2015年1月29日

今週の第1位は『週刊東洋経済』・・・ピケティ 完全理解

週刊東洋経済 ... ピケティ 完全理解
週刊ダイヤモンド ... 統計学自由自在
日経ビジネス ... Jスタンダード
週刊エコノミスト ... とことん分かる原油安

 昨年末に日本で発売されたトマ・ピケティの『21世紀の資本』が売れています。5940円もする書籍ですが、アマゾンの「投資・金融・会社経営」部門のベストセラー第1位です。この作者を日本で最初に扱ったのは『週刊東洋経済』でしたが、今回また大特集を組みました。売りは「20分で分かる」で、これも今週のアマゾン「ビジネス一般・経済の雑誌」部門ベストセラー第1位です。1960年代後半にP.F.ドラッカーの『断絶の時代』が大ベストセラーになりましたが、それを彷彿とさせます。ドラッカーも当時2500円くらいの本が20万部以上売れ、ビルが建ったと言われているわけですから、同じ現象が起こるかも知れません。話題性という意味からも今週の第1位はこれで決まりです。
 ところが、『週刊ダイヤモンド』も大ベストセラーの『統計学が最強の学問である』(西内啓著:同社刊)を題材に特集を組みました。これも売れるでしょうね。アマゾンでは『週刊東洋経済』に次いで第2位でした。ということで、これが今週の第2位です。
『日経ビジネス』はチャレンジングな特集を組むのですが、あまりインパクトを残せていません。今週の特集も「Jスタンダード」と言われてもピンとくる人は少ないのではないでしょうか。例えば、中刷りの見出しは「0.2秒で理解でき、しかもそのフレーズが面白い」くらいでないとアピールはできません。もう一つです。
 そして第4位が指定席になった感のある『週刊エコノミスト』ですが、今週の特集は原油安の影響をとことん理解しようというもので、特集としてはいつもよりは面白かったと思います。

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第1位
週刊東洋経済■ <<< 大ベストセラーの解説特集

 1月20日に行なわれた米国のオバマ大統領による一般教書演説で、中間層への支援策と富裕層増税がうたわれた。選挙対策とも言われるが、オバマが"格差対策"を大統領選の争点に挙げて共和党に攻勢をかけるのは間違いない。格差が広がり続ける未来を予見した『21世紀の資本』は、その米国で昨年の大ベストセラーとなった。43歳のフランス人経済学者ピケティが著した700ページにも及ぶ経済書だ。『21世紀の資本』は、いまだにスター経済学者たちを巻き込んだ賛否両論の論争を起こしている。
 自社で出版しているわけでもないこの本を『週刊東洋経済』が特集に取り上げるのは、昨年の7月に続きこれで2回目。それだけ経済人の注目を集めている。昨年12月にみすず書房が翻訳本を刊行し、経済書売れ筋No.1だ。昨日からは『週刊東洋経済』「ピケティ特集」もアマゾンの経済書カテゴリー2位と好調だ。
 特集では、ピケティの理論に前回以上に迫るとともに、ピケティを入り口に、実証重視の最先端経済学のエッセンスを紹介する。さらに「中低所得層の負債増加が経済全体をもろくしている」と投げかける『ハウス・オブ・デッド』著者、アティフ・アミン米プリンストン大経済学部教授へのインタビューも掲載されている。こちらはポストピケティ本の最右翼だという。
<巻頭特集>「G(グローバル)型・L(ローカル)型 大学論争の深層」も興味深い特集だった。


