2014年12月25日

今週の第1位は『週刊東洋経済』・・・2015大予測

週刊東洋経済 ... 2015大予測
週刊ダイヤモンド ... 2015総予測
日経ビジネス ... GEの破壊力
週刊エコノミスト ... 世界経済2015

 今週で年内の経済誌発行はほぼ終わりです。ほぼと書いたのは『日経ビジネス』だけが合併号ではないからですが、年末の合併号と言うと、恒例の「予測もの」が各誌の特集となります。各誌それぞれ甲乙つけがたいのですが、なかでも面白かったのは『週刊東洋経済』でした。特に冒頭のスペシャルインタビューがいい出来でした。特に世界編は、バブルへの警戒をはじめ日本に警鐘を鳴らしているものが多く、考えさせられました。これが今週の第1位です。
 第2位も予測もので『週刊ダイヤモンド』の総予測がとにかくボリュームがすごく圧倒させられました。こちらも副題に「バブルがやってくる」とあり、両誌とも同じ論調のようだが、警戒感が強い『週刊東洋経済』とあくまで分析的に書いている『週刊ダイヤモンド』とで差が出たような気がします。
『日経ビジネス』はこうした予測ものをやりません。GEを特集に持ってくるあたりが同誌らしさと言えるでしょう。
 第4位は世界経済の予測特集を掲げた『週刊エコノミスト』です。先週が日本経済の予測でしたから、当然と言えば当然なのでしょうね。

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第1位
週刊東洋経済■ <<<  安倍首相は日本を破滅させた男として歴史に名を残す

『週刊東洋経済』ももちろん合併号。そして、『週刊ダイヤモンド』と同じく「2015 大予測」と銘打つ大特集を組んだ。こちらは多くのエコノミストを招いた73テーマの予測とともに、特集巻頭で、ジム・ロジャーズ(著名投資家)、チャールズ・マレー(政治学者)、内田樹(思想家)、武藤敏郎(大和総研理事長)など、10人の著名人が各々の専門分野について予測見解を述べるインタビューに応えている。『週刊ダイヤモンド』より世界経済からの視点が濃い編集となっている印象だ。
 消費増税やアベノミクスで荒れた2014の日本経済。その流れを汲む2015年の日本経済、ひいては世界経済はどう動いて行くのだろうか。『週刊東洋経済』は、Part1.日本経済、Part2.世界経済、Part3.ニッポンの岐路、Part4.歴史は繰り返す?、Part5.五輪後の景色と日本人、この5つの分野に分けて予測を行なっている。
 注目は冒頭のジム・ロジャーズへのインタビュー。彼には私もインタビューしたことがあるが、なかなかはっきりとものを言う人で、なぜ自分はバイクで世界中を回っているかを理路整然と話してくれ、なるほどと、その慧眼に瞠目したものだ。その人が「2020年までに世界規模の破綻が来る」「安倍首相は日本を破滅させた男」として歴史に名を残すと言っている。なかなか興味深いではないか。


第2位
週刊ダイヤモンド■ <<< 8分野100項目の予測

 合併号の季節だ。それにしても今週の『週刊ダイヤモンド』は厚い! 総ページ数230超え、実に通常号の2倍である。特集は「2015 総予測 バブルがやってくる!」。「2015年はどうなるのか、8分野100項目にわたって多角的に予測」する。
 2014年の世相を表す漢字に「税」が選ばれた。消費増税が一年を通して話題となった2014年。が、日銀黒田総裁の2度にわたる異次元金融緩和、そして消費再増税の先送りによって、市場はまったく違う様相を呈してきた。巷にあふれたマネーが徐々に株式を押し上げている。東京五輪の決定により不動産もにぎわっている。これらはかつてバブル景気と呼ばれたその前兆に似ている。当時といくらか状況は異なってはいるが、金融緩和と消費増税の先送りによって下地は整っている。そんななか予測される8分野とは、経済、政治・制作、地方、国際社会、産業・企業、新産業、暮らし・社会、スポーツ・文化。編集部だけでなく、さまざまな人選で100項目の予測が語られる。
 第2特集は「2014『ベスト経済書』」。


