2014年8月27日

今週の第1位は『日経ビジネス』・・・戦う取締役会

日経ビジネス ... 戦う取締役会
週刊ダイヤモンド ... 韓国3大企業 サムスン 現代自動車 ポスコ 失速!
週刊東洋経済 ...  保険のウソとホント
週刊エコノミスト ... とことん考える人口減少

 今週の『日経ビジネス』は地味な特集タイトルでしたが、中身はそれに反して面白いものでした。なぜ取締役? と思われがちですが、改正会社法が15年4月から適用され、社外取締役をおかなければならない環境が一層強化されるからです。社外取締役と言えば、いわば名誉職的な位置づけのようにも思われがちだが、それでは絶対に会社が機能しなくなるというこの特集の提言は一読の価値があります。成功しているオリックス、失敗したソニーと(ここでもソニーか)いう対比もわかりやすいものでした。これが今週の第1位です。
 次に注目したのは『週刊ダイヤモンド』の特集です。内容は「韓国大手企業3社の失速」がテーマです。韓国という国は富が大企業に集中しているため、大企業が失速するということは韓国経済が失速するということに他ならないということがよく分かります。これが今週の第2位。
『週刊東洋経済』は定番化したテーマである「保険」で特集を組みました。どうも保険加入大国の日本は「入りたがり」が多いようです。その辺りを上手くついた中身となっていますが、しかし、マンネリ感は否めませんね。
 第4位は「人口減少問題」を特集した『週刊エコノミスト』です。ピケティの資本論の欧米でのベストセラー以来、何か日本の人口減少論が盛んになってきたような気がします。

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第1位
■日経ビジネス■ <<< 飾りの社外取締役は姿を消す?

 2015年4月に施行される改正会社法によって、社外取締役選任への圧力は相当強まることになる。選任義務化こそ見送られたが、選任しない企業には株主総会でその理由を説明する義務が課された。海外投資家を呼び込むためにも、今後、社外取締役選任は経営のスタンダードになっていく。今週の『日経ビジネス』はこの流れを汲み、「社外取締役の存在を経営にどう生かすか。ポイントはどこにあるのか」を特集した。タイトルは「戦う取締役会 プロ経営者育てる"社外の目"」だ。
 特集冒頭は、オリックス、アクセス、三菱自動車、3社の社外取締役も務めるサントリー次期社長・新浪剛史氏の提言から始まる。新浪氏はローソンにおいても社外取締役を選任し、その鋭い指摘を経営戦略に反映させてきたという。一つの成功例だ。記事には社外取締役を生かせなかったソニーの事例も紹介される。
 現在、社外取締役を導入している企業は東証1部上場企業の7割に上るという。導入が経営改善に効果があったか否か、EY研究所とともに分析した「社外取締役の割合×ROEの変化」を分析したものが面白かった。ボリュームは少ないが、興味深い特集だった。


第2位
■週刊ダイヤモンド■ <<< 韓国は何年か前の日本?

 今週の『週刊ダイヤモンド』第1特集は「韓国3大企業 サムスン 現代自動車 ポスコ 失速!」だ。実は『週刊ダイヤモンド』では2013年11月に「サムスン 日本を追いつめた"二番手商法"の限界」という特集を組んだ。今回はその後の韓国経済を読み解く格好だ。
 サムスン、現代自動車、ポスコ。
"日の丸キラー"の代名詞だった韓国3大企業の失速は、①ウォン高、②外資攻勢、③内需不振、④中国の台頭、⑤無謀外交(トップ外交の行詰り)、⑥労働問題。いわば、これら「六重苦」が韓国経済を襲っているわけで、3社がこけたら韓国経済もこけるのだ。
 この3大企業の失速は、何年か前の日本企業を見るような感覚だ。韓国企業から中国への技術と人材の流出は、かつて日本企業が韓国に対して味わったもの。加えて「創業者からの事業継承」という時期も重なる。いま韓国では、セウォル号の沈没により埋もれてしまった「クネノミクス」に代わり、「チョイノミクス」が発動されている。チェ・ギョンファン経済副首相兼財政経済部長官が取りまとめた景気浮揚策だ。韓国経済は、矛盾を孕みながら自信を回復していけるのか? 


