2014年12月17日

今週の第1位は『週刊ダイヤモンド』・・・の第1位は『』・・・労基署がやってくる!

週刊ダイヤモンド ... 労基署がやってくる!
週刊東洋経済 ... 実家の片付け2
日経ビジネス ... 環太平洋30億人経済圏を攻略せよ
週刊エコノミスト ... 日本経済総予測2015

 
 視点を変えることで、まったく違ったものが見えてくるのはよくある話ですが、特に雑誌の企画では、その「ちょっと違った視点」が効力を発揮します。今週号の『週刊ダイヤモンド』の特集はまさにそれが当てはまると言えるでしょうか。「労基署がやってくる」というタイトルには経営者は敏感に反応します。逮捕権まで持つ労基署とブラック企業の攻防はこれからますます広がっていくのではないでしょうか。ということで、これが今週の第1位です。
 先週『週刊エコノミスト』が特集で取りあげたのと同じ企画を組んだのは『週刊東洋経済』です。先週の『週刊エコノミスト』は「実家の後始末」で今週の『週刊東洋経済』は「実家の片付け2」。2が入っているのは1があるからで、今年のお盆の頃に1をやっています。つまり長い休みを取る時に考えようと言うのでしょう。本当は「またか」感が強くてこういう企画は敬遠するのですが、しかし、よくよく考えてみるとこれには日本の問題点が凝縮されています。戦後東京一極集中を進めた日本が高齢化によって構造が変わり、多くの人が住んでいた首都圏郊外の家が見放されつつあるという、この国特有の問題がそこに浮き彫りにされているわけです。同誌は徹底したハウツーで構成しているのも面白い。ということでこれを今週の第2位にします。
『日経ビジネス』は環太平洋を一つの商圏として捉えて、そのなかで日本はどのような形でビジネスをしていくか考察しています。TPPの問題、あるいはFTA(Free Trade Agreement:自由貿易協定)も絡んで大きな意味での問題提起がなされています。そして『週刊エコノミスト』は年末ということもあって来年の「日本経済の総予測」を特集しています。

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第1位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< 大手上場企業の57%が労基署に是正勧告を受けている

 意外と知られていないが、労働基準監督署は税務署よりも強い権限を持っている。ある日突然会社へとやってくる彼らにブラック企業の烙印を押されないためには一体どうすれば良いのだろうか。今週の『週刊ダイヤモンド』は「労基署がやってくる!」と銘打って、知られざる労基署を大解剖。増加の一途をたどる労務トラブルの最新情報も。
 上場企業のうち従業員が3000人以上いる企業733社を含む743社へとアンケートを行なったところ、労基署の臨検監督(立ち入り調査)を受けた企業は76%、さらに是正勧告を受けた企業は57%に及んだ。彼らに悪質と判断されないためには残業時間、勤怠状況を正確に管理する制度を導入しておくことが重要となる。これがあやふやだと悪質と判断されやすくなってしまう。
 労基署が狙い撃ちする企業の特徴は概ね5つ。1つ目は過去に労基署に入られている。特に時間外労働や安全基準を満たしていない場合は繰り返し行なわれる可能性があるためだ。2つ目は内部告発が多い企業。3つ目は労災死傷者が多い業種。4つ目は労務トラブルが増えている企業。5つ目はブラック企業と疑われている企業だ。


第2位
■ 週刊東洋経済■ <<<  いまや年末年始は実家の片付け

 今年の夏『週刊東洋経済』にて特集された「実家の片付け」。大反響につき、第2弾をお届けするそうだ。そのタイトルも「実家の片づけ 2」。高齢化が急速に進んでいる日本で、実家の片付けや空き家の整理、そして墓じまいは、個人、自治体を問わず解決すべき問題となっている。年末年始の帰省に合わせて、実家を片付ける算段をたてようではないか!ということだ!よ。
 とにかくこれでもかとケーススタディが紹介されている。それらを読んでいくと、「なんとかせねば」と重い腰を上げることにつながりそうだ。たとえば、愛知県に住む八代宏治(仮名)さんは4男1女の5人兄弟で、集まれる日がほとんどなかったため、その日とにかく「捨てた」。事前に廃棄の準備をしてあった仏壇以外をほぼ捨ててしまった。愛着ある実家を都心なのに購入時の半分でやっとこさ売った人もいる。高級住宅街・鎌倉山の高齢者、富裕層のはずなのに、一戸建てのあまりの不人気に売却できず、駅近のマンションに引っ越せなかったという。都心マンションも旧耐震基準で建てられたものは空き家率が高い。お墓もしかり。自分の荷物は自分で減らしておかなきゃな......とつくづく感じた特集だった。
 巻頭で何本もの小特集を連発する『週刊東洋経済』。今週は「ひと烈風伝 第4回」に角川歴彦さんが登場している。


第3位
■ 日経ビジネス■ <<< 環太平洋貿易の意外なルート

「地中海は過去の海、大西洋は現在の海、そして太平洋は将来の海。100年以上前から言われてきたこの言葉が現実のものになろうとしている」。
 今週の『日経ビジネス』はこんな一文からスタートする。「環太平洋30億人経済圏を攻略せよ 2015年 メガFTA始動」が、その特集タイトルだ。
 環太平洋経済圏の貿易が活発化し、高い潜在的な価値を発揮しつつある。米中を中心に各国の鞘当てが激化するなか、新たな成長センターで日本はどう戦うのか。
 日本のインフラ輸出の目玉である高速鉄道。中南米のメキシコではそれが中国の企業に落札されてしまった。中国は対外投資先として近年中南米を意識しており、今回の一件もその延長線上と言える。中国から中南米へといった今までには考えにくかった太平洋をまたいだ投資の流れ。これは単なる「大国化する中国の海外進出」ではない。環太平洋貿易の発達によりこのような「意外なルート」が次々と生まれてくる可能性があるのだ。今までの日中、日米、米中といった「大動脈」経済の流れだけではなく、都市間同士のレベルの細かい流れ、いわば「毛細血管」経済にまで気を配らなければ日本は大きなチャンスを失ってしまうだろう。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 15年のGDP成長率予測は1,1%

 来年の経済大予測を今週の第1特集に入れてきたのは『週刊エコノミスト』だ。「日本経済総予測2015」。2015年の成長率、雇用、産業、株価、為替の全予測である。消費増税の反動によって結局マイナス成長であった2014年。ハロウィンの日銀黒田追加緩和のサプライズも吹っ飛ぶ「まさかの国民総生産1.9%減」。2015年はどのように市場が進んでゆくのか。あらゆる角度から予測を行なった。
 2014年7〜9月期のGDPは前期比で0.5%減、年率換算で1.9%減だった。多くのエコノミストの予想を下回り、消費増税の反動が予想以上に日本経済の足を引っ張っている構図がそこに見て取れる。このマイナス成長を受けて安倍首相は消費再増税を見送り、衆院解散に踏み切ったわけだが、はたして今後景気は回復に向かうのだろうか。
 民間調査16機関に15年の日本経済見通しをアンケートしたところ、GDP成長率の予測平均は1.1%となり、昨年度の予測0.1%を上回っている。消費再増税が先送りになったことで各社が景気上昇を見込んでいると言える。しかし、項目によってはまだ消費増税の反動減が抜けきらず、住宅投資などいくつかの項目については減少が予想されている。