2014年11月 6日

今週の第1位は『週刊ダイヤモンド』・・・介護のムダ 高齢者ビジネスのカラクリ

週刊ダイヤモンド ... 介護のムダ 高齢者ビジネスのカラクリ
週刊東洋経済 ... 銀行サバイバル
日経ビジネス ... クレーム上等! またアマゾンで買ってしまうワケ
週刊エコノミスト ... 原油急落と中東情勢

 やはりそうだったか、という思いにかられた特集が『週刊ダイヤモンド』の特集「介護のムダ」でした。サブタイトルには「高齢者ビジネスのカラクリ」とあるように、このビジネスでうまい汁を吸う杜撰な輩がうようよと蠢いている実態が明らかにされています。高齢者が著しく増加し始め、来年には介護保険における自己負担が増額されるようになるなど、制度も大きく見直されるなか、こうした実態が明らかにされ、それへの対応も迫られなければなりません。そういう意味でこの特集は重要です。それにしても高齢者1人を20万円で施設に紹介したり、カジノ付きのデイサービスがあったりと、この業界は大変な状況です。これが今週の第1位。
 次にご紹介したいのは『週刊東洋経済』です。特集は銀行、特にメガバンク。昨年までの好調が一転、減益が予想されるメガバンクの苦難の状況を特集していますが、それより巻頭に面白そうな話題を何本も集めて、ミニ特集化していて、それが雑誌の厚みを増しています。一度買った人なら次にも買おうかという気になる内容で、今後が期待されます。
『日経ビジネス』は毎年高齢の「アフターサービスランキング」を軸に、いまこうしたサービスで成長している企業の「成功の理由」を明らかにしています。これが第3位で、第4位は「原油価格急落と中東情勢」を特集している『週刊エコノミスト』です。原油だけでなくイスラム国の勃興など、地政学的リスクの高いこの地域の現状と将来を分析しています。

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第1位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<<  介護サービス2万項目に群がる人々

 高齢者ビジネスは貧困ビジネスに通じる。対象者をくいものにする言わば「悪徳業者」がどうやら介護の世界にもいるらしい。これは医療にも同様の構造があるのだが、今週の『週刊ダイヤモンド』が初めて「介護のムダ」という特集でこのムダに切り込んだ。特集リードはこう始まる。
「介護がやばい。要介護の認定数はうなぎ上りで564万人に上り、総費用も10兆円に到達。このままでは介護保険制度が崩壊の危機にひんする。だが、その裏では高齢者という"カネのなる木"に群がり、おいしい思いをする人々が跋扈している」。
 来年、スタートして16年目の介護保険制度が大きく変わるのも、上記のような状態を少しでも改善し、制度の維持を図るためだという。介護業界というと、介護士の給与の安さばかりが強調されがちだが、その裏で大いに甘い汁を吸っている層も大勢いるということ。利用者(高齢者)側にも1割負担に甘え、それほど必要でないサービスまで利用しようとする傾向もあるだろう。
 しかし、一番驚いたのは国介護サービス20000項目(!)というメニューの多さだ。制度創設時から約10倍に膨らみ、複雑化の一途をたどっている。これでは国がムダを作り出していると言われても仕方ないのではないか。


第2位
■ 週刊東洋経済■ <<< 国内でじり貧の銀行、次の一手

 第1特集のページに到達する前に、これでもか!とアイキャッチーなミニ特集記事を重ねる構成となった最近の『週刊東洋経済』。今週は、「新連載(隔週) ひと烈風伝 石破茂」(6ページ)、「巻頭特集 変調アベノミクス!」(10ページ)、「深層リポート 企業と天才」と、石破茂、安倍晋三、ノーベル物理学賞受賞者3人(赤﨑勇、天野浩、中村修二)など「時の人」である面々がずらっと顔を並べる。特に「深層リポート 企業と天才」は、2003年に掲載された連載「『巨人』たちの敗北 青色発光デバイスに挑戦した男たち」をベースにまとめられ、読み応えがある。
 さて、第1特集「銀行サバイバル」だ。業績改善に伴う与信コストの縮小を主因として2014年3月期は過去最高益を記録したメガバンク3行。しかし今期は一転して減益となる見通し。銀行の本業である国内の資金運用で稼げていないためだ。この収益構造の地盤沈下が止まらない。特集ではみずほ、三菱東京UFJ、三井住友のメガバンク3行の現状と戦略を分析するとともに、ECを中心に起こっている銀行を必要としない金融市場の形成など、銀行を取り巻く最新の動きを追う。


第3位
■日経ビジネス■ <<< アフターサービスのよい会社の条件

『日経ビジネス』が日経BP社と日経BPコンサルティングが保有する調査モニターを対象に実施するアフターサービス満足度調査。2014年もネット上で1万6421人の回答を得て集計された。今年は「クレームと不満をここぞとばかりにカイゼンにつなげる」アマゾン、「テニスの錦織選手の活躍で急増した加入申し込みの裏にあった」WOWOWのしたたかな戦略、アフターサービスを顧客確保の入り口に据えるコープこうべのパソコン事業、自らメンテナンスを"話しかけて"促すシャープの「ともだち家電」など、何かが起きてからの事後対応からファンをつくる顧客対応へと変貌するランキング上位各社のサービス戦略を追う。顧客満足をめぐる競争は、「異次元のステージ」に差し掛かっている、らしい。
 さて、ランキングで大いに変動があったのは損害保険だったようだ。台風などの災害が多発し、迅速な対応ができた企業が評価を高めたのだ。去年8位から堂々の1位を獲得した日本興亜損保が代表格。自動車保険の順位変動も激しいようだ。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 原油を巡る中東事情

 Part1「今なぜ原油急落か」。Part2「歴史と宗教 はやわかり」。今週の『週刊エコノミスト』の特集「原油急落と中東情勢」は、2部構成でこの7月以降続く原油価格の急激な下落傾向と中東情勢をリポートする。
 11月5日現在、原油価格は1バレル77ドル台。下値と観測される70ドル台に突入している。背景には米国のシェールオイルの生産急増と、米国への対抗上価格を下げてでもシェアを防衛したいサウジアラビアの思惑が重なり、供給が増えていること。しかし需要は世界経済の減速によって伸びが低迷していること。この2つがある。地政学リスクはあるが、現状はくすぶっている状態だ。特集では現状分析とともに中東諸国の経済について掘り下げる。とくにトルコ、イラン、エジプトの経済主要3国それぞれについて、1〜2ページの専門家による解説がまとめられている。
 イスラム圏&文化と欧米との関係性の理解については、1000年・何百年単位での歴史を頭からはずすことはできない。Part2にはそのための基礎知識が、初期イスラムからオスマン帝国崩壊までと、オスマン崩壊後から現在とに分けてまとめられている。