第3位
■ 週刊東洋経済■ <<< 保険は本当に必要か

『週刊ダイヤモンド』は春先、『週刊東洋経済』は夏。これが「保険」を第1特集に持ってくる両誌の定番時期のようだ。2年さかのぼって調べてみた。そんなわけで、今週の『週刊東洋経済』の第1特集は「保険のウソとホント その契約必要ですか?」。
 日本は保険天国と言われている。「安心だから」とか、「お守りとして」といった情緒的な理由で、「結婚したから」「子どもができたから」加入する人が多い。かく言う私もその1人ではあるが。しかし、冷静な経済合理性で考えると、「日本で売られている生命保険の多くが『実は必需品でない』」と言い切る保険のプロもいる。そこのところ、しっかり合理的に考えるために組まれたのが今回の特集というわけだ。保険の支払が結構な額になっているそこのあなた、ご一読をお勧めします。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 地方が消滅し、東京や大阪が限界集落になる?

『週刊ダイヤモンド』が7月に「2020年からのニッポン 人口減少ショック」で、『日経ビジネス』が8月初旬に「限界都市 東京」で、それぞれ「人口減少」をテーマに特集を組み、問題提議しているが、今週は『週刊エコノミスト』が「とことん考える人口減」として「人口減少問題」を取り上げている
 国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、2048年に日本の総人口は1億人割れとなる。これら推計を受けて政府は、今年6月、「50年後に1億人程度の安定した人口構造の保持を目指す」との基本方針(いわゆる「骨太の方針」)を閣議決定した。人口減少スパイラルに陥って「もはや回復困難」とならないための数値目標設定だ。昨今発表される人口減少数値の過激さに、わかっているつもりでも「ギョッ」となった方も多いだろう。
 このままいけば、多くの地方が消滅し、地方から若者の供給を受けてきた東京や大阪などの大都市も、「限界集落」ならぬ「限界都市」になる。なぜなら都市ほど出生率は低いからだ。本文中で増田寛也氏も言っているが、「地方をよくして、そこで子育てする、仕事に従事する、豊かな老後を暮らすという社会を作りださないと問題は解決しない」。政策とともに、価値観の大きな変容・多様化が推進されなければ魅力ある地方を維持していけない。

2014年8月19日

【来た!見た!書いた!】新幹線50年に考える田中角栄と列島改造

上越新幹線で最も少ない乗客数の駅に立つ銅像

 上越新幹線の浦佐駅(新潟県南魚沼市)の駅前に、新潟県が生んだ不世出の政治家、田中角栄の銅像がある。左手をポケットにつっこみ、右手を「よっ」という感じで上げた独特のポーズで、越後三山を見上げている。
 浦佐駅は上越新幹線で最も利用者の少ない駅だ。1982年の上越新幹線開業後に、駅のある旧大和町が大学や高校の誘致を進め、利用者は大きく増えた。だが、それでも東日本旅客鉄道(JR東日本)によると、2013年の1日平均乗車人員は651人で、新潟駅のおよそ14分の1。上越新幹線では最も利用者の少ない駅だ。
 上越新幹線ができる前、大和町は魚沼地域の中心地である旧六日町と旧小出町にはさまれ観光資源の少ない町だった。浦佐駅は駅員をなくし、無人駅とすることも検討されたさびれた駅だったのだ。
 そんな町に新幹線駅ができたのは、大和町が「街づくりの核に」と積極的に誘致を進めたからだ。前後の駅との間隔の関係や、上越新幹線のルートをできるだけ直線にしたかったことも幸いした。実現には、大和町を選挙区(中選挙区時代の新潟第3区)としていた角栄の力も大きかったといわれる。
 銅像は1985年10月に完成。角栄の政治後援組織である越山会の幹部でつくる、田中角栄先生銅像建設期成会が、魚沼地区で一般家庭などからも資金集めをした。「(角栄先生の)功績をたたえ、さらなるご尽力をいただくのが(銅像建設の)狙い」(同期成会)だ。
 角栄の存在がなければ、できなかったといわれる上越新幹線。中でも角栄の力が大きく働いた浦佐駅。駅前の角栄の銅像は、そんな上越新幹線と角栄の深いつながりを象徴しているように見える。