第2位
週刊ダイヤモンド■ <<< 最強の学問を学ぶ

『週刊東洋経済』が"ピケティ"推しなら、『週刊ダイヤモンド』は"統計学"推し。ということで、今週の『週刊ダイヤモンド』は「統計学 自由自在!」が第1特集だ。2013年3月の「最強の武器『統計学』」以来、2年ぶり2回目の登場である。今回も2013年1月の発売以来36万部の支持を集める『統計学が最強の学問である』(ダイヤモンド社)の著者、西内啓氏が登場。ビジネスの現場で誰でも使える統計学の基礎から応用までを西内氏自身がわかりやすく解説する内容だという。うん!昨年10月に『統計学が最強の学問である[実践編]』も出版されたしね!
 Part1は事務機器販売会社の営業部を舞台にどのように統計学を取り入れていけば売上アップにつながるか具体的に指導。Part2では「習うより慣れろ」ということで、Part1で紹介した西内氏直伝のエクセルを使ったデータ分析の方法を手取り足取り8ページにわたって教えてくれる。大きな誌面を生かして分かりやすいので、これはやってみたくなる。そのほか、統計分析の達人・野口悠紀雄教授、人気占い師・ゲッターズ飯田氏など、統計を駆使する多彩な達人も登場する。


第3位
日経ビジネス■ <<<  トヨタがグーグル方式を真似た!?

 グローバル経済はあらゆるルールの元に成り立っている。これまでの日本はルールの順守にこだわり自ら作る事に関しては関心が薄かったし、はっきりいって苦手だった。だが、実際の経済現場の競争力はこのルールが左右する。社会課題やビジネス展開のために、「ジャパンスタンダード」を世界標準に押し上げていく時だ。今週の『日経ビジネス』は「Jスタンダード ルールは『守る』より『作る』」と題して、国際ルールをリードする方向性を模索する。
 今年1月にラスベガスで開催された「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー」においてトヨタ自動車が昨年12月に発売したFCVの特許全てを無償で提供すると発表した。この背景には国際的な規格争いが存在する。以前にEVの規格争いで苦渋を舐めたトヨタは今回、特許を公開することで自陣営の増加を目論んでいる。この手法は米グーグルがスマートフォン規格「アンドロイド」において実績をあげている。
 ルールを制するためには、このような「仲間を増やす」ことのほかに、ライバルに対して機先を制す「早い者勝ち」や普及を見込める地域や業種を見極める「土俵を変える」ことが重要となって来る。いずれにしろ、官民挙げての意識変革が必要だ。


第4位
週刊エコノミスト■ <<< 底が見えない原油安の本当の影響

 日本の場合、ガソリン代金の約4割が税金なのでそれほど大きな恩恵はないが、それでもガソリンの値段は大いに下がってきている。日本をはじめ、世界経済には総じてプラスとの見方が多い。が、プラスの側面だけではない。今週の『週刊エコノミスト』は「とことんわかる原油安」と題して、今回の「逆オイルショック」が金融市場や国際政治、エネルギー実需にどういう影響を及ぼし、何が起きているのかを掘り起こす。
 底が見えない原油安は金融市場に5つのリスクをもたらす。まずロシアなど一部産油国の信用不安の増大がすでに顕在化している。第2にエネルギーに関わる企業の信用劣化。商品関連の投資を行なうヘッジファンドの中には破綻や規模縮小を迫られるファンドも増加している。第3は原油安がデフレ圧力となっている点。第4は国際金融市場で存在感を示してきたオイルマネーの減少懸念。そして世界経済の牽引役・米国実体経済への影響である。
 いずれにしろ、「各国のマクロ経済は、まだ原油価格下落の影響を十分に織り込んでいない」(大井二三郎・住友商事グローバルリサーチ経済部長)状況であること。原油安の底が見えていないこと、地政学的リスクなど、原油をめぐる動きから目は離せまい。