第3位
日経ビジネス■ <<< 巨人GEの強み

 世界の産業界に君臨している米ゼネラルエレクトリック(GE)。絶え間ない自己革新によりトップを走り続けていた彼らが今、変革の時を迎えている。今週の『日経ビジネス』は「ものづくりの未来を変える GEの破壊力」だ。ちなみに『日経ビジネス』は合併号ではない。
 ものづくりのあり方を根底から変えようとしているGEが取り組んでいる事は大きく3つ。1つはソフトを活用した機器の価値向上。例えば多種多様なセンサーを作るだけではなく、それらにより集まる膨大なデータを解析するソフトウェアに力を入れることでデータにも新たな価値が生まれる。そして新たな価値からはビジネスが生まれる。
 2つめは生産技術の革新。あらゆるモノがインターネットにつながるこの時代、多くの企業がソフト技術へと力を注いでおり、GEもその例外ではないが差をつけるためにはハード面の技術も進化させる必要がある。その象徴とも言えるのが3Dプリンターの大規模活用で、これにより細かい顧客のニーズへの対応や、3Dプリンターを生産機器としての改良等に成功している。
 3つめは開発の迅速化で単純に納入を速くするというだけではなく、開発の段階から製品を顧客にみせて意見を聞きながら改良を重ねた上で迅速に開発を行なうという。作り手の思い込みを排除し、顧客にとって価値の高い物を迅速に生み出そうという考えだ。
 特集の冒頭では、ソフトバンク(孫正義)とGE(ジェフ・イメルト)の両トップが提携した話から始まる。さて、その姿から日本の企業は何を学べるのだろうか。


第4位
週刊エコノミスト■ <<< 原油価格急落が2015年の懸念事項

『週刊エコノミスト』は、年末年始の合併号に「世界経済2015」と題した特集を持ってきた。先週の「日本経済総予測」に続くものだ。米国の順調な景気回復によって2015年の世界経済は緩やかな成長を続ける。が、ここに一つの懸念事項が浮上している。原油価格の急落だ。14年の後半に始まった原油価格の低下が、15年半ばに予想されている米国の利上げをトリガーに緩やかな成長を続ける世界経済をかき乱す要因となり得るとしている。しかし、原油価格が下がるということはデメリットばかりではない。日本や欧州といった近年低成長に苦しむ原油輸入国にとってはメリットも大きい。世界経済が乱れはするが、米国の一人勝ちの状況が崩れるということでもあるので、一概に悪いばかりとは言えない。一方で原油輸出国が多い新興国らは近年の高成長を維持するのは難しいだろう。中国やインド、ロシア等の国も成長率の減速が見込まれている。
 2015年予測もの3誌読み比べはいかがだろうか。ぱらぱらとページをめくっていると50歳を過ぎて女装を始めた安冨渉・東京大学教授の「問答有用」も面白く読ませていただいた。

2014年12月17日

今週の第1位は『週刊ダイヤモンド』・・・の第1位は『』・・・労基署がやってくる!

週刊ダイヤモンド ... 労基署がやってくる!
週刊東洋経済 ... 実家の片付け2
日経ビジネス ... 環太平洋30億人経済圏を攻略せよ
週刊エコノミスト ... 日本経済総予測2015

 
 視点を変えることで、まったく違ったものが見えてくるのはよくある話ですが、特に雑誌の企画では、その「ちょっと違った視点」が効力を発揮します。今週号の『週刊ダイヤモンド』の特集はまさにそれが当てはまると言えるでしょうか。「労基署がやってくる」というタイトルには経営者は敏感に反応します。逮捕権まで持つ労基署とブラック企業の攻防はこれからますます広がっていくのではないでしょうか。ということで、これが今週の第1位です。
 先週『週刊エコノミスト』が特集で取りあげたのと同じ企画を組んだのは『週刊東洋経済』です。先週の『週刊エコノミスト』は「実家の後始末」で今週の『週刊東洋経済』は「実家の片付け2」。2が入っているのは1があるからで、今年のお盆の頃に1をやっています。つまり長い休みを取る時に考えようと言うのでしょう。本当は「またか」感が強くてこういう企画は敬遠するのですが、しかし、よくよく考えてみるとこれには日本の問題点が凝縮されています。戦後東京一極集中を進めた日本が高齢化によって構造が変わり、多くの人が住んでいた首都圏郊外の家が見放されつつあるという、この国特有の問題がそこに浮き彫りにされているわけです。同誌は徹底したハウツーで構成しているのも面白い。ということでこれを今週の第2位にします。
『日経ビジネス』は環太平洋を一つの商圏として捉えて、そのなかで日本はどのような形でビジネスをしていくか考察しています。TPPの問題、あるいはFTA(Free Trade Agreement:自由貿易協定)も絡んで大きな意味での問題提起がなされています。そして『週刊エコノミスト』は年末ということもあって来年の「日本経済の総予測」を特集しています。

