2014年4月23日

今週の第1位は『日経ビジネス』・・・ビットコイン 国家に突きつけた挑戦状

日経ビジネス ... ビットコイン 国家に突きつけた挑戦状
週刊ダイヤモンド ... ソニー消滅!! 尽き果てる"延命経営"
週刊東洋経済 ... 小売り激変 消費税8%でどうなる 
週刊エコノミスト ... 中国危機の正体を見た!

 ビットコイン(仮想通貨)=危なっかしい仕組み、と捉えている人が大多数かもしれません。何せ東京の渋谷にあるビットコイン最大の取引所であるマウントゴックスが破綻したからです。しかし、この仮想通貨には支持者が多いのも確かですし、ああした事件の後、さらに利用者が増えたという話もあります。いったいこの仮想通貨とは何なのか、これを正面から捉えて特集にしたのが『日経ビジネス』です。ご一読をお勧めします。これが今週の第1位です。
 第2位は苦悩するソニーを特集に取りあげた『週刊ダイヤモンド』です。以前『日経ビジネス』で、奇跡の復活を遂げつつあるパナソニックの特集が組まれた時にその好対照として取りあげられたのがソニーでした。というわけで、同誌のタイトルは「ソニー消滅!!」ですから穏やかではありません。
 消費税増税から3週間あまりが経ち、そろそろかなと思っていたらやはり特集が組まれました。それが『週刊東洋経済』の小売業特集です。個人的にはセブン&アイホールディングスのオムニチャネル戦略には興味があったので、面白く読みました。
 第4位の『週刊エコノミスト』は中国特集です。1ヵ月前に組んだ中国特集の続編的位置づけでしょうか、危機の正体を分析しています。

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第1位
■日経ビジネス■ <<<  ビットコインへの可能性を解く

 国家権力の及ばない仮想通貨が現実の通貨に成り代わり世界に流通する。そんな未来が間近に迫っているかもしれない。
 先日東京・渋谷にオフィスを置く仮想通貨「ビットコイン」の最大の取引所の一つだったマウントゴックスが破綻した。しかしそれによってビットコインの名は日本にも知れ渡り、口座も国内外各国で増えたという。ビットコインを巡っては、懐疑派と推進派にくっきりと分かれる。『週刊ダイヤモンド』では、野口悠紀雄・早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問が、人気連載「『超』整理日記」で、このところずっとビットコインについての考察を書き続けている。肯定派の1人だ。
 さて、今週の『日経ビジネス』は「既存の金融制度に問題点がある以上、仮想通過の普及の流れは不可逆的だ」と言い切る。「ブロックチェーン」というビットコインの根幹をなすテクノロジーがキモなのだという。30〜31ページに図解が掲載されている。ビットコインが普及した近未来シミュレーションもある。そこには「国家」という枠組みの薄れた様子が書かれるが、にわかに肯定できない混乱がサラッと描かれている。
 しかし、最も読むべきは、特集の外に書かれた「時事深層」15ページか。ブロックチェーンをコイン以外の分野、たとえば株や債券の売買、投票権の管理などに応用しようとする「イーサリアム」というプロジェクトの話だ。今週の『日経ビジネス』は、世の中から置いていかれないためにも読んでおこうと思う。


第2位
■週刊ダイヤモンド■ <<<  浮かばないソニー

『週刊東洋経済』が「ソニー シャープ パナソニック」と題して、経営不振に喘ぐ3社を特集したのは2012年5月の連休明けのことだった。3社ともに同時期に社長を交代させている。あれから2年。3社の命運は3様だ。
 パナソニックは、3月に『日経ビジネス』が「浮上!Panasonic」で取り上げた通り、社長交代1年目から本社機能を7000人体制から130人体制に変革、事業のB to Bシフトなどが奏功し、急速に浮上している。シャープは、一時は存亡の危機に立たされていたものの粛々と歩を進めている感じ。
 ではソニーは? 今週の『週刊ダイヤモンド』が「ソニー消滅!! 尽き果てる"延命経営"」と題して取り上げている。実は2月にも『週刊東洋経済』が巻頭のレポートで「ソニー非常事態」として「『資産売却』が本業? ソニー決算の異常事態」と報道。"延命経営"とは、資産売却などその場しのぎの数字のマジックで延命に奔走する経営陣の姿勢を表したものだ。出井氏、ストリンガー氏という2人の戦犯経営者は勇退し、ストリンガー氏の息がかかった経営陣はまだ多く居座っている。しかし、立て直しのために期待の幹部2人がソネットから本社経営中枢に入った。新たな平井体制は新戦略を推進できるのか。
 第2特集は「カジノ狂騒曲」。市場規模2兆円と期待される日本のカジノ市場。いち早く主導権を握ろうと企業や自治体が群がり始めている現況をレポートしている。