2015年1月23日

【来た!見た!書いた!】 訪日外国人を増やすために注目したい「飛騨高山」というモデル

司馬遼太郎が誉め称えた町並みの美しさ
 正月休みに岐阜県高山市を訪れた。司馬遼太郎は『街道をゆく 飛騨紀行』で、高山について「まわりの田園が、うつくしい。飛騨で堪能できるのは、なんといっても民家である」と書いた。民家や伝統的な日本の町並みの美しさを堪能できる町だ。
 高山は東京からも、関西からも行きにくい。東京からの場合、一般的な名古屋ルートだと名古屋で新幹線から在来線の特急ワイドビューに乗り換え、さらに2時間半前後も鉄路に揺られることになる。
 今回は他に寄りたいところがあったため、富山からワイドビューひだに乗って南へ下るルートを選んだが、富山からでも2時間近くかかる。
 時間がかかるのは岐阜県の北側を占める飛騨高地の山が険しく、山と山の間を縫うように走るJR高山本線が単線で、しかも電化されていないからだ。つまり高山は東京からも、関西からも物理的な距離はさほどではないが、時間はとてもかかる場所なのだ。
 ワイドビューひだの、文字通り大きな窓を通して見る景色は抜群だった。富山平野の雪はそれほどでもなかったが、特急列車ディーゼルエンジンがうなりを上げて山を登るにつれ、雪が深くなる。車窓から見える民家は伝統的な日本建築が多い。単線の山岳路線ゆえ、スピードは速くない。「これぞ日本の冬」と呼べる風景を堪能できる2時間弱だった。
 だがそんなゆったりとした気持ちはJR高山駅に着くと一変した。

高山市への観光客のおよそ6%が外国人
 高山駅は2017年度の完成に向け駅舎や駅前広場などを工事中で駅の窓口やひどく狭い。そこに大勢の外国人観光客が並んでいる。列車の時刻を確認する人、みどりの窓口でわめく人、お土産を急いで買い求める人。日本語、英語、中国語が飛び交う。「ここはどこか?」と一瞬、錯覚するほどの日本的ではない混み方だった。
 高山駅から歩いて15分ほどの伝統的建造物群保存地区も、真冬の一地方の観光地とは思えない混雑ぶりだ。欧米人の家族が「日下部家」などの著名な民家の前で記念写真を撮影していると思えば、アジア系の人たちがお土産物屋にたむろしている。そのそばでは住民が雪かきに精を出す。なんとも多国籍の風景がそこにはあった。
 高山市によると、2014年に同市を訪れて宿泊した外国人観光客は前年より16%も増えて26万人に達した模様だ。高山市全体の観光客数が402万5000人だったので、そのおよそ6%を外国人が占めたことになる。
 市の推計では、外国人で多いのは台湾、タイ、香港の順番。伸びを見ると、中東が3倍以上、欧州と北米が4割増、中南米も3割近く伸びた。
 20日に日本政府観光局が発表した2014年の訪日外国人数は1341万人と過去最高となり、前年から29%伸びた。最大の要因は円安だ。2012年末に1ドル=86円台だった為替レートは、2014年末には119円台になった。日本での買い物代や宿泊費はドルベースで約3割も安くなった。


外国人を意識して街を整えた先駆的ケース
 中国や東南アジアの成長が続き、海外旅行を楽しめる層が増えたことも大きい。政府は訪日外国人の拡大を成長戦略のひとつと位置づけ、羽田空港の国際線の発着枠を増やしたり、免税対象をすべての品目に広げたりして、後押ししてきた。
 とはいえ外国人が訪問する中心はいまだに首都圏や関西、富士山、名古屋などのゴールデンルートだ。そのルートからはずれていて、さして交通の便がよくない「地方」でこれだけ外国人を集めている地域はまれだ。
 高山はなぜこれほど外国人をひきつけるのか。その歴史は、飛騨地方の1市19町村(当時)が1986年、国の国際観光モデル地区に指定されたことにさかのぼる。それ以来、高山市は外国人が安心して訪ねられる街づくりに取り組んできた。
 英語の案内所や無料で利用できるインターネット回線を整備。英語以外にも仏語やスペイン語など10言語による「散策マップ」を用意した。多言語併記の案内板も整備し、SNSでも海外向けに観光情報を発信している。
 何よりも外国人が感じる「日本らしさ」を意識して保存してきたことも大きい。旅行の専門家は高山市を「外国人を意識して街を整えた、先駆的なケース」と賞賛する。
 とかく日本の自治体が苦手とされる、近隣自治体との連携にも積極的だ。金沢市や松本市とは共同で1989年から外国人向けの観光ルートを開発してきた。