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第1位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< 大手上場企業の57%が労基署に是正勧告を受けている

 意外と知られていないが、労働基準監督署は税務署よりも強い権限を持っている。ある日突然会社へとやってくる彼らにブラック企業の烙印を押されないためには一体どうすれば良いのだろうか。今週の『週刊ダイヤモンド』は「労基署がやってくる!」と銘打って、知られざる労基署を大解剖。増加の一途をたどる労務トラブルの最新情報も。
 上場企業のうち従業員が3000人以上いる企業733社を含む743社へとアンケートを行なったところ、労基署の臨検監督(立ち入り調査)を受けた企業は76%、さらに是正勧告を受けた企業は57%に及んだ。彼らに悪質と判断されないためには残業時間、勤怠状況を正確に管理する制度を導入しておくことが重要となる。これがあやふやだと悪質と判断されやすくなってしまう。
 労基署が狙い撃ちする企業の特徴は概ね5つ。1つ目は過去に労基署に入られている。特に時間外労働や安全基準を満たしていない場合は繰り返し行なわれる可能性があるためだ。2つ目は内部告発が多い企業。3つ目は労災死傷者が多い業種。4つ目は労務トラブルが増えている企業。5つ目はブラック企業と疑われている企業だ。


第2位
■ 週刊東洋経済■ <<<  いまや年末年始は実家の片付け

 今年の夏『週刊東洋経済』にて特集された「実家の片付け」。大反響につき、第2弾をお届けするそうだ。そのタイトルも「実家の片づけ 2」。高齢化が急速に進んでいる日本で、実家の片付けや空き家の整理、そして墓じまいは、個人、自治体を問わず解決すべき問題となっている。年末年始の帰省に合わせて、実家を片付ける算段をたてようではないか!ということだ!よ。
 とにかくこれでもかとケーススタディが紹介されている。それらを読んでいくと、「なんとかせねば」と重い腰を上げることにつながりそうだ。たとえば、愛知県に住む八代宏治(仮名)さんは4男1女の5人兄弟で、集まれる日がほとんどなかったため、その日とにかく「捨てた」。事前に廃棄の準備をしてあった仏壇以外をほぼ捨ててしまった。愛着ある実家を都心なのに購入時の半分でやっとこさ売った人もいる。高級住宅街・鎌倉山の高齢者、富裕層のはずなのに、一戸建てのあまりの不人気に売却できず、駅近のマンションに引っ越せなかったという。都心マンションも旧耐震基準で建てられたものは空き家率が高い。お墓もしかり。自分の荷物は自分で減らしておかなきゃな......とつくづく感じた特集だった。
 巻頭で何本もの小特集を連発する『週刊東洋経済』。今週は「ひと烈風伝 第4回」に角川歴彦さんが登場している。


第3位
■ 日経ビジネス■ <<< 環太平洋貿易の意外なルート

「地中海は過去の海、大西洋は現在の海、そして太平洋は将来の海。100年以上前から言われてきたこの言葉が現実のものになろうとしている」。
 今週の『日経ビジネス』はこんな一文からスタートする。「環太平洋30億人経済圏を攻略せよ 2015年 メガFTA始動」が、その特集タイトルだ。
 環太平洋経済圏の貿易が活発化し、高い潜在的な価値を発揮しつつある。米中を中心に各国の鞘当てが激化するなか、新たな成長センターで日本はどう戦うのか。
 日本のインフラ輸出の目玉である高速鉄道。中南米のメキシコではそれが中国の企業に落札されてしまった。中国は対外投資先として近年中南米を意識しており、今回の一件もその延長線上と言える。中国から中南米へといった今までには考えにくかった太平洋をまたいだ投資の流れ。これは単なる「大国化する中国の海外進出」ではない。環太平洋貿易の発達によりこのような「意外なルート」が次々と生まれてくる可能性があるのだ。今までの日中、日米、米中といった「大動脈」経済の流れだけではなく、都市間同士のレベルの細かい流れ、いわば「毛細血管」経済にまで気を配らなければ日本は大きなチャンスを失ってしまうだろう。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 15年のGDP成長率予測は1,1%