角栄がマニフェストとして著した「新幹線網」

 「我田引鉄」という言葉がある。「我田引水」をもじって、もっぱら自分の選挙区の利益を図るために、鉄道を誘致する政治家を皮肉った造語だ。大正時代、立憲政友会を中心とした地方出身議員による、地元への新線誘致の動きが目立つようになると、この言葉を使って彼らを揶揄するようになった。
 田中角栄こそ我田引鉄の代表例とする見方も根強い。浦佐駅の銅像の経緯を見ても、角栄が選挙区の人々をひきつけるために、上越新幹線をうまく活用したことは確かだろう。ただ彼は自分の選挙区だけに鉄道を利用しようとしたのではない。
 田中角栄が著した『日本列島改造論』は、彼が首相になる直前の1972年6月に出版した。翌月には自由民主党の総裁選が控えており、事実上、今でいう政権公約(マニフェスト)だった。
 角栄はこの自らの国土開発構想をまとめた本の中で、繰り返し「全国新幹線」という言葉を使っている。
 121ページには「全国新幹線鉄道網理想図」という題の地図が掲載してあり、全国の県庁所在地をほぼ網羅するような9000キロ以上もの「理想図」が描かれている。本書が出版される2年前の1970年に運輸大臣の諮問機関である鉄道建設審議会で決議したのと同一の路線だ。


新幹線は「表日本」と「裏日本」の格差解消が目的だった

 角栄は『改造論』の中でこう書いている。
「全国新幹線鉄道網が実現すれば、日本列島の拠点都市はそれぞれが1~3時間の圏内に入り、拠点都市同士が事実上、一体化する。新潟市内は東京都内と同じになり、富山市内と同様になる。(中略)これからの新幹線鉄道は人口の集中した地域を結ぶだけではなく、むしろ人口の少ない地域に駅を計画的につくり、その駅を拠点にして地域開発を進めるように考えなければならない」
 新幹線や高速道路の建設、工場の再配置などで都市と農村、表日本と裏日本の格差をなくし、東京圏への人口の集中を抑えることこそ彼の望んだ日本列島の姿だ。
「表日本と裏日本の発展のアンバランスは、いまや頂点に達しつつある。こうした現状を思い切って改めなければならない」。格差の解消という強い思いを持ち続けていた角栄を、単なる我田引鉄だけの政治家とみることはできない。
 全国の新幹線網は現在約2800キロ。角栄の理想、いや夢想からすれば、まだ3分の1に過ぎないが、それでも2016年に北海道新幹線の新青森―新函館北斗間が開業すれば、総延長距離は3000キロを超し、日本の主要4島の中で新幹線がないのは四国だけになる。彼が望んだ表日本と裏日本の格差の解消、都市圏への経済や人口の集中の抑制は本当に進んだだろうか。
 新幹線が格差の解消に役立ったのか、それとも東京圏への一極集中を後押しする役割を果たしてしまったのかを判断するのはなかなか難しい。新幹線以外にも高速道路や景気の動向、企業立地のありかたなど、さまざまの要素がからみあっているからだ。

十数年前に指摘されていた「過疎の促進」

 ただ地域の総合的な力を表す人口の推移を見れば、大きな流れはわかる。東北・上越新幹線が1982年に開業する直前の1980年の人口を100としたとき、沿線各地の2010年の人口がどうなっているかを見てみた。
 宮城県は113、栃木県は112、群馬県は109。東京都は113なので、このあたりは優秀な地域といえる。最も人口を伸ばしたのは埼玉県で133。
 一方、福島県は100弱、新潟県は97、岩手県は94。こう見ていくと、長い目で見ると、新幹線で人を吸い寄せたのは農村よりも都市圏だったといえるのではないか。
 新潟県内には、すでに上越新幹線開業から13年後の1995年にこんな見方が出ていた。朝日新聞の5月28日付の「声」欄に載った投書である。