訪日外国人2000万人達成には地方への誘客が必至
 2012年には、国が中心となり、中部北陸9県の観光ルートを龍の形に見立て、中華圏や東南アジアでの知名度アップを狙おうという官民一体の「昇龍道プロジェクト」が発足した。
 2014年3月にはマレーシアの格安航空会社(LCC)のエアアジアXが首都のクアラルンプールと中部国際空港を結ぶ路線を週4便運行させていることもあり、マレーシアなどイスラム圏からの観光客も増えている。
 政府は2015年の訪日外国人数を1500万人以上と予測している。外国人が国内で使うお金から、日本人が外国で支払うお金を差し引いた旅行収支の赤字幅は縮小傾向が続いてきたが、このまま訪日外国人が増え続ければ、黒字に転換するのも遠くはない状況だ。
 ただ旅行大手のJTBは15年の訪日客を1500万人と予想し、伸び率は29%から13%に鈍化するとみている。東京都内のホテルが不足することが理由だ。政府目標の2020年に訪日外国人2000万人を達成するには、地方への外国人の誘客をどう増やすかが課題なのだ。
 外国人への対応をどうするか。今あわてふためいて対応に動き出した地方の観光関係者は多いだろう。地域の資源を生かしながら外国人対応を進めた高山市から学ぶことは多いはずだ。

今週の第1位は『週刊ダイヤモンド』・・・孫正義 世界を買う

週刊ダイヤモンド ... 孫正義 世界を買う
日経ビジネス ... ナノ市場突破法
週刊東洋経済 ... 今年こそ株・投信
週刊エコノミスト ... 自動運転・AI・ロボット

『週刊ダイヤモンド』が思い切った特集を組んだ。そもそもあまり人物特集をしない同誌だが、孫さんの特集というより、ソフトバンクの買収史的な切り口から今後の戦略を見る、という感じの特集でしょうか。面白い切り口だと思いました。これが今週の第1位です。
 次に面白かったのは『日経ビジネス』の特集「ナノ市場」です。いまや、従来のマーケティングの考え方では商品もサービスも売れない。もっと細分化(ナノ)された市場になっているというのが同誌の考えで、実際の成功例を基に取材した「ほぉっ」と思わせる切り口でした。これが今週の第2位です。
『週刊東洋経済』は先週の『週刊エコノミスト』に続いて、株と投信の特集です。それなりの切り口で読ませます。
『週刊エコノミスト』は将来爆発的に伸長する市場である自動運転とAIとロボットをまとめて特集しています。それにしてもタイトルは何とかならないのか? これじゃ、売れるものも売れない?

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第1位
■週刊ダイヤモンド■ <<< 第2のアリババを探す孫正義の旅

『週刊ダイヤモンド』は「孫正義」の特集。タイトルは「孫正義 世界を買う」。過去数年のデータでは1年に1度は単独で特集される傾向にあるのがソフトバンクだ。米スプリント事業での停滞というブレーキもあるが、しかし、今年も買収も含めてダイナミックな動きを見せてくれるだろう。新年一番の読みたくなった特集だ。
 まずは昨年10月にグーグル最高幹部からソフトバンクに転身したニケシュ・アローラ氏。なぜグーグルを辞めたのか、そして孫正義氏と手を取って目指したい夢は何か、アローラ氏自身の言葉で語られている。これまでもたくさんのM&Aや投資をしてきた孫氏だが、アローラ氏の登場で第2のアリババを探す旅は今後さらに加速する。過去の買収劇・出資劇もドラマが満載だ。「秒速で出資を決める」と言われる孫氏。「革新的なビジネスを手がける起業家に出会うと、即座に買収モードに入る。それが孫社長の野生の勘」だという。アリババ創業者ジャック・マー氏、スーパーセルCEOイルッカ・パーマネン氏、スプリント現CEOマルセロ・クラウレ氏など、孫氏との"伝説の出会い"がそれぞれ面白い!
 第2特集は「インド 『厄介な超大国』で突破口を開く」。


第2位
■日経ビジネス■ <<<  SNSで「いいね」がたくさんあればヒットする!?