 来年の経済大予測を今週の第1特集に入れてきたのは『週刊エコノミスト』だ。「日本経済総予測2015」。2015年の成長率、雇用、産業、株価、為替の全予測である。消費増税の反動によって結局マイナス成長であった2014年。ハロウィンの日銀黒田追加緩和のサプライズも吹っ飛ぶ「まさかの国民総生産1.9%減」。2015年はどのように市場が進んでゆくのか。あらゆる角度から予測を行なった。
 2014年7〜9月期のGDPは前期比で0.5%減、年率換算で1.9%減だった。多くのエコノミストの予想を下回り、消費増税の反動が予想以上に日本経済の足を引っ張っている構図がそこに見て取れる。このマイナス成長を受けて安倍首相は消費再増税を見送り、衆院解散に踏み切ったわけだが、はたして今後景気は回復に向かうのだろうか。
 民間調査16機関に15年の日本経済見通しをアンケートしたところ、GDP成長率の予測平均は1.1%となり、昨年度の予測0.1%を上回っている。消費再増税が先送りになったことで各社が景気上昇を見込んでいると言える。しかし、項目によってはまだ消費増税の反動減が抜けきらず、住宅投資などいくつかの項目については減少が予想されている。

2014年12月10日

今週の第1位は『日経ビジネス』・・・小よく大を制す

日経ビジネス ... 小よく大を制す
週刊エコノミスト ... 実家の後始末
週刊ダイヤモンド ... 選挙の経済学
週刊東洋経済 ... いま、買うべき株と投信

 今週の経済誌は低調でした。丁度、エアポケットに入った感じです。年末にかけて進行が押せ押せになってしまう雑誌の特徴かもしれませんが、ピンと来ないものが多かったですね。そんななかで、技あり的な企画を組んだのが『日経ビジネス』です。別に特集タイトルが「小よく大を制す」だったからではありませんが、ま、小技が効いた特集と言えるでしょう。特集のタイトル同様に小さいけれど大企業に負けない実績を残している企業に焦点を当て、そのキーポイントを軸に解説しています。これが今週の1位です。
 次に取りあげるのは『週刊エコノミスト』です。年末年始も迫ってきたこの時期、実家に帰るタイミングもあるだろうということで、「実家の後始末」をテーマに特集を組んでいます。軽いようで、実際にその立場にある人にとっては、結構重いテーマですね。
 選挙の問題は経済誌が特集しても売れないということですが、それでも『週刊ダイヤモンド』が「選挙」の特集を組みました。なぜ解散したのかという背景から、選挙後の株価まで、あまりまとまってはいないと感じさせる特集です。
『週刊東洋経済』も株と投信というあまりこの時期にピンと来ない特集を組みました。巻頭で組んでいる「ソーラーバブル崩壊」の小特集の方が面白かったですね。

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第1位
■ 日経ビジネス■ <<< 小さい会社が勝つための要件

 群雄割拠する大企業群の中で、ひらりひらりとフットワークを生かして大手を制する中小企業が実際に存在する。素早い動きで大企業を翻弄する「技あり」の中小企業の強さの秘密に迫るーーというのが『日経ビジネス』の特集「小よく大を制す」の売り文句である。
 そんな中小企業を取材して、それぞれの企業が持つ武器(キーファクター)を軸に紹介している。
 まず最初は電動バイクの製造、販売で一躍名を馳せたベンチャー企業、テラモータース。同社の武器は「俊敏性」だ。設立から2年で国内市場で首位、そして世界進出と異例のスピードで成長する。同社躍進の決め手は産業革命を先取りする事と最初から世界市場で勝負を挑んだ事だと解説。同社社長の徳重徹氏はガソリンエンジンから電動に変わる事を読み、従来バイクとの食い合いを恐れる大手企業をすり抜けてたちまち国内トップシェアとなった。
 次に「一点突破」として、アニコム損害保険をピックアップ。同社はペット専門の保険会社である。一点に集中する事により全国の動物病院の実に8割と契約しており大手保険会社や他のベンチャー企業の追随を許していない。
「視点の転換」では、ジェネリック医薬品メーカーである高田製薬を取りあげる。同社は子供向けのドライシロップという粉薬を開発した。少量の水に溶かして飲ませ、味は様々な果物の味がするため子供でも抵抗無く飲めるというわけだ。
 最後は「柔軟性」。顧客のニーズや市場の変革に合わせ、経営戦略や商品開発を随時変えて行く。アウトドア用品メーカー、スノーピークは年9回ほどの顧客とのキャンプイベントで顧客と直接対話し、商品に生かしている。