第3位
■ 週刊東洋経済■ <<<  小売業界もオムニチャネル

 2014年4月の消費税引き上げによる反動減は、小売業では予想より比較的穏やかに推移しているようだ。だが、人口減や少子高齢化によって国内の市場は今後も縮小傾向である。さらに15年秋にはさらなる消費税引き上げも予定されている。反動減が終わり増税の影響が一巡したあと、トップに立つ小売りはどこか。いま業界各社はまさにスタードダッシュを決めようとしている。
 例えばセブン&アイホールディングスは今年の1月に、イオンは昨年の8月にM&Aを行なっている。注目すべきなのは同じ業態同士の統合だけではなく、異業種との融合を戦略として取り入れていることだろう。セブン&アイが代表的だがなぜ異業種をM&Aにより取り込んでいるか。それはセブン&アイが掲げる戦略、「オムニチャネル」による。オムニチャネルとは、有り体に言えばリアルとネットの融合である。傘下の多くの企業をネットワークで結び、ある傘下の商品を別の傘下の店舗で注文したり、ネット通販で頼んだ物を傘下の店舗で受け取ったりというものだ。まさに「いつでも、どこでも、誰でも、そして何でも」を実現しようとしているのだ。
 さらに本誌では「小売りの新戦略」と称してローソンほか多様な業態の戦略を解説している。ローソンは昨年10月「マチのほっとステーション」というキャッチコピーを「マチの健康ステーション」に変えたそうだ。顧客の深堀り戦略も激烈だ。
 さて、今週『週刊東洋経済』では、巻頭企画で16ページを割いてLINEを深堀している。準備していたものが先週の『週刊ダイヤモンド』で先を越されたのだろう。こちらはこちらで面白い内容になっている。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<<  中国で急拡大するネット金融の危うさ

『週刊エコノミスト』は、3月初旬に「中国危機の真相」とのタイトルで中国経済の特集を組んだ。そして再び今週も「中国危機の正体を見た!」と掘り下げる。前回特集は理財商品とそれを扱うシャドーバンキング(影の銀行)の問題が記事の中心だった。今回は「影の銀行より恐ろしい中国危機の"核心"」としている。その間、日本でいえば信用金庫的な存在の地方銀行で取付け騒ぎが起きた。刻々と状況が変化している。
 変化しているものの一つに「中国で唯一自由な業界」といわれるIT業界での動きがある。急拡大するネット金融だ。「政府もおびえるITマネー」のページに詳しい。行天豊雄・国際通貨研究所理事長は、「鄧小平の政策、国家資本主義の発展モデルが限界に達した」わけで、習金平はなんとか安定的に軟着陸させなければならないが、「きわめて慎重だ。中国当局はかなり長期的な視点を持っている」との見解だ。
 第2特集は「激震NHK」。安倍政権への密着度が取り沙汰されているが、政府と公共放送の関係を日英仏独米5カ国で対比する。だがボリュームは4ページと少ない。

2014年4月17日

今週の第1位は『週刊東洋経済』・・・本業喪失 生き残りたいなら過去を捨てろ!

週刊東洋経済 ... 本業喪失 生き残りたいなら過去を捨てろ!
週刊ダイヤモンド ... LINE全解明
日経ビジネス ... シルバー維新 輝け!銀の卵たち
週刊エコノミスト ... 最後の英語やり直し!

 富士フイルムが行なった業態転換は奇跡のごとく思えていたので、今週の『週刊東洋経済』を見たときには思わず最初に手に取りました。対照的なのはアメリカのイーストマンコダックが経営破綻したことです。富士フイルムの苦闘の記録、一橋大学の楠木建教授による小森重隆会長・CEOへのインタビューと中身も濃い。業態転換をしなければ生き残っていけないのに目をつぶっている会社が多い中で、この苦闘の記録はぜひご一読をお勧めします。これが今週の第1位です。
 以前どの経済誌かは忘れましたが「LINE」の特集を組んだことがあったような気がしましたが、それはともかく、今週の『週刊ダイヤモンド』の特集は「LINE」です。この4月1日に利用者数が4億人を突破したこと、それが日本発のサービスであることから、今やLINEは注目の的です。同誌では、使ったことのないオジサンに向けて入門編から、SNS間の覇権争いまで、結構読ませます。
 第3位は『日経ビジネス』です。扱った特集テーマはシルバー世代。この人たちの活かし方、活かされ方から独立した人の成功例まで幅広く高年齢世代を扱っています。定年が65歳まで伸び、役職定年などでやる気のないベテラン社員を抱えている会社も多いでしょうが、そういう人にはお勧めですね。
 第4位『週刊エコノミスト』の特集は「英語」です。しょっぱなの講師役は勝間和代さん。彼女おすすめの方法を「最終手段」として伝授されるようになっていて、鉄則がその1からその5まであります。