 新年から始まった『日経ビジネス』の"シリーズ逆転の経済"第3弾は「『ナノ市場』突破法」。テクノロジーのことかと思いきや、「2極化どころか1万極」と言えるくらい、微細に多極化する消費市場がテーマである。もはやセグメント化して的を絞るような古びたマーケティング手法は通用しない世界が広がっているというのが同誌の主張だ。
 消費しないと言われる若者が消費する現場、なぜか好調の大人数用調理家電、検索はさせず選択肢を提供する転職サイト、中高生向けクリスマスの大人気"プログラミング合宿"など、いま密かにウケている8シーン15例、まさにナノ化した消費・サービスの現場が紹介される。
「散らばった個人の嗜好は揺れ動き、割り切れないから、市場はさらに複雑化していく(本文)」。1つだけあるのは「SNSで友達に見せ」て「いいね」がたくさんもらえるものはヒットしているということか。
「スペシャルリポート シリーズ大胆提言③」でも変わる消費者を取り上げている。「『お客様は神様』じゃない 社員を守れぬ会社に先はない」がそれだ。猛威を振るう反社会的消費者への対応を追う。増加するクレーマーの一翼はずばり団塊の世代。


第3位
■週刊東洋経済■ <<< また、株・投信特集?

 先週の『週刊エコノミスト』に続き、今週は『週刊東洋経済』が投資特集だ。タイトルは「円安と低金利に負けない! 今年こそ株・投信」。確か『週刊東洋経済』は『会社四季報新春号』発売に合わせて「いま投資するべき株・投信」という特集をひと月前に組んでいた。が、確かに今週の記事のほうがより具体的でわかりやすく、分析も進んだ誌面となっている。こんなに間を置かずに同じテーマの特集とは、珍しい。年明け早々フランスでのテロ騒動やスイス発信の金融騒動でフェーズが変わったので、個人投資家にはいい仕切り直しかもしれない。
「図解:円安、低金利時代に有利な投資先」「株:今年も日本株が狙い目」「投信:いま始める海外金融商品」「サラリーマンでもできる不動産投資」と、4つのパートからなる。マネー戦略のご参考にどうぞ。
 さて、毎度手厚い『週刊東洋経済』の巻頭特集。今週は「ソニーの60日間 映画はパンドラの箱を開けた」だ。映画とは金正恩第1書記の暗殺を題材とするコメディ映画『インタビュー』のことだ。たかが1本のナンセンスコメディ映画が米朝対立の引き金を引いた......この奇想天外な事件の裏で企業・ソニーはどう動いたのか。


第4位
■週刊エコノミスト■ <<< 今後爆発的に伸長する市場は?

『週刊エコノミスト』の注目テクノロジーシリーズとでも言おうか、毎回3分野に焦点を当てる。今回は将来の成長が見込まれる希少な有望市場「自動運転・AI・ロボット」。「情報技術(IT)の進化で、自動運転、ロボットと、その開発の鍵を握る人工知能(AI)の市場が爆発的に広がっている」いま、日本企業がつかむべきチャンスに注目する。
 自動運転の国内市場は、現在の500億円から2030年には20兆円。ロボットは2035年9兆7080億円。経済産業省などが示した見通しだ。政府のバックアップも強力で、とくにロボット研究開発には国費を投入して普及に取り組む。しかし自動運転にグーグルが参入しているように、自動運転もロボットも業界や国境を越えた取組みや参入が加速している。

2015年1月15日

今週の第1位は『週刊東洋経済』・・・検証 ビジネスマンのための日本論

週刊東洋経済 ... 検証 ビジネスマンのための日本論
週刊ダイヤモンド ... 保険激変!
日経ビジネス ... 1ドル150円経営
週刊エコノミスト ... どうなる株・投信

 今週号の経済誌ですが、『週刊東洋経済』ただ1誌が、冒頭でフランスの週刊新聞社襲撃事件に対する抗議と追悼のメッセージを掲載していました。締切ギリギリの時間に差し込んだのでしょうが、こうしたページをみると感じるものがあります。いずれにせよ同誌にはこういう姿勢が脈々と流れているような気がします。特集の「日本論」も近頃増え過ぎの感がある「嫌韓」「嫌中」に対する「変だ」というアンチテーゼを掲げていて、中身ももちろん面白い内容でした。これが今週の第1位です。
 第2位は『週刊ダイヤモンド』の特集は「保険業界」。生損保それぞれの業界取材から始まって、読者のための保険飲み直し&商品ランキング、さらには代理店の状況までボリュームたっぷりに組んでいます。
『日経ビジネス』は円安にスポットを当て「為替」をテーマに特集を組みました。1ドルが150円になった時に経営の舵をどう取っていくかがテーマで、230社に緊急アンケートを行なっています。
 そして、第4位は『週刊エコノミスト』で、特集は株と投信です。株で言えば、強気の2万5000円説から弱気の1万円割れまでを予測しています。

