2014年9月10日

今週の第1位は『週刊東洋経済』・・・クスリの裏側

週刊東洋経済 ...  クスリの裏側
週刊ダイヤモンド ... 相続増税! 迫りくる増税 加速する地価上昇
週刊エコノミスト ...  円安インフレが来る
日経ビジネス ... 「敗軍」の法則

 正直に言えば、どれもパッとしない特集が並んだ今週の経済誌です。読み場それなりに面白いのですが、一言で言えばマンネリ気味ということでしょうか。定番であったり、何号か前で他の雑誌がやっていたりという感じです。そんななかで、またかと思ったものの面白かったのは『週刊東洋経済』の特集でした。テーマはクスリ。クスリに関しては昨今、副作用などを併せて考えると飲むのがいいのかどうかなどという話が出ていて、また極めつけは高血圧の基準が日本人間ドック学会によって見直されるというような話まで出て、何がなんだか分からない状況になっているわけです。ま、そんな状況を素直に取り上げた同誌を今週の第1位にします。
 2位もまたかという感じの特集「相続税」を取り上げた『週刊ダイヤモンド』で、でも同誌はしばらくやっておらず、中身の濃さでは定評がある同誌ですのでパッとしないなかでは第2位かなと考えた次第です。
 さて、3位以下は迷いましたが、円安インフレを特集のテーマに選んだ『週刊エコノミスト』を第3位としました。
 そして、第4位の『日経ビジネス』ですが、最近またパッとしません。編集長が変わるとこうも違うものかと思ってしまいますが(現編集長さんごめんなさい)、特に今週の特集には時代の必然性が感じられません。先週の「3Dプリンター」は割に楽しく読めたのですが。

toyo_20140910.jpgdia_20140910.jpgeco_20140910.jpgnikkei_20140910.jpg


第1位
■ 週刊東洋経済■ <<<  クスリを飲むと病気になる

「もう、無邪気に薬に頼っていられる時代ではなくなった」。今週の『週刊東洋経済』の第1特集「クスリの裏側」はこんな書き出しで始まる。
 今年の4月、日本人間ドック学会が健康診断における「基準値」の緩和を発表した。つまりは健康診断で「健康である」といわれる人の範囲が広くなったのである。これには薬剤費を抑えたいという政府の思惑が絡んでいる。これにより例えば今までの健康診断で「高血圧」等と診断され薬を服用していた人は急に薬を飲む必要がなくなるということが起こった。製薬会社による市販後臨床研究の不正データ改ざんも相次いだ。クスリとは健康とはなんなのか。医者の処方に頼り切ってきた人には少なからぬ混乱を与えたようだ。特集には「薬を飲まない薬剤師が激白」する「『薬が病気を作る』は本当だった」というページもある。
 とはいえ、薬により救われることも多い。「新薬開発最前線」では、がん、糖尿病、アルツハイマー病など、5つの病における新薬開発状況をレポート。医療費抑制や効果をめぐって厳しい目を向けられつつある製薬業界にも焦点を当てる。
 巻頭の<評伝・異形の人 水島廣雄そごう元会長>、<巻頭特集 これから伸びる銘柄ランキング>も力が入ったページ作りになっている。


第2位
■週刊ダイヤモンド■ <<<  相続税がフツーの人にも重くのしかかる時代

 相続税の増税が来年の1月に迫っている。『週刊ダイヤモンド』としては1年ぶりの相続税特集だが、このテーマに関しては各誌で取り上げられ、「またか!」と思ってしまうが、増税の対象者は1.5倍に拡大し、混乱が予想される重大なテーマだ。タイトルは「相続増税!」。東京五輪に向けて都市部では大規模な再開発計画が乱発している。これにより納税額に大きく関わる地価もうなぎ上りである。いかにして相続税から財産を守るか。迫りくる増税と加速する地価上昇をレポートする。
 相続税において最も重要なのは不動産の活用である。両親等から受け継いだ土地をどのように使うかで税金の額が大きく変わってくる。いま、そういった地主に流行っているのが賃貸アパートだ。土地の評価額を下げすぎず、また家賃収入を期待できるからだ。それにあわせ融資を行なう金融機関も加わって相続税に関わる市場が活況だ。
 その他、「節税&争続回避の秘策」「後悔したくない事業継承」。付録は税理士の監修による「自分で書き込める相続税計算シート」。


第3位
■ 週刊エコノミスト■ <<<  人工インフレの歪み

 近年修繕費を用意できずに修繕を行なうことができないマンションが増えている。これは最近の物価高や人手不足、消費増税により、マンションが建てられたときよりも予想修繕費が高くなったことによるものだ。20年近くデフレに覆われていた日本経済がじわじわとインフレへと転換している。今週の『週刊エコノミスト』は「円安インフレが来る」と題して、政策が推進した「人工インフレ」の不都合な現実を特集する。実質ベースで見ると現在の円相場はプラザ合意当時の水準だ。名目の円ドル相場はどこまで上昇するのか、プロの予想も掲載されている。
 消費者物価指数は政府の目論見どおり2年間でマイナスからプラスへと転じた。主な原因は消費増税と円安による輸入物価の上昇分と分析される。物価の増加に当たって実収入も低下している。特にこれが激しいのが中小企業だ。電気代や原油価格の上昇が生産コストを圧迫し、価格転嫁もままならず泣きを見る企業も多い。これを受け、消費者の家計は総じて節約志向に転じている。駆け込み需要となった家具・家電や海外旅行費等の「教養娯楽」が前年同月比で大きくマイナスとなっている。
 人工インフレを推進した内閣官房参与・浜田宏一エール大学名誉教授のインタビューも掲載されている。タイトルは「金融政策の限界が見えた。構造改革に軸足を移す時だ」。


第4位
■日経ビジネス■ <<<  今なぜ敗軍なのか?

 日経ビジネスの連載「敗軍の将、兵を語る」。この約40年にわたり連載されてきた名物コラムから浮かび上がる教訓を特集したのが、今週の『日経ビジネス』「『敗軍』の法則 なぜリーダーは失敗を繰り返すのか」だ。『日経ビジネス』編集部が過去の事例を振り返り、5つの"「敗軍」の法則"を導きだした。それは「暴走」「執着」「隠蔽」「忘却」「慢心」。今こそ、過去の失敗に学び、前進する時だと説く。
 Part1は「『敗軍の将』復活の陣」だ。1度はどん底に落ちた3人が登場する。片山幹雄・シャープ元社長、熊谷正寿・GMOインターネット会長兼社長、中島義雄・セーラー万年筆社長だ。Part2は経営者が陥る5つの罠=「暴走」「執着」「隠蔽」「忘却」「慢心」を連載40年の「過去の敗軍史」とともに振り返る。多くの教訓が見え隠れする特集となった。でも、今なぜ敗軍特集なのだろう。
 巻頭「7 QUESTIONS」に河野龍太郎・BNPパリバ証券チーフエコノミストが「アベノミクスに4つの誤算」と題して質問に答えている。『週刊エコノミスト』の特集がコンパクトにまとまっているという感じの1ページだ。