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第1位
■ 週刊東洋経済■ <<<  新日鉄から鉄がなくなったときどうする?

 企業を取り巻く事業環境の変化のスピードは年々勢いを増している。価格競争や需要動向の激変等で急転落する企業も珍しくない。『週刊東洋経済』では「本業喪失」と題して「変わらなければ生き残れない時代の新・経営戦略」をレポートする。
「トヨタから車がなくなる」「新日鉄から鉄がなくなる」......古森会長兼CEOが社長であった10年前、会社の置かれている状況をこう例えて危機意識を社内で共有した。Part1は、カメラのデジタル化による市場変化の大波を「破壊と創造」を同時に進めて新たな企業に生まれ変わった「富士フイルム苦闘の記録」だ。当時写真フィルムの国内シェア7割を握っていた富士フイルムでは、徹底した需要予測を行ない、ほぼ正確な販売計画を立てていたという。デジカメが普及し始め、「国内需要が激減する!」という感材部需要予測セクションの必死の訴えに耳を傾け、動いたのが古森氏だ。利益の3分の2をはじき出していた事業に大ナタを振るい、リストラを実施し、有望な事業に思い切った投資を断行した。一つひとつのタイミングが1歩早い。改革のルポルタージュ記事、古森氏へのインタビューも一読の価値ありだ。
 Part2は「日本企業の変身力」。アイリスオーヤマ、大日本印刷など、危機に直面して生き残った5社の戦略を分析する。
 第2特集は「シャープの反省」。浮上の糸口をつかみつつあるシャープを取り上げるが、これも面白い。


第2位
■週刊ダイヤモンド■ <<<  SNSはストック型からフロー型へ移行中

 2014年4月1日、スマートフォン専用メッセージ・通話アプリの「LINE」の利用者が世界で4億人を突破した。5億人突破は8月頃ではないかと言われている。手軽に使えるメッセージ機能や絵文字の代替であるスタンプ機能、さらにアプリ同士の無料通話機能によって若者達を中心に最早インフラと化しているLINE。今週の『週刊ダイヤモンド』は「LINE全解明」と題してその現状とSNS覇権争いを特集する。
 LINEがこのような大躍進を遂げた背景には、スマホ普及の波に乗ったことも大きいが、最大のものはSNSにおける利用者のシフトがある。現在世界一のシェアを誇るFacebookやツイッター等の「ストック型」のサービスからLINE等のチャットや通話をメインとした「フロー型」へ移動している傾向があるというのだ。Facebookもこのトレンドを捉えてすでにフロー型のワッツアップを190億ドルで手に入れ、欧米を中心に4.5億人の利用がある。
 そして今LINEのようなフロー型のSNSが、"オフィシャルではないもう1本のパス"として、ビジネスに於いても必須ツールとなりつつあるという。「仕事でよく利用しているアプリはLINEが43.3%、Facebookが29.6%」とのデータもある。チーム間でのコミュニケーションの向上や連携の補助等、活用の場はいくらでもある。LINEをまだ使ったことがないあなたに、ちょっとおすすめの特集です。余談だが、今ツイッター上でこの特集が話題になっているが、それはLINE上での会話のやり取りを図示した箇所で、そこに出てくる人の名前が大ヒットゲーム「艦これ」の船の名前になっているからだ。編集部にファンがいるな!