船橋市 中島誠一(大学嘱託員 69歳)
 (前略)その新幹線に一本だけ列島横断の支線、上越新幹線が赤字ながら走っている。人も知る途中の浦佐駅頭に高々と建っている銅像主の田中角栄元首相の列島改造論の政策実験線と言われる。新潟生まれの私も推進運動をした路線だから、その影響や功罪には格別の関心を持つ。
 言うまでもなく、豪雪地で産業文化後進地、日本海側の改造的発展を策した責任路線だった上越新幹線であったが、開通を機として過疎化は進み、労働力は流出し、大学進学までも東京へ関東へと傾いてしまった。それは当初の政策目的とはまったく逆のものとなった。しかも、それを解決しないうちに当人は、鬼界に去ってしまった。

 すでにこの時期から、新幹線が角栄の意図方向とは逆の役割をはたしているとみる人たちがいたのだ。
 今年10月、東海道新幹線が開業してからちょうど50年を迎える。今も新幹線が地域発展に貢献すると信じて疑わず、誘致運動に熱をあげる政治家や地方自治体が多い。だが本当にそうなのか。改めて考え直す時期に来ている。

今週の第1位は『週刊エコノミスト』・・・水素・シェール・藻

週刊エコノミスト ... 水素・シェール・藻
日経ビジネス ... eコマース大乱戦
週刊ダイヤモンド ... ビジネスに勝つ英語
週刊東洋経済 ...  実家の片付け

 今週はお盆明け(合併号明け)とあってか、経済誌はどれもちょっと低調でした。舞台裏を明かせば前もって作っておくため、あまりビビッドな話題は入れられず、作りが難しくなるのです。そのなかで相対的に面白いと思ったのは『週刊エコノミスト』です。特集のテーマは水素&燃料電池です。これらの新しいエネルギーの多くは実用に見合うコストの問題で揺れてなかなか世に出ません。ただ、今どういう現状化を教えてくれる便利な教科書的に読むと意外に面白いと印象を受けました。これが今週の第1位です。
 第2位はeコマースの現状を特集した『日経ビジネス』です。時代はBtoCからCtoCへと移行していて、さらにはスマホの普及もあって、さらにマーケットを広げています。この事実上がよく分かるという意味で、評価しました。
 次は『週刊ダイヤモンド』の特集は英語です。ま、最近の定番企画ですが、それなりに手を替え品を替え、内容は豊富ですが、いかんせん新鮮味には欠けていました。
 そして最後の『週刊東洋経済』となると、特集が「実家の片付け」です。ま、お盆の時に実家に里帰りしてそう感じたビジネスマンも多くいる、ということを狙ってのことなのでしょうが、最近この種の企画が経済誌には多く、ちょっと鬱陶しい感じがします。これが今週の第4位です。


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第1位
■ 週刊エコノミスト■ <<< ミドリムシまで次世代エネルギー

 新エネルギーといえば風力、太陽光が一般的に認知されてきたが、昨今ではより現実的で効率的な次世代エネルギーの本命が実践段階まで迫っている。それが今週の『週刊エコノミスト』で特集されている「水素・シェール・藻」だ。
 政府は4月の「エネルギー基本計画」に水素エネルギーの活用促進を盛り込んだ。水素と燃料電池による発電を、東京五輪を目処に普及させるつもりだ。これらは主に自動車に使用される。今までの排気ガス等の問題が多かった石油に代わり燃料電池車を軸としたい意図が見られる。
 水素はガスや石油と違い自然には単体で存在しない。なので水素を作り出す方法が重要となるのだが、現状は多くが化石燃料から作られている。しかし将来的にはより低品位の石炭等を使って作り出すことが期待されている。また一切の化石燃料を使わずに水素を作り出す方法としてミドリムシといった微細藻類を用いた方法も注目を浴びている。