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第1位


 今週の『週刊東洋経済』第1特集は変化球を投げてきた。「検証 ビジネスマンのための日本論」というのがそれで、サブタイトルに<嫌中・嫌韓・日本礼賛ブームのなぞ>と続く。
 ネットでも書籍でも韓国・中国関連の記事はヒット数・出版数ともに多い。さっそくヤフーホームページ「雑誌記事アクセスランキング(国際)」では東洋経済オンラインに掲載された産経新聞ソウル駐在客員論説委員・黒田勝弘氏へのインタビュー「日本人よ『反韓・嫌韓ブームは見苦しい!』」が第1位を獲得している。「歴史問題をめぐる対立は、体調が悪くなると発症する帯状疱疹のようなもの。完治は難しく、日本経済を回復させるしか無い」(渡部恒雄・東京財団上席研究員)というように、経済大国としての地位が揺らぎ、国力や将来に不安を感じる層の、日本における捌け口が「嫌中・嫌韓」に向いているような感じだ。「(戦争のことは)とにかく日本が悪い」というような戦後の教育への揺り戻しでもあるわけだが、ここは冷静に日本の実力と立ち位置を再点検する機会としようではないか!と『週刊東洋経済』が言っている。トンデモ本と一線を画す「いま読むべき日本論30冊」に目を通すのがとくにオススメです。
 今週も『週刊東洋経済』の巻頭が熱い。凶弾に倒れたパリの週刊新聞社の方々への追悼から始まり、ホンダ、キリンの記事はそれぞれの業界人必読だ。


第2位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< 絶対的首位の2大巨頭が転落した保険業界

 昨年11月28日に出そろった主要生命保険13社の2014年9月中間連結決算で、第一生命が日本生命を抜いて戦後初めて保険料等収入第1位の座を奪った。かたや損保業界では、それに先んじる2014年9月1日、損保ジャパンと日本興和が合併。損保ジャパン日本興和が東京海上日動火災を抜いて業界1位に。2014年は、長らく業界に君臨してきた2社が相次いで首位から陥落するという保険業界激変の1年だったという。しかも保険代理店には金融庁が一斉に直接検査に乗り出し、さらに大型再編も勃発。地殻変動を起こした保険業界を、今週の『週刊ダイヤモンド』が「保険激変!」とのタイトルでレポートする。
 第一生命が首位の座を奪った原動力となったのは、銀行窓口を通じて販売した第一フロンティア生命の外貨建て個人年金保険だった。銀行窓販専門の子会社が打ち出した商品だ。特集では、生損保・代理店の業界地殻変動とともに、個人向けの「保険の見直し&商品ランキング」を掲載。後悔しない保険選びの"新常識"を伝授する。


第3位
■ 日経ビジネス■ <<<  為替は1ドル120円から150円へ

 円安が進んだ2014年、年末には遂に1ドル120円台の水準に突入した。アベノミクスは継続し円安傾向も中長期的トレンドとみられるなか、各企業はどこまでの円安を覚悟しているのか。
『日経ビジネス』の今週の第1特集は「1ドル150円経営」。昨年11月に上場企業232社からファクシミリで回答を得た「為替の見通しに関する調査」をもとに記事を構成した。その調査では、2020年に1ドル150円となる覚悟をしている多くの企業の見立てが浮上した。企業はどのような対応を迫られるか。先進企業の事例と円安のマイナス側面をリポートする。
 アイリスグループの大山健太郎会長は「円高になる理由が無い。だからこそ今後も円安が進む事を想定して経営の舵取りをする」と言い切った。アイリスグループは商品のほとんどを中国等で生産しているため円安の煽りをもろに受けている。グループでは更なる円安へ備え、国内の工場を増設している。他にも国内回帰をしている企業は多い。
 三菱電機の施策は各生産拠点が個別に持つ調達先の情報を統合するというもの。各生産拠点ごとに最適な調達先から部品を調達し、円安・円高にかかわらず安定したコストで調達をできるシステムを開発中だ。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 株価2万5000円説