第3位
■日経ビジネス■ <<< 65歳を超えても働きたい人は7割

 今年は団塊の世代((1947〜49年生まれ)がすべて65歳以上になる年である。日本の労働力を支えていたこの世代。とある民間の調査では「65歳を超えても働き続けたいか」という問いに対して7割の人が「はい」と答えたそうだ。労働意欲が非常に高い。かつて「金の卵」と言われた団塊の世代が「銀の卵」に生まれ変わる!? シルバーの活用を超高齢化社会の切り札にしていこう、いや、するしかないでしょ!という特集が、今週の『日経ビジネス』、「シルバー維新 輝け!銀の卵たち」だ。まずは660万人の団塊の世代=シニア人材を企業はうまく活用できているのだろうか。
 特集Part1では、60歳から65歳までの雇用継続義務化から1年、その先駆的な企業の試みをレポートする。特別なスキルを持つシニア社員を後進の指導に起用しているダイキンや東京トヨペット、シニア社員が自発的に新たな活躍の場を見つけ出す「社内転職」をサポートしている三菱商事やオリックス等だ。活用がうまくいっている企業のノウハウはどんどん拡散させていかなくてはなるまい。人事担当者による匿名座談会「ここがダメだよ...シニア社員」は、シニア活用をうまくいかせるために、シニアと企業側がやってはいけないことがリアルに描かれている。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<<  英語ができない人の英語術!

 今週の『週刊エコノミスト』は、ビジネスパーソンのための英語勉強法を特集した。勝間和代氏、出井伸之氏、成毛真氏、河田正也氏、長谷川豊氏など、企業トップ&トップ経験者を中心とする英語の達人たちから、効率的な英語学習のヒントを探ろうというものだ。みなさん、「英語なんて全然できなかった」とおっしゃる。それを読んで勇気づけられるのも一興。ビジネス限定なら、自分の業界の用語がわかれば大きく英語道は開ける。私の友人も、サンフランシスコ赴任時、仕事はまったく困らないほどの語彙力なのに、奥さんと米国人ママ友の会話に出てくる単語はちんぷんかんぷんだったという。
 後半には、『ウォールストリートジャーナル』など英字媒体を読むコツ、フィリピン格安短期語学留学、お役立ち英語学習アプリなど、実用的な情報も。英語と異文化を学べる英会話バー、英会話カフェなんていうのも近頃は人気があるそうだ。

2014年4月10日

【来た!見た!書いた!】 地域に問われる「大動脈」の生かし方

1年前から盛り上がる北陸新幹線開業の動き

 3月下旬の3連休。高崎駅から長野駅方面に向かうため、JR長野新幹線の「あさま」の自由席に乗り込んだ。3連休の初日で、車内は軽井沢などに向かう観光客で大混雑していて、座れたのは多くのスキー客が降車した軽井沢駅。しばらくして、全座席に電源コンセントがあることに気付いた。新幹線はいつから全席にコンセントがつくようになったのだろう。
 長野新幹線が開通した1997年以前の在来線時代には難所だった碓氷峠も、長野新幹線はほとんどをトンネルで通り過ぎてしまうため、利用者が「きつい峠」を実感することはまずない。考えことをしつつ、うつらうつらしたら、あっという間に長野駅に着いた。
 JR長野駅に降り立つと、鉄道ファンらしき人が降りたばかりのあさまをしきりに撮影している。「かっこいいね」と話しながら先頭車両の前で記念撮影する親子連れもいた。
 そこで初めて、偶然に乗ったあさま号の車両が、JR東日本と西日本が共同開発して、3月15日に走り始めたばかりの北陸新幹線の新型車両E7系であることに気づいた。コンセントが全座席にあるのも、座席は背もたれに連動して座面も動いて乗り心地がよいのも、ほとんど揺れを感じないのも、E7系だからこそだったのだ。
 2015年春に、長野新幹線が金沢まで延伸する形で開業する「北陸新幹線」。新幹線のような新しい「交通の大動脈」の延伸・開業は沿線や周辺の地域にとっては一大ニュースだ。北陸新幹線の開業まであと1年となったことで、沿線では、さまざまな準備が急ピッチで進んでいる。