第2位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 空き家処分で押さえるべき7つのポイント

 実家が空き家になる日は突然やってくる。売れない空き家は無駄に税金や管理費がかかる「不良資産」となる。そうしないためにどうすべきなのか、どんな手を打つべきなのか。『週刊エコノミスト』が「実家の後始末」として特集している。高齢化が進む経済誌の読者の極めて現実的な問題なのだろう、最近はこの手の特集が多い。『週刊東洋経済』は「実家の片付け」というタイトルで8月に特集していたのを思い出した。 
 さて、同誌の内容だがーー。
「不要な家は今すぐに売却すべき、家の価値はどんどん下がる」と不動産コンサルタントの長嶋修氏が特集の冒頭で述べている。全国的に空き家問題は深刻化しつつあり、全国の自治体は対応に追われているのは事実。この問題は時間を経るにつれてより深刻になるのが実態で、実際にこの5年間で18.7%も空家率が上昇している。
 空家の処分に際して判断の目安となるものが7つある。
 建築時期、駅からの近さ(徒歩7分圏内)、容積率、無接道家屋、部屋の広さ、管理の室、補助金の7つがそれだ。建築時期において重要な部分は耐震基準の改正の前か後か。これによりかなり価値が変わる。例えば、建築時期で言えば、今後起きうるだろう大地震を想定すると、旧耐震基準物件は即座に売った方が良いことになる。容積率とは敷地面積に対する建物の延べ床面積の割合。建築基準法による規定があるため、確かめておいた方がいいだろう。無接道家屋とは道路に接していない家屋。この場合、新たに建物を建築できない可能性がある。補助金は自治体が空き家問題を解決するために補助金制度を設けているため、確認が必要だ。など、ポイントが簡潔にまとめられている。


第3位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< 選挙後、どうなる?

 消費増税の先送りとともに急遽決まった解散総選挙。誰もが想定していなかった師走選挙に込められた安倍首相の狙いとはなんなのだろうか。『週刊ダイヤモンド』が今週の特集で、その狙いを解き明かしている。題して「選挙の経済学」。首相本人は解散総選挙に際して「国民生活に大きな影響を与える税制で重大な決断をした以上、国民の声を聞かなければならないと考えた」と発言した。
 だが本当にそうだろうか。消費税法には景気弾力条項があり、実は政府の判断で法改正をすれば先送りできる種類のこと。ましてや自民、公明といった与党は既に圧倒的な議席を有しているためなおさら選挙に至る必要性は低い。では何故安倍首相は解散総選挙に踏み切ったのか。冒頭では政治評論家の後藤謙次氏がその裏を解説する。
 また、背景と同時に実際の選挙の際の争点はどこにあるのか。そして選挙後の経済や株価はどのように動いていくのか。大前研一氏のインタビューでの回答が的を射ていて面白い。


第4位
■ 週刊東洋経済■ <<<   勝ち残る銘柄はどんなもの?

