2014年7月24日

今週の第1位は『週刊ダイヤモンド』・・・相場を動かすアベ経済マフィア 全人脈・全内幕

 今週の『週刊ダイヤモンド』と『週刊東洋経済』はどちらも読みごたえのある特集でした。そんななかでどちらを1位にしようかと考えたのですが、臨場感という意味で『週刊ダイヤモンド』にしました。その中身は安倍政権を実質的に牛耳っている数人とそれを取り巻く官僚、財界人そしてブレーン。この人たちが創出するアベノミクスという名の相場の全貌を描き出しています。でも、編集長は身辺気をつけた方がいいんじゃないかな。
 惜しくも第2位の『週刊東洋経済』はいま世界で大注目されているベストセラーを特集という形で扱っています。そのベストセラーとはフランス人の経済学者ピケティが著した「 CAPITAL in the Twenty-First Century」(日本では今年中にみすず書房より刊行予定)です。所得と富の不平等は21世紀を通じてさらに拡大し、いわゆる中間層がなくなっていくというセンセーショナルな内容です。著者へのインタビューあり、なかなかの問題提起型特集になっています。
 第3位の『日経ビジネス』は自己資本利益率(ROE)に注目し、日本企業がグローバル経営を目指すなら、このROE経営がますます重要な物差しになっていくとして、では日本型のROE経営とは何か、を提言しています。
『週刊エコノミスト』は来年1月から始まる相続税の増税を取りあげ、特に土地に的を絞った相続税対策を特集しています。


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第1位
■週刊ダイヤモンド■ <<< 今の政権は3A+1Sというのだそうだ。

「政権の生命線は株価!」。安倍内閣の中心人物「3A+1S」の合言葉だ。「3A+1S」とは、もちろん、安倍総理、麻生副総理、甘利経済再生担当大臣、そして政権のすご腕参謀・菅官房長官の4人。今週の『週刊ダイヤモンド』は、「相場を動かすアベ経済マフィア 全人脈・全内幕」と題して、「株価連動内閣」とその経済政策を牛耳る政・財・官・学40人のキーマンの全貌に迫る。
 安倍内閣は官邸主導を実現した。族議員の活躍の場は減り、政策決定のプロセスは大きく変わった。「首相を支える40人のキーマン アベ経済マフィア全人脈図(30〜31p)」に登場するキーマンたちがアベノミクスの空気をもり立て、その経済政策の中身を牛耳る人物たちだ。なにも「マフィア」と言わなくても......とも思うが、その結束と連動を表現したかったのだろう。Part2「市場関係者も必読! 知られざる重大製作の裏側」も今後の政策と経済を読むうえで面白い記事だ。ヘッジファンドマネジャーと記者の会話から持ち上がった特集だったようだが、現在の政治経済状況が実にわかりやすく頭に入ってきた。
 第2特集は「法人税減税の不都合な真実」。改めて法人税実質負担税率が低い企業のランキングやら、業績好調とされる総合商社が「法人税マイナス」なんていう事実をみると、「税法の不思議」を思わずにいられない記事だ。グーグルもそうだし、規模が大きいと、節税もグローバルです。

第2位
■ 週刊東洋経済■ <<< 新たな資本論の出現

 今週の『週刊ダイヤモンド』も力作特集と感じたが、『週刊東洋経済』も負けてはいない。日本語での出版がまだ先の12月、しかも自社ではなくみすず書房が出版する仏人経済学者の書いた経済本が特集のメインテーマなのだ。
 その経済学者とは、43歳のフランス人経済学者、トマ・ピケティ。著作のタイトルは『21世紀の資本論』。この本、4月に英訳版が出版されるや、わずか3ヵ月で40万部を売り上げるベストセラーとなった。いまや、欧米の知識人の必読書なのだという。とくに米国での"ピケティ熱"が高く、母国フランスでは、「フランスの経済学者がアメリカでスターになった」ことがニュースになっているそうだ。ちなみにフランスでは2013年9月発売で現在13万部売れている。
 この本、「格差の拡大は資本主義に内在するメカニズムだとし、急進的な課税による再配分を求める」と主張する。社会が「平等でない」と感じる世界に、鮮烈な一撃を与える経済専門書として、賛否両論、「世界のトップレベルの経済学者からも関係する論文が怒濤のように出されている」そうだ。「マルクス主義の再来」との批判もある。特集はピケティ氏の独占インタビューから始まる。「不平等の状態があまりに拡大すると、再びポピュリズムや過激思想への道を開いてしまうことになる」。ピケティ氏に指摘されるまでもなく、歴史的に経験してきたことが欧米でも日本でも随所に噴き出しつつある。
 第2特集は「人手不足の正体」。20ページのボリュームで、各業界の人手不足の実態を掘り下げる。


第3位
■日経ビジネス■ <<< 全社挙げてROEを意識せよ!

 今週の『日経ビジネス』の特集タイトルは「新・利益革命 現場が磨く日本流ROE経営」。ROE(自己資本利益率)......との文言を見て、「アベ経済マフィアの連動......か?」と思ってしまった。「企業のROEを高めて外国人投資家にアピールしないと!」「まずは影響力があるメディアで特集させろ!」とかね。単純に影響されやすいのです、私(笑)。成長戦略にもROEの引き上げが盛り込まれているし。
 さて、そんな裏読みをさせるほど、唐突感のあるテーマ「ROE(自己資本利益率)」。企業が株主のお金をどの程度有効に活用しているかを測る指標だ。短期的な経営指標でもある。本文にも「ROEと聞くと、多くの人が拒絶反応を示すに違いない」との一文が。しかし、この「ROE」、最近よく耳にするし(当たり前だ。政府の成長戦略に盛り込まれた)、「投資家が振りかざす尺度には、どこか米欧流の冷たさも漂う(リードより)」。でも、その本質は「日本的な経営と通じ」、「あなたの日々の仕事の積み重ねが、この指標を高める力になり」、「現場発の新しい利益革命」として日本企業を変え始めているとのことだ。
 しかし、米欧並みにROEを引き上げるには、日本企業は人件費等の販売管理費を押さえ、利益を倍増させる方策を打たねばならない。もう、全社上げてROEを意識しないと、グローバルで勝てない、外国人投資家から株も買ってもらえない、アベノミクスにとって、そんな待ったなしの状況は見えてくる。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 土地相続増税対策

 雑誌が売れない時代、各誌新たな切り口で果敢に攻めているが、税金に関する特集は経済誌の定番テーマとして定着している。小金を持った団塊世代以上に読者層を絞っているからか、とくに『週刊エコノミスト』ではかなり熱心に頻繁に取り上げられるテーマだ。5月に「税務調査がやって来る!」、1月「不動産 節税と投資」、そして今週は「あなたの土地の相続増税」だ。
 2015年からの相続増税で、「5000万円+1000万円×(法定相続人数)」から「3000万円+600万円×(法定相続人数)」に課税対象が引き下がる影響で、これまで相続税とは無縁だった層にも他人事ではなく、納税額も確実に上昇するからだ。今回の特集では、具体的に相続税がかかると予測できる首都圏・関西圏・名古屋圏・福岡圏の主要駅マップ・一覧を掲載。土地持ちの相続対策をメインにレポートしている。