北陸新幹線が開業すればあらゆることが一変

 長野駅の玄関口である善光寺口では、新しい駅ビルの工事の真っ最中だ。新幹線の終着駅は、乗客が乗り換え待ちや宿泊などで駅外に出る可能性が高く、長野市は観光面でもビジネスの面でも、そのメリットを享受してきた。だが北陸新幹線が開業すれば、すべての列車が停車するとはいっても、1つの途中駅になってしまう。
 長野県や長野市の関係者の間では、「長野が素通りされるかもしれない」という危機感が強まっている。新しい駅ビルの建設はそうした危機感の1つの現れといってもいい。「信州の魅力を集約・発信する駅ビル」(東日本旅客鉄道)をめざすという。
 その日は長野駅で直江津行きの信越線普通列車に乗り換えて、新潟県上越市の高田に向かった。
 長野駅から3つめの豊野駅のあたりまでは、進行方向の右手、信越線と千曲川にはさまれた平野の間に、北陸新幹線の高架線路が建設されているのが見える。だが新幹線は豊野駅以北は飯山線の飯山駅方面に向かってしまうため、信越線からは確認できない。信越線が再び北陸新幹線と相まみえるのは、高田駅の1つ手前の脇野田駅。ここに新幹線の新駅「上越妙高駅」を建設中だ。
 現在は、直江津市などと合併して新潟県で3位の人口を擁する上越市の一部になっている高田(旧・高田市)。この街も北陸新幹線が開業すれば、さまざまなことが「一変」するに違いない。


広報宣伝次第では大化けする可能性のある街

 歴史や古い街並みが好きな人にとっては、高田はたまらない街だ。徳川家康の六男・松平忠輝が初代の高田藩主として高田城を築いたのが1614(慶長19)年。今年はそれから400年目にあたり、「高田開府400年祭」が開かれる。
 城下町には、雪よけの屋根がつらなった「雁木造(がんぎづくり)」が広がり、その総延長は約16キロと日本一の長さ。高田城は明治期に陸軍の駐屯地となり、1909年にそれを記念してソメイヨシノ約2200本が植樹された。桜はその後4000本にまで増え、この時期の夜は、城の三重櫓と桜がぼんぼりの明かりに映え、堀の水面にうつる様が美しい。
 これまでは東京からの遠さ故、首都圏で高田の街並みや夜桜の知名度が高いとはいえなかった。だが北陸新幹線開業後は東京駅と上越妙高駅は最速1時間48分で結ばれる。高田地区は、「蔵造りの街並み」を打ち出すことで一大観光地となった埼玉県川越市のように、広報宣伝の仕方しだいでは大化けする可能性のある街だ。
 一方、新たな大動脈の完成は、これまでの大動脈を廃れさせるきっかけにもなる。新潟県は広く、北陸新幹線の開業がどの地域にとってもメリットになるわけではない。
 例えばこれまで首都圏と北陸を結ぶ鉄道の主力ルートは上越新幹線で越後湯沢まで行き、そこで北越急行(新潟県魚沼市)ほくほく線を通る特急はくたかに乗り換えて金沢方面に向かうものだった。このはくたかは北陸新幹線開業後に廃止となる公算が大きい。はくたかだけでなく、上越新幹線沿線の相対的な集客力低下につながる可能性もある。
 ただそれは、それぞれの地域が現状に甘んじていればの話。新潟県では現在、北陸新幹線開業を前に、地域の魅力を捉え直す動きが活発だ。大動脈ができるときは地域が強みを問い直す、またとない好機でもある。


今週の第1位は『週刊ダイヤモンド』・・・暴走!日本株 ボロ儲けしたのは誰だ

週刊ダイヤモンド ... 暴走!日本株 ボロ儲けしたのは誰だ
日経ビジネス ... 脱デフレで勝つ 高く売るための経営七策
週刊エコノミスト ... 地政学リスクと資源争奪
週刊東洋経済 ... 今買える株 買えない株

 今週は偶然にも株式の特集が2誌ありました。『週刊ダイヤモンド』と『週刊東洋経済』です。もちろん特集の扱い方はそれぞれ異なっていて、『週刊ダイヤモンド』は株の乱高下が激しい現在の市場の裏側にスポットを当て、犯人探しをしながら、そんな中でも個人投資家がどうしていけばいいかを説いています。一方の『週刊東洋経済』はもっと単純で、これから株を始める人も視野に入れ、間違えない株の買い方特集といった趣です。視点としては圧倒的に『週刊ダイヤモンド』の方が面白く、こちらを今週の第1位にします。一方の『週刊東洋経済』は個人的な知り合いも出ていたりして、中身が面白くないわけではありませんが、それ以外の2誌と比較して新鮮味に欠けることから第4位にしました。
 第2位はそろそろ企業も本格的に「脱デフレ体制」にシフトしなければいけないと警告している『日経ビジネス』です。コストよりもバリューを追求する時代に変化し始めたというメッセージが効いています。
 そして第3位は『週刊エコノミスト』です。ロシアのクリミア編入問題に絡めて世界の地政学的なリスクと、そこからくる資源の問題に迫っています。世界のリーダー的な役割を自認していたはずのアメリカが「変化」してきていると同誌は述べています。国際的なテーマに敏感な人は、この特集を読んでおく必要があるでしょう。