第2位
■日経ビジネス■ <<< 20兆円市場をどう取り合うか
 
 日本のeコマース(電子商取引)は楽天・アマゾンによる寡占状態か!?と思いきや、その2社は全体の20%を占めるに過ぎない。B to C、C to Cを合わせると、国内のEC市場はおよそ16兆円ほどの規模になった模様だ。しかも、この2年で4兆円ほど規模拡大しているという。今週の『日経ビジネス』(合併号)は、「eコマース大乱戦」と題して、この拡大する巨大市場を巡る新旧・大小が入り乱れた争奪戦をレポートする。
 近年伸びが目覚ましいのがCtoCのEC市場である。特に1人1台が現実的な時代となっているスマートフォンを用いての手軽なECが注目を浴びている。例えばメッセンジャーアプリで有名なLINEが作った「LINE MALL」。ヤフオクと違って価格もワンプライス固定、各種手数料も無し。とことん「手軽さ」を追求してCtoCの利用者を伸ばしている。しかも7月30日から全国一律料金での配送サービスも開始。LINEの本気度がうかがえる。
「ショールーミング」という言葉がある。これはネット通販が拡大して行くなかで小売店鋪が「ショールーム」化してしまうことを指し、小売業者から忌避されているが、これを逆手に取っている企業もある。大阪の「DIY FACTORY OSAKA」(DFO)だ。ここでは店舗にて専門通販サイトでの購入を促している。実店舗を「ショールーム」としての機能を特化させ、ネットにはできない価値を生んでいる。しかし、最新情報はもっとあるはずだ。特集のボリュームが少ないのが残念。


第3位
■週刊ダイヤモンド■ <<< いまやTOIECは800以上なきゃダメ

「英語が使えないと仕事にならない、昇進できない--−−」そんな職場が増えている。今週の『週刊ダイヤモンド』はビジネスで使うための英語の特集「ビジネスに勝つ英語」である。
 海外駐在する社員が常時200人ほどいるIHIでは、英会話の学習ができる教室を本社内に開設した。業務の合間に効率よく学習できるよう配慮されたものだ。楽天の英語の社内公用語化も大きな成果を上げつつあり、外国人社員も全体の13%まで増えた。2020年の東京オリンピックも控え、国を挙げてのグローバル化は止められない。日本人はともすると「流暢に話せないと恥ずかしい」と口を閉ざしがちだが、英語が世界共通のコミュニケーションツールとなった今、「グロービッシュ」や「インターナショナル・イングリッシュ」「リンガフランカ(共通語)」など呼び名はいろいろだが、「みんなで共通に使える、分かり合える簡単な英語」を使うことが世界のルールになりつつある。グロービッシュの提唱者ジャン・ポール・ネリエール氏や国際経験の多いボストンコンサルティング日本代表・御立尚資氏らがインタビューでそんな私たちにエールを送ってくれる。Part3.はビジネスマンのための英語速習術など昨今の新ノウハウを掲載。
 第2特集は企業サイトの事業貢献度を測定した「ウェブサイト価値ランキング2014」。1位は全日本空輸だ。