 格付け会社、ムーディーズ・インベスターズ・サービスが日本国債を格下げした翌日、市場関係者が「日本売り」に身構える中、日経平均株価は徐々に値を戻し、年初来高値を更新して取引を終えた。
「下がらない相場」------。市場関係者が口にするこの言葉にはもちろん背景がある。
 日銀が10月31日に打ち出した追加緩和がそれだ。長期国債の買い増しとともにETFの購入枠をそれまでの3倍に増やしたわけで、売らない投資家である日銀が買った事の意味は大きかった。これにより、海外投資家に偏っていた日本株の買い需要に厚みが増したのだ。日銀は株安局面においてこのように積極的に動くため、それが日本株に置ける「セーフティネット」の様な働きをし、下がりにくさの原因となっている。
 では、今後の株式市場はどうなっていくのか。
『週刊東洋経済』が「いま、買うべき株と投信」というストレートなタイトルで特集している。2015年度の市場をエコノミスト各氏が分析。その上で、勝ち残る銘柄は何かを一覧表で掲載している。

2014年12月 4日

【来た!見た!書いた!】 今後の原発再稼働で焦点になる「地元」と「安全協定」

原発再稼働で出た新たな「同意対象」の範囲

 原子力発電所を「重要な電源」と位置付け、原子力規制委員会の安全審査に合格した原発については再稼働を推進してきた自民党の安倍晋三政権。今回の総選挙では、その「原発再稼働」の姿勢が問われることになる。仮に自民党が政権を維持することになれば、九州電力の川内原発(鹿児島県薩摩川内市)のケース以上に「地元とは何か」が焦点になるだろう。
 11月7日に鹿児島県が再稼働に同意した九電の川内原発。2011年3月の東日本大震災をきっかけにできた新しい規制基準のもとでの初の再稼働であると同時に、「再稼働に必要な地元同意の範囲がどこまでか」――が問題になった。
 震災前、電力会社が事故や定期点検で止まった原発を再稼働するときには、原発が立地する市町村と同県から同意を得ていた。電力会社は立地自治体と「原子力安全協定」を結び、増設などの際の事前協議を約束してきたからだ。
 新規制基準ができる前、2012年夏に再稼働した関西電力大飯原発(福井県おおい町)のときも、さまざまな議論があったが、結局同意の範囲は立地自治体である福井県とおおい町のみだった。


福島以後広げられた「30キロ圏」で強まる自治体の意志

 同意の範囲についての考えが大きく変わるきかっけになったのが、東日本大震災のときの東京電力福島第1原発の事故だ。原発に近い地域だけでなく、東北から関東の広い範囲に放射性物質をまき散らした。
 この事故を踏まえ、2012年10月に改訂された原子力災害対策指針では、住民の避難計画作りを義務付ける自治体の範囲が、従来の「原発の半径8~10キロ圏」から「30キロ圏」に広がった。
 30キロ圏の自治体は急きょ、避難計画をつくらなければならなくなった。そのための費用もかかる。にもかかわらず電力会社が再稼働を事前協議する対象には入らない。
「それはないだろう」ということから、30キロ圏で同意対象にしてほしいという自治体が急増した。川内原発の場合、30キロ圏には薩摩川内市を含め9つの市町がある。9月末にはいちき串木野、日置の両市議会が同意に含めることを求めた意見書をまとめ、知事に提出した。さつま町も同様の検討をして、出水市は周辺市町に「地元扱い」を呼びかけるなどした。
 だが鹿児島県の伊藤祐一郎知事は「同意の範囲は鹿児島県と薩摩川内で十分」という持論を最初から最後まで崩さなかった。


川内原発のように立地自治体の同意だけですむのか

 10月末には、30キロ圏市町の首長が九州電力の瓜生道明社長と相次いで会談する機会があった。見ようによっては、同意の問題を訴える絶好の機会だったが、どの首長もそのことには触れなかった。同意の対象になれば、原発事故時には自治体や首長側が重い責任を負うことになる。責任を負うことを嫌ったことや、さまざまな交付金や公共事業の拡大など、経済的な支援の優先を望んだためとみられる。
 鹿児島県の伊藤知事は再稼働に同意した11月7日の記者会見で「原発の知識の薄いところで結論を出すのは錯綜(さくそう)するだけで、賢明なことではない」と語った。
 自民党政権にとっても、電力会社にとっても、交渉の相手が多くなり、より多くの時間を必要することになる「同意範囲の拡大」は避けたい――というのが本音だろう。菅義偉官房長官は鹿児島県の再稼働同意後、「川内原発の対応が基本的なことになる」と語っている。
 だが仮に自民党が政権を維持できたとしても、今後再稼働を進める原発について、川内原発のように「立地自治体だけの同意」ですむかは、予断を許さない。