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第1位
■週刊ダイヤモンド■ <<<  のさばる外国人投資家の実態

「暴走!日本株 ボロ儲けしたのは誰だ」
 今週の『週刊ダイヤモンド』は扇情的なタイトルで、狙いがはっきりしていて読みたくなる。
 現在、日本の株式市場は世界的に見て最も乱高下が激しい市場となっている。株価の振幅は新興国よりも激しく、世界最悪の乱高下を記録する日も珍しくない。この原因を作り出し、ボロ儲けしているのが"外国人投資家"である。彼らの日本株保有比率は3割を超え、売買シェアは6割を超える。彼らが注目するのは米国経済指標やウクライナ危機などの日本国外の要因。いま日本の株式市場には、国内の「企業業績や経済のファンダメンタルズに着目し、長期的視点で投資する投資家が決定的に不足し」、外国人投資家の"草狩り場"と化しているのだ。
 外国人投資家の核的な存在はグローバルマクロ型ヘッジファンド。ソロスファンドなどが有名だ。主に株式指数の先物を大量に売買することで先物主導の相場を作り出している。それを見て株式指数等を売買する裁定業者(インデックスアーブ)が裁定解消に動き、そこに提灯が連なるようにして短期で売り買いする個人投資家やその他ヘッジファンドが動く。さらに超高速で注文を繰り返すHFTや、テキストマイニングという言語解析による予測システム等までもが持ち出される。国内の投資家は長年にわたる株安や、人材不足によって資金を運用するノウハウが蓄積されないために非常に保守的になっており、このことも外国人投資家をのさばらせている一つの要因にもなっている。特にサラリーマン機関投資家の罪は大きい。
 この問題に対して、個人投資家がとれる対抗策は短期ではなく中長期投資を行なうことしかない。本誌は最後のパートで個人投資家の生き残る道をレクチャーする。
 今週の『週刊ダイヤモンド』は第3特集まである。その第3特集 "ジリキノミクス"。国に頼らない地方活性化の事例を追う。


第2位
■日経ビジネス■ <<<  デフレ型ビジネスの余命はあと5年

 今週の『日経ビジネス』が特集「脱デフレで勝つ」において伝えたいことはシンプルだ。それは「企業よ、デフレ体質を脱却せよ!」。
 ここ十数年間のデフレによって日本の企業には大中小を問わずデフレ型の経営モデルが染み付いてしまっている。だがアベノミクスによって景気の好転の予兆が感じられるいま、また、消費増税で消費者が買い控えに走るかもしれないいま、デフレ型の経営モデルには寿命が迫りつつある。脱デフレ型の大きなキーワードは「高付加価値化」である。いままでの薄利多売の商品ではなく、商品一つ一つの価値を高める。「安く売る工夫ではなく、高く売る仕組み」を作り出さなければならない。その「高く売る仕組み」について大まかに7つのパートに分けて詳しく説明している。たとえば製造編では、「付加価値の原点は手作り」と題して英国のダイソン。マーケティング編では、エスプレッソマシンで成功を収めつつあるネスレと熱狂的ファンを持つハーレーダビッドゾン。ほか、山梨の高級スーパー・アマノなど、内外の多彩な企業が紹介される。
 デフレ型ビジネスの余命はあと5年。『日経ビジネス』はそう予測し、最後のパートで"脱デフレ型"のモデルとして山口県の「旭酒造」と東京都の「イコールコンディション」の解説を行っている。これらの企業がデフレ経済の中どのようにして"脱デフレ型"の経営を行ってきたか、これも一つの道しるべとなるだろう。


第3位
■ 週刊エコノミスト■ <<<  米国の影響力が低下して起きたリーダー不在

 安倍首相は就任以来、プーチン大統領と5回も会談を重ね、良好な関係を構築してきた。中東に偏りすぎているエネルギー資源供給を分散させるためだ。しかしソチオリンピックが終わろうとしていたある日、ウクライナで反政権デモ隊と治安部隊の衝突が起こった。その後の展開はみなさんもご存じの通り、クリミアでロシア編入を求める住民投票が行なわれ、ロシアはクリミア編入を決め、ロシア軍はクリミアに駐留を続けている。日本はG7の一員としてロシアへの経済制裁に付き合わざるを得ないし、LNGのロシア依存率を高めようという日本のエネルギー政策も変更必至だ。日本はいままさに地政学リスクと資源問題に直面している。
 今週の『週刊エコノミスト』は、「地政学リスクと資源争奪」という特集で国際情勢の変質と現状を、資源を切り口に解説する。
 米国の影響力が低下するなか、各国・地域の勢力図がじりじりと変わろうとしている。それは不安定化ともいえ、寺島実郎氏は「世界の無極化」、リーダーのいない「Gゼロの世界」と呼ぶ。『週刊エコノミスト』編集部は米国の姿勢を「ひきこもり」と評する。本誌は、ロシアの天然ガス、ウクライナの穀物、モロッコのリン鉱石、中国の水など、いま目の前にある地政学リスクを解説する。潮の変わり目、うまく泳ぎきるしかない。