第4位
■ 週刊東洋経済■ <<< 掃除で済まない片付け
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 前回の東洋経済では遺産相続についての特集が組まれていたが、今回はその中でも大問題とされる「実家」について取り上げている。タイトルは「実家の片付け」。掃除ではなく、もちろんどう処分していくかという話である。
 総務省が5年置きに公表する「住宅・土地統計調査」によれば、2013年時点での日本の空き家は約820万戸! 総住宅に占める割合は13.5%。実に7件に1件が空き家という数字だ。相続しても放っておかれ、地域の問題となっている空き家が増えに増えているのだ。生前にある程度の整理ができれば一番だが、実家の片付けをするきっかけとしては実に50%が住んでいた両親の死をきっかけとしている。年老いた父母との価値観の違いも大きく、生きているうちはなかなか片付けさせてもらえないのが現状だろう。
 特集では、ある程度の年齢になるとみんなが悩んでいるこの「実家」問題を、数多の実例を引きながらレポートしていく。亡くなった叔父の家の小部屋を片付けていたらそこはトイレだった......とか、片付けに赴いても年老いた母に荷物を触らせてもらえない......とか、笑うに笑えない身につまされるエピソード満載だ。
 第2特集は「地方政治にかかるおカネ」。地方議員の不祥事がメディアをにぎわすことの多い昨今、タイムリーな企画? なんだろうな。

2014年8月 6日

今週の第1位は『週刊ダイヤモンド』・・・最強のテーマパーク

週刊ダイヤモンド ... 最強のテーマパーク
週刊東洋経済 ...  親と子の相続
日経ビジネス ... 限界都市東京
週刊エコノミスト ... 資本主義をとことん考えよう

 今週は合併号の週なので、来週はお休みとなるのですが、以前のように合併号ならではの力を入れた特集は見当たりません。雑誌販売自体が低迷していることの証左でしょうか。そんななかで面白そうだなと感じさせたのは『週刊ダイヤモンド』です。特集は多様合併号らしいテーマで「テーマパーク」です。ディズニーリゾートはもちろん、USJの脅威のV字回復や、奇跡の復活を遂げたハウステンボス等取りあげる中身もバラエティに富んでいて、なるほどといった集客のノウハウがいっぱい詰まっています。これが今週の第1位です。
 第2位はどちらにしようか考えたのですが、『週刊東洋経済』にしました。特集では『日経ビジネス』が面白かったのですが、『週刊東洋経済』は吉野家社長を退任した安部修仁氏をフィーチャーした巻頭特集やソニーの背水の陣の経営等を取りあげ、それに加えて特集で「相続税の問題」をわかりやすく解説している、そのボリューム感で『日経ビジネス』に勝っていました。
 一方、『日経ビジネス』は東京一極集中の問題を取りあげました。東京への一極集中が加速するほど日本の人口が減るという問題提起から、どうやって地方を活性化するかを考える特集です。これは割に面白かったですね。
 そして、『週刊エコノミスト』の特集は何号か前で『週刊東洋経済』が取りあげた「ピケティ理論」を中心にした」資本主義を考える」特集です。ま、お盆休みの方が多いでしょうから暇な方にはお勧めします。

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第1位
■週刊ダイヤモンド■ <<< 人を呼び込む手法が分かる

 7月15日、大阪のユニバーサルスタジオジャパン(USJ)で新アトラクション「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」(以下ハリポタ)がオープンし、大盛況だ。一時は「死に体」とまで言われたUSJはどうしてV字回復したのか!? 今週の『週刊ダイヤモンド』を読むとその答えが見える。特集タイトルは「最強のテーマパーク」だ。
 USJにハリポタ導入を実現させた男がいる。森岡毅マーケティング本部長・執行役員だ。第3セクターから事実上の民間企業への移行を推進したグレン・ガンベル現社長が、「自らリスクを取るマーケティングのプロが欲しい」と引き抜いた元P&Gの辣腕マーケッターだった。年間の売上げの半分に当たる450億円をかけて作られたこのアトラクション。USJに人を呼び込む最後の切り札として、3年がかりでキャッシュフローを増やし、最小限の借り入れで費用を捻出したという。
 この特集、もちろんUSJだけではない。テーマパーク業界の頂点・東京ディズニーリゾート、地獄から生還したハウステンボス、そして、続々と開発される新型パークや集客の仕掛けなど、人を呼び込む各地の手法をレポートする記事も読み応えある。
 第2特集は「2014完全版 社長・役員の年収ランキング」だ。