焦点となる安全協定の形

 川内原発に続いて再稼働の準備が進んでいる関西電力の高浜原発(福井県高浜町)。ここは川内原発とは違い立地県の福井県だけでなく、舞鶴市や綾部市、京丹波町などの京都府、高島市などの滋賀県が30キロ圏に含まれる。鹿児島県知事だけでなく、京都府や滋賀県の知事も発言力を持つことになる。その京都府の山田啓二知事は「立地自治体に準ずる強い権限を盛り込んだ安全協定を結ぶまで再稼働を認めない」と話している。滋賀県の三日月大造知事も「(自治体と電力会社が結び、同意の根拠となる)安全協定の締結に粘り強く臨む」」と主張している。
 安全協定はもともと1969年に東京電力と福島県が福島第1原発について結んだのが最初で、法的拘束力や罰則規定をもたない「紳士協定」だ。立地自治体との間で、増設などの事前協議は約束しているが、文言の上では「再稼働のときには事前協議する」とも書かれていない。
 だが長年の積み重ねから紳士協定の「安全協定」こそが、立地自治体に再稼働の同意を得る「根拠」になっている。伊藤・鹿児島県知事が同意の範囲を立地自治体に限る考えにこだわったのも、川内原発周辺で増設などのときに事前協議を約束する条項を備えた安全協定を九電と結んでいるのは鹿児島県と薩摩川内市だけだったからだ。
 このような自治体側が強い権限を持った安全協定を結べるかどうか。高浜原発の再稼働では、「同意の範囲」の問題の前に、まずこの「安全協定の形」が焦点となりそうだ。

今週の第1位は『日経ビジネス』・・・景気失速の主犯

日経ビジネス ... 景気失速の主犯
週刊ダイヤモンド ... ゼネコン・不動産開発バブル
週刊東洋経済 ... マンション防災修繕管理 完全マニュアル
週刊エコノミスト ... 水素車・リニア・MRJ

 いよいよ総選挙が公示され、街角では演説、テレビでは政権放送が始まりました。師走の選挙と言うと前回を思い出しますが、その争点は明確ではありません。そこにタイミング良く『日経ビジネス』が「アベノミクスは成功していない」との主張を掲げて安倍政権の何がどう成功していないかを分析しています。表紙には神妙な安倍首相の顔。これもインパクトがありました。今週の第1位です。
 次に面白かったのは『週刊ダイヤモンド』のゼネコン・不動産の開発がらみの特集です。東京が2020年に向けて大きく変貌する7つのエリアを図示、わかりやすく解説し、どう変わっていくかを読者に伝えています。それにしても、日本はバブル好きの国なのだなということがよく分かる特集でもあります。
 第3位は『週刊東洋経済』です。マンションの防災、修繕、管理といった観点からマンションの価値をどれだけ上げ(守る)て行くのかをマニュアル風に特集しています。これとは別に巻頭特集で外食産業を取りあげ、ブラック企業として話題になったゼンショーの小川賢太郎会長兼社長に独占インタビューを行なっています。
『週刊エコノミスト』は運輸のハード部分である鉄道、自動車、航空機の日本が誇る再先端部分の技術にスポットを当て、その将来性と課題とを分析しています。

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第1位
■ 日経ビジネス■ <<< 景気上昇、街角を取材してみれば

 日本の7〜9月期の実質GDPが事前の市場予想を覆し、マイナスに陥った。これに伴い日経平均株価が落ち込む一方で米国のヘッジファンドのハワード・スミス氏は「消費税再引き上げの延期が確実になった、日本株にはポジティブだ」と呟いた。
このGDPショックの17日前、日銀の黒田総裁は市場関係者の意表をつく大規模なサプライズ緩和を発表しており、国内外の投資家は日本株買いに奔走した。
 これら二つの日本市場における"サプライズ"の影響が色濃く残る中、阿部首相は消費増税の延期を発表するとともに衆院の解散に踏み切った。それに伴い株価も上昇した。
 しかしこれらのサプライズは景気の変調を予感させるサインでもある。黒田総裁も「今はまさに正念場」と述べており、エコノミストの間では「景気は今年1月をピークに下り坂にある」という説もまことしやかにささやかれている。
 同誌は実際に街角に出て、アベノミクスが描く理想の景気とその実体の乖離が如実に現れ始めている事を通説に対するアンチテーゼとして検証している。曰く「富裕層消費は活発」の? 「接待需要が復活」の? 「都市部消費は堅調」の? 復調した消費、物価、雇用や外需による牽引等は一時的にはその様子こそ見られたもののどれも長期的な成果をあげられていない事が分かってくる。


