の価値基準が急速に変わりつつある。たとえば新潟県湯沢町。1980年代後半のスキーブームで乱立し高値で取引されたリゾートマンションが、いま買い手がつかず、価格下落率は6〜9割に及ぶ。東京都23区でも不人気と不便が重なる物件はいくら値下げしても売れない。購入時に舞い上がって売れない物件をつかまないようにするのと同時に、これからは「ライフスタイルではなく相場を読んでの売却もあり」と説く。たとえば、東京オリンピックで不動産価格が上昇している都心部に中古マンションを所有しているなら今が売り時だそうだ。しばらく賃貸に住んで価格が落ちてきたところで再度購入もあるという。まあ、インフレの問題もあるし、いずれにしても博打である。
 第2特集と<緊急特集>はHONDAがテーマだ。電撃辞任を発表した伊東社長の独白も掲載されている。


第3位
■週刊東洋経済■ <<< 世界一よく分かる欧州事情

『週刊東洋経済』が久しぶりに大特集1本立てを組んできた。タイトルは「1冊丸ごと 欧州」。ギリシャ支援の行方、ECB(欧州中央銀行)の量的緩和、内部に抱える移民との文化的・宗教的対立、EU離脱もからむ英国総選挙、そしてウクライナ情勢絡みの動きもある。EUは「2015年最大の火薬庫」なのだ。
 特集は週刊新聞『シャルリー・エブド』に対するテロが起こったフランスの現地レポートから始まる。いっこうに進まないイスラム移民社会との摩擦を軸にEUが抱える文化・宗教の問題を総括する。続く<基本編>では「世界一よくわかる欧州事情」を解説。データも盛りだくさんだ。
 鮮度の高い最新情報はPart2<国別編>「欧州各国それぞれの危機」にある。ドイツ、イギリスは現地在住のジャーナリストによる現状レポート、フランスは記者による現地取材。 "優等生"としてEU内で独り勝ちし、歴史的好況に沸くドイツだが、シュレーダー時代に単位労働コストを抑えて経済を甦らせたものの、その後中間層は減少し貧困化という問題は好景気下でも悪化させているという。


第4位
■週刊エコノミスト■ <<< 歴史は相場に学べ?

『週刊エコノミスト』は徹底的に読者対象を団塊の世代の個人投資家に絞っているのではないかと思われる。今週の特集は「相場は歴史に学べ」だ。
 さて、中身はなかなか興味深い。10個の「ここが知りたい」を掲げ、それぞれ過去の流れを押さえつつ次を予測する内容だ。たとえば「①ここが知りたい 日本株」は「87年バブル前相場に類似」とか。「②円安」は「円売り膨張は転換のシグナル」とか。ほぼすべての記事に時系列を追ったグラフが添付され、信じる信じないは自己責任の10項目を、それぞれ専門家が分析・予測している。エピローグは「中央銀行の失敗史」。金融政策のプロ集団であるはずの中央銀行だが、全幅の信頼を置けないことは歴史が証明している。