第2位
■ 週刊東洋経済■ <<< 難しくなる相続対策

 夏休み合併号の『週刊東洋経済』は「親と子の相続」が第1特集だ。親の心子知らず、子の心親知らず。遺産相続に関する問題の多くは親(被相続人)と子(相続人)の齟齬が原因である。兄弟姉妹がいる場合は相続額の比率等でのいがみ合いは避けたいが、親に向かって「遺言を書いてくれ」とは言いにくい。さらに2015年から相続税が増税され、課税対象が広がる。主な相続遺産であるのは不動産だが、路線価等土地の価格も上昇しており、課税対象となるケースが増えるのは間違いない。
 さらに二次相続という落とし穴がある。両親のうち一方が死亡した場合、相続税が軽いのでとりあえずもう一方の親が相続する場合が多いが、その後に残された親が死亡した時に起こるのが二次相続である。主に一次相続時の金融資産は生活に使われ減少しており、被相続人も大抵自宅を持っているために家屋も税控除の対象にされにくく、かといって売ろうとしても経年劣化により買い手はつきにくいため非常に面倒なことになる。遠くを見通した相続対策が必要である所以だ。
 今週の『週刊東洋経済』で一番読んでほしいのは<巻頭特集>「さようなら、ミスター牛丼 安部修仁と吉野家の時代」だろう。アルバイトから入社して42年、社長になって22年の安倍氏。読ませる14ページである。


第3位
■日経ビジネス■ <<< 若者が東京に来るほど日本の人口は減る

『日経ビジネス』のみ、合併号は来週。今週も通常号として発売になっている。特集は「限界都市 東京 一極モデルを打ち破る新未来図」。人口減少はこれまで<地方の問題>としてとらえられてきた。しかし、若者を東京に供給してきた地方が崩壊したら? それは東京を支えるシステムそのものが崩壊することにつながる。
 2020年の五輪も決定し、沸く東京。しばらくは若者の流入も増えていくだろう。だが、東京は結婚・子育てにおける環境が劣悪ゆえ、生まれる子どもはさらに減る。地方から若者を引き寄せるものの若者を増やさない、そんな人口減少促進装置が、東京への一極集中そのものなのだ。世界的に見ても特異な一極集中モデルを見直さなくては日本の未来はない。
 指針として、アメリカ北西部にポートランドという都市の事例が紹介されている。80年代は不況に喘いでいたが今は毎週500人程度の勢いで若者を中心に移住者を迎え入れているそうだ。ポートランドは都市における機能を一部の地域に集約し、郊外の乱開発を規制し自然等の保全につとめている。中心部をコンパクトにすることで住民は移動の手間を大いに省け、さらに車を使えば即座にアウトドア等も楽しめる。そういった都市と自然を一体とした町づくりをしているのだ。「魅力的な地方都市」。そういう場所を各地に生み出していく必要がある。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<< またも取りあげられたピケティ理論

 7月中旬の『週刊東洋経済』が大々的に取り上げて以降、各誌で引っ張りだこの「ピケティ理論」。今週は『週刊エコノミスト』が、ピケティを切り口に「資本主義をとことん考えよう」という特集を組んだ。
 先進国を中心に長期的に労働分配率が低下し、停滞論が叫ばれている。資本主義は限界論に達したのか? そのタイミングで出版されたフランス人経済学者、トマス・ピケティ氏(43歳)の『21世紀の資本論』が、米国でたいへんなブームを巻き起こしている。なぜそれほどまでのブームを巻き起こしているのか。本誌にコンパクトにまとまっているので引用する。
「ピケティの本がすごいのは、格差が拡大しているという事象を、過去100年以上の統計データを使って、これが一過性の現象ではなく長期にわたるトレンドで、『富と所有の格差の拡大それ自体が資本主義市場経済に内在する』ことを論証してみせたことにある。これはこれまでの経済学の常識を覆す衝撃的な主張である」。
 米国を中心に肯定と否定の論評かまびすしい『21世紀の資本論』。日本語訳版出版前に、日本でも多くの専門家に刺激を与えているようだ。