第4位
■ 週刊東洋経済■ <<<  株投資の秘訣は「勝つ」よりも「負けない」

 期せずして『週刊東洋経済』も今週「株」を特集した。こちらは「いま買える株 買えない株」。NISAをきっかけに株式投資を始めた人など、主に初心者を対象にした株式投資指南書となっている。
 Part1は初心者向けに「下げに強い株」。ここでも「新興国並みに値動きが激しい」日本株でいかに損をしないかに主眼が置かれ、初心者でも安心して買える株がリスト化されている。Part2は中級者向けに「株価が割安の株」、Part3は上級者向けに「リバウンド狙いの株」を発掘する。そして随所で株式投資のプロがアドバイスを繰り広げる。銀座クラブホステス、会社経営者、個人投資家の3つの顔を持つ浅川夏樹さんのアドバイスが、『週刊ダイヤモンド』の特集と重なり説得力があった。曰く「プロと同じ情報を見よう」。「勝つ」よりも「負けない」。そして日経平均もドル建てで把握してトレンドを読むと、売買のタイミングがわかってくるとアドバイスしている。

2014年4月 2日

今週の第1位は『週刊東洋経済』・・・激変!東大生の就活


週刊東洋経済 ... 激変!東大生の就活
日経ビジネス ... アジアファースト さらば、見せかけの「現地化」
週刊エコノミスト ... 鉄道の未来
週刊ダイヤモンド ... 保険を斬る! 後悔しない保険選び

 昔なら考えられなかったような特集が出てきているということは、おそらく時代が構造的に変化しているということなのでしょう。『週刊東洋経済』の特集にそれを感じたのですが、そのテーマは「東大生の就活」です。昔なら黙っていても官僚か、大手優良企業へということなのでしょうが、時代は変わり、今やベンチャーが人気の的なのだとか。実は私もふだん東大生と付き合っていて、彼らに価値観の変化を感じていたので、私にとっても的を射た特集となりました。一読に値します。これが今週の第1位です。
 第2位はこのところ好調の『日経ビジネス』です。編集長が変わって、モデルチェンジも行ない、勢いが出てきた同誌ですが、今度編集長が変わるようで、雑誌は非常に属人的な要素をはらんでいるので、どうなるかが楽しみです。この号は「アジア」を特集に持ってきました。
 第3位は『週刊エコノミスト』です。特集のテーマは「鉄道」。といっても、渋谷や新宿といった大きな街の(鉄道がらみの)大変貌の計画までを取りあげています。渋谷は東京オリンピックが開催される頃にはかなり変化しているようです。
 そして第4位は『週刊ダイヤモンド』です。中身が面白くないわけではないのですが、「保険選び」を扱った特集だと、代り映えしないのが欠点です。

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第1位
■ 週刊東洋経済■ <<<  東大生はベンチャーへと進む

 今週の『週刊東洋経済』がたいへん興味ある特集を組んできた。「激変!東大生の就活」だ。「東大」に象徴させているが、東大をコアとする一橋早慶を含めたとびきり優秀で新しい価値観を持った"新優秀層"の就職先・転職先として、ベンチャーがクローズアップされてきていることをレポートした特集だ。"新優秀層"がいま企業のどこを見ているのかが見える面白い特集となった。
 フツーの多数派東大生は、メガバンクや総合商社を就職先に選ぶ。大学院卒は理系が多いせいか、大手メーカーが上位を占める。しかし、2013年3月卒の東大大学院修了者就職先の5位にソーシャルゲーム大手DeNAがランクインし、16名の東大大学院卒が入社。グリーやサイバーエージェントなどのメガベンチャーや、一般学生では名前も知らないベンチャー企業の名前も就職先として散見されるようになったのだ。
「イケてる先輩がベンチャーに行っていて興味を持った」「バイト先(ベンチャー)で働くうちに『あそこがイケてる』との情報を得た」......彼らはその行動力とアンテナで探し出し、自身の起業も視野に働く先の可能性を探る。特集ラストには「新優秀層だけが知っている成長ベンチャー32」が紹介されている。知る人ぞ知るベンチャーを発掘して学生に紹介する企業・スローガン株式会社がこの3月に調査した最新のものだ。初めて知るベンチャーもたくさんある。ご一読をお勧めする。