第2位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< 東京五輪に向けて「東京は大改造」

 日本橋や大手町、銀座、虎ノ門から六本木、そして渋谷や品川。都内を行き来していると、工事中の大規模開発案件があちこちに見られる。2020年の東京オリンピック開催という1つのゴールも設定され、都心部の不動産市場が沸き返っている。五輪、海外投資家の熱い視線、特区認定などによる政府の後押し、これらが相まってゼネコン・不動産業界が待ちに待ったバブルがやってきたのだ。今週の『週刊ダイヤモンド』は、「ゼネンコン・不動産 開発バブル」と題して、東京大改造の全貌と業界の内情、全国主要地域の事情をレポートする。
 まずは「劇的! 東京大改造の全貌」だ。「銀座」、「大手町・丸の内・日本橋・八重洲」、「虎ノ門・六本木」、「渋谷」、「品川」、「湾岸」、「神宮外苑」の7エリアの再開発案件を地図上にまとめた。「大手町・丸の内・日本橋」エリアでは、三菱地所VS三井不動産、そこに割って入る住友不動産の三つ巴の戦いが繰り広げられている。「虎ノ門・六本木」エリアは森ビルの独壇場と思いきや、森トラストや住友不動産などの再開発も目白押しだ。そしてそんな老舗都心エリアから「油断できない街」と警戒され発展が期待される「渋谷」。読めば都心部の今後の変容が想像できる特集だ。
 そのほか、逼迫する建築現場の人材不足、地方主要都市の不動産市場現状と今後、上場建設174社収益力ランキングも。


第3位
■ 週刊東洋経済■ <<< モンスター理事というのがいるらしい、やっぱりね

 今週の『週刊東洋経済』<巻頭特集>は「外食! 苦しむ!」。外食業会を代表する大手が軒並み2014年度決算で多額の赤字となることが判明したいま、上位各社の動きを追う。この特集の目玉は、ゼンショーホールディングス会長兼社長・小川賢太郎氏への独占インタビュー「すき家のブラック批判にすべて答える」だろう。それを読む限りベンチャー起業家・小川賢太郎のパワフルな経営論理に変化はない。 
 第1特集は「資産価値を上げる! マンション防災・修繕・管理 完全マニュアル」。マンション住人限定の実用特集なので、多くの人の胃袋を支える外食産業を巻頭特集に持ってくることでバランスがとれる感じだろうか。
 マンションでは、地震の際に「机の下に入る」「風呂に水を貯めておく」はNGなのだそうだ。今までの防災対策は戸建て住宅メインに語られてきているため、マンション住人限定の防災特集は目からウロコの情報だったりする。そんなマンション防災の基本から応用までが前半。後半は工事費高騰に負けない「攻めの大規模修繕」、そして「管理会社ランキング」だ。記事のなかに「モンスター理事」というワードが出てきた。発生しているんですね、どこの世間にもモンスターが。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 裾野の広い旧来型「新・産業」

『週刊エコノミスト』は8月に「水素・シェール・藻」という素材としての特集を組んだが、今週は「水素車・リニア・MRJ」と交通のハードとして再度取りあげている。それぞれのプロジェクトがもたらすインパクトは水素車=4.4兆円(2030年)、リニア=16.8兆円、MRJ(航空機)=80兆円(2030年)となっているという。
 自動車、鉄道、航空機は部品点数が多いため波及効果が大きいと言う。しかも、それぞれの技術は他の製品にも転用される可能性があるから、さらに膨れ上がることも考えられるのだ。航空機こそ敗戦で作れなった時期があったが、どれも日本を代表する産業には違いない。これらの産業が先端技術を駆使して花開けば日本の発展に大きく寄与するには違いない。同誌ではその将来性とクリアすべき課題とを上げ、どのような道程でこれらが押し進められていっているかを検証している。