 1月6日、日経平均株価は前日比-525円の大幅安。2015年の株式市場は波乱の幕開けとなった。先週は『週刊ダイヤモンド』がマネーを特集。今週は『週刊エコノミスト』が「どうなる株・投信」との特集を組んだ。
 市場関係者の日経平均株価予想は、15年末には2万円を超える予想が大半を占める。しかし本当にそうか? 2万5千円超の強気の予想の対極には、外国人投資家にも見放され1万円割れもある......という弱気の予想もある。
 この不透明で不安定な市場状況を、2015年の注目のイベントカレンダーとともに予測する。上場企業の3月期決算発表は? 米国の利上げは? 日銀の異次元金融緩和第3弾は?
『週刊エコノミスト』が探る。

2015年1月 8日

今週の第1位は『週刊ダイヤモンド』・・・今年こそ!お金を学ぶ

週刊ダイヤモンド ... 今年こそ!お金を学ぶ
週刊東洋経済 ... 最強の英語力
日経ビジネス ... 日本を脅かす 第4次産業革命
週刊エコノミスト ... 1ドル130円時代

 雑誌によって癖があります。例えば、『週刊ダイヤモンド』や『週刊東洋経済』には定番ものの企画がある。『日経ビジネス』なら海外もの(というかグローバルもの)の企画、そして『週刊エコノミスト』ならマクロものといった具合です。『週刊ダイヤモンド』と『週刊東洋経済』は、その昔「公経済(マクロ)の東洋経済、私経済(ミクロ)のダイヤモンド」と言われていましたが、近年そんな差はまったくありません。 
 ところで、新年早々の経済4誌は、その癖がたっぷりと出たようです。
『週刊ダイヤモンド』はお金の特集を掲げました。それも徹底的に。まずくなったコーヒーの裏にあるお金の話から、ふるさと納税制度のフル活用法までなかなか読ませる内容で、単純に面白かった。これが今週の第1位です。
 もう一つの定番企画は『週刊東洋経済』の「英語特集」です。こちらも今年の勉強カレンダーまでつけてハウツーがぎっしりという内容。今年は英語を、などと思っている人には最適でしょう。定番特集が第1位と第2位を占めました。
『日経ビジネス』はやはり定番のグローバルな視点の特集で、第4次産業革命としてのIOT(モノのインターネット)でどのように社会が変わっていくか、そこでの覇者となる企業はどこかといった壮大なテーマを掲げました。割に面白かったのですが、同誌の特集はページ数の少ないのが難点です。もっともこうした特集を毎週50ページ近くやっていたらおカネがかかってしようがないでしょうけれど。
 第4はいつも通り『週刊エコノミスト』です。特集は定番のマクロもので「1ドル=130円時代」を特集のテーマにしました。

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第1位
■週刊ダイヤモンド■ <<< お金のことなら何でも聞いてくれ

 2015年初めの『週刊ダイヤモンド』は個人とお金のつきあい方を第1特集にもってきた。「今年こそ!お金を学ぶ」が特集タイトルだ。定着しつつある円安傾向、インフレやバブルが起こるという予測を背景に、2015年は「お金とのつきあい方を考え直す年にしなければならない」との箴言だ。
 第1章「今こそ学ぼう お金の『基本』」、第2章「初心者でもできる『貯める・殖やす』」、第3章「家計を整え相続を知り厳しい老後に備える」、第4章「カラクリを知って安くよいものを買う」......と、シロウトに手取り足取りの編集内容。さて、読者はこの特集でリード文に書かれているように「投資、家計、相続、消費と、どんな局面でも、お金に対する明確な考えを持つ」ことのとっかかりをつかめるのか!? 序章ではライブドア元CEO堀江貴文氏と著名投資家・ファンドマネージャーの藤野英人氏が「僕らが考える、お金の本質」という対談をしていて、お金の初心者には刺激的なトークを交わしている。
 第2特集は「明日は我が身のサイバー脅威」。個人だからといってサイバー攻撃に合わないなどと高をくくってはいられない現状だ。