第2位
■日経ビジネス■ <<<  地を這うような現地主義こそが成功へのカギ

 東日本大震災直後に編集長となった山川龍雄氏が、今号で次の代にバトンタッチするという。その最後の特集テーマに選んだのがアジア。タイトルは「アジアファースト さらば見せかけの『現地化』」だ。「人口減少が進むこの国において、多くのヒトが幸せを感じる社会を築くには、やはり国内に閉じこもったままでは難しいと思います。この3年間取材を続けるほど、その思いは強まる一方です」と、巻頭の「編集長の視点」に綴っている。
「本誌は提言する。今こそアジアを母国市場と捉え直し、『アジアファースト』とも言うべき事業構造に転換すべきだ。それができなければ、変化の激しい環境に跳ね返される」そんなリードから始まる本特集は、『日経ビジネス』の上海支局が担当した。上海支局があるとは、うらやましい限りだ。
 さて、特集は「地を這うような現地主義」を実践する企業の事例がたくさん掲載されている。特に興味深かったのは、業績が市場平均以上の企業ほど、社内のトップリーダーが新興国に在籍している比率が高いという情報だ。そして、アジアに駐在し、実績を残した人材が社長に上り詰める事例が増えているという。その代表として、ピジョン・山下社長、ナブテスコ・小谷社長、マブチモーター・大越社長、広貫堂・飯田社長の4人へのインタビューが掲載されている。


第3位
■ 週刊エコノミスト■ <<<  東京オリンピック時には変貌する鉄道と街

 今週の『週刊エコノミスト』は近年話題に事欠かない「鉄道」を取り上げている。タイトルは「鉄道の未来」。鉄道の最新事情をレポートしたものだ。
 特集の皮切りは渋谷駅、新宿駅という首都の2大ターミナル駅の大改造についてだ。とくに渋谷駅は「対象となる路線数、事業会社数では今まで例のない大掛かりな改良工事」とのことで、これが完了すると渋谷は大きく変貌する。2020年の東京オリンピック時にはかなり全貌が見えているのでは? どんな表情の街になるのか、興味は尽きない。
 新線計画では、東京・大阪の空港へのアクセス向上ルートが注目を集める。北陸新幹線、リニア中央新幹線と、新幹線に関しても話題に事欠かない。JR九州が昨年運行を開始した豪華列車「ななつ星」の成功で、JR西日本、JR東日本でも同様の列車の企画が立てられているという。車両製造や鉄道のインフラ輸出でも日本のメーカーが存在感を見せている。
 昨年7月の『週刊ダイヤモンド』鉄道特集に続き、「鉄道」特集はやっぱりわくわくして読んでしまう。


第4位
■週刊ダイヤモンド■ <<<  家計の見直しに効く保険のリストラ

 4月1日から消費税が5%から8%へと上がった。先日家人から冬場の電気料金を見せられてちょっとびっくり。知らないってことは気楽だった。家族の通信料金やら各種公共料金を合わせると、かなりえらいこっちゃな金額になっていた。モノの値段もじりじり上昇。まあ、とにかく何かと節約が必要なご時世だ。今週の『週刊ダイヤモンド』は、「大変な時代を乗り切る最も効果的な方法は、家計の中で大きなウエートを占める保険の見直し」とばかりに、「保険を斬る!」と題した特集を組んだ。フィナンシャルプランナーへの相談は、保険の見直しが増えているという。家計負担増に苦しむ30〜50代だけでなく、20代も60代も相談に訪れる。読者層が広い特集でもある。
 プロローグ「保険をリストラせよ!」には、"大負担時代"の「世帯別実質可処分所得の負担増シミュレーション」が表組みされている。ここでしっかりどれだけの負担増になるのか把握したうえで、賢く、そして効果的に保険を見直すノウハウを4パートで伝授する。2013年度は保険商品が様変わりした年でもあったという。そのへんをおさらいしながら、保険のプロが「オススメできる保険」「オススメできない保険」の項で自分が加入している保険をチェックしてみてはいかが?