第2位
■週刊東洋経済■ <<<  2015年の英語学習スケジュールがついている

『週刊ダイヤモンド』が「お金」なら、『週刊東洋経済』は「英語」。鉄板の定番ネタで両誌第1特集を攻めてきた。特集のタイトルは「最強の英語力」。リードに「これ1冊で2015年の英語学習は完璧」とあり、特集冒頭には1年の学習指針を掲げ、TOEIC、TOEFL、英検の試験スケジュール入り2015カレンダーがドーンと見開きで掲載されている。そんなわけで、あとは特集に登場する英語学習の達人たちのノウハウを読んで学習を開始するだけだ。「1年の計は元旦にあり」。『週刊東洋経済』は英語学習が2015年のやることリストのイチオシなのね。
 ところで、読み物として面白かったのは「三人三談」の新春特別版「分裂!ニッポン」。おじさん、若者、女性、格差、分裂する日本社会の深層を3人の気鋭の論客が語る。3人とは社会学者・古市憲寿氏、哲学者・萱野稔人氏、批評家・濱野智史氏。読後、社会のために働くこと、自分の周りに垣根を作らないこと、個人のノリとセンス、勢いを大事にしよう!との思いを強くした次第。2015年の1年の計かもしれません。


第3位
■日経ビジネス■ <<< いよいよモノのインターネットの時代か

 新年の『日経ビジネス』は「逆転の経済」と銘打った新しいシリーズ特集を展開する。「デフレからインフレへ、円高から円安へ、原油高から原油安へといったマクロ環境の逆転もさることながら、経営のパラダイムシフトが起きつつある」との認識を特集するとのこと。その第1弾が今回の特集「第4次産業革命」だ。
 第4次産業革命の根幹を成すのは「IoT(Internet of Things=モノのインターネット)」。人と人、人と組織、組織と組織をつないできたインターネットが、これからはモノとモノもつながるようになる。たとえば、工場と工場、工場と消費者がインターネットでつながったら、消費者の要望を商品一つ一つに反映させることができるので、カスタムメイドがデフォルト(初期値)になる。また、生産ラインを一つのインターネットで制御することにより、製品の改良や改善といったことがソフトをアップデートするかのように行なえる。そしてそれは新興国企業でも先進国並みの生産性を一気に獲得でき、技術力のパワーバランスが入れ替わりうるということだ。
 ドイツのシーメンスはいち早くこの「考える工場」を作り上げた。生産ラインの商品をリアルタイムで管理し、制御している。ITの雄であるインドもIoTを活用し、弱点であった生産効率の低さを補う企業が増えてきている。米国のITの巨人達とよばれる企業達も黙ってはいない。未だかつて無い巨大市場へ虎視眈々と手を進めている。さて、日本は!?


第4位
■週刊エコノミスト■ <<< 130円を突破するか?

 年末のルーブル安、年始は原油安に始まった2015年。『週刊エコノミスト』は「1ドル130円時代」という特集を組んだ。安倍政権発足とともに円安の時代が始まった。2015年の円相場はどのような見通しなのか、国内外の専門家が見通しや背景を寄稿する(Part1)。また、Part2「歴史に学ぶ」には、プラザ合意の交渉に当たった内海孚元財務官、ポール・ボルカー元FRB議長が登場。とくにボルカー氏は質問に答える形で「将来は対人民元版プラザ合意も」とのコメントを発している。
 タイトルで目を引かれたのは、エコノミストリポート「JR東京駅周辺に一極集中」だ。要するにJR東京駅周辺で繰り広げられている再開発で、2013年以降、「大・丸・有」(大手町・丸の内・有楽町)に金融機関や法律事務所などのサービス業、医薬関連企業など約20社が本社機能を移転させているそうだ。