2014年3月26日

今週の第1位は『日経ビジネス』・・・食卓ルネサンス/ユニクロ大転換

今週の第1位は『日経ビジネス』

日経ビジネス ... 食卓ルネサンス/ユニクロ大転換
週刊エコノミスト ... 景気大失速
週刊ダイヤモンド ... 頼れるクスリ
週刊東洋経済 ... 経済 超入門

 今週目を引いたのはやはり『日経ビジネス』の表紙でした。ユニクロの柳井正会長兼社長の顔に大きく「ユニクロ大転換」と文字が踊っていました。ユニクロがパート、アルバイト1万6000人を正社員化したことを受けて組んだ緊急特集です。一見、例のブラック企業対策だなと思われそうですが、実はその裏に壮大な戦略があると同誌は伝えています。本来の特集である「日本人の食卓の問題」と共にインパクトのある号でした。これが今週の第1位です。
 第2位は先週に続いて『週刊エコノミスト』です。特集のテーマは景気。一言で言えば、消費税増税に加えて、駆け込み需要の反動もあって消費が落ち込み、それをベアなどによる賃金上昇ではカバーできないという構図のようです。政府は楽観し、民間の調査期間は総じて悲観的のようでもあります。詳しくは本誌をご覧下さい。これが第2位。
『週刊ダイヤモンド』の特集はクスリでした。「医療もの」は定番化した企画で、たびたび取りあげられています。昨年の今頃は「目にかかるカネとリスク」という特集でしたが、今回はクスリ全般を取りあげています。それにしても、この種の特集は中身が濃く、ハウツー本よりも取材等の具体性があり優れているのに、なぜそのままにしておくんでしょうかね。
 第4位は『週刊東洋経済』で、これも定番のお勉強ものです。私が編集長になる前の頃ですから今から20年近く前、『週刊ダイヤモンド』でこの種の特集を始めました。それ以来、春になるとこの定番ものが2誌で取りあげられます。というわけで『週刊東洋経済』の「超経済入門」特集は新鮮味の無さで4位となります。わかりやすいし、中身が悪いわけではありません。念のため。

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第1位
■日経ビジネス■ <<<  なぜ家庭料理など作っていたのか!

 今週の『日経ビジネス』の第1特集は「食卓ルネサンス 100兆円市場の新・攻略法」だ。しかし、本来なら第2特集となる後方ページで取り上げられたユニクロが、ニュース性も高く大きな扱いとなった。表紙はユニクロ柳井会長兼社長、そこに「ユニクロ大転換」の大文字がのる。目玉は先頃発表されたばかりの「非正規1万6000人の正社員化」というニュースだ。
 去る3月11日、パシフィコ横浜で行われたファーストリテイリングの巨大会議「FRコンベンション」にて、柳井氏は壇上から「今まで私は数多くの失敗をしてきました」と4100人の参加者に語りかけ、『店長』を主役にした会社から『スタッフ』一人ひとりを主役にした会社に作り替える宣言をした。その戦略と意図を、柳井氏への編集長インタビューも含めてレポートする。
 第1特集「食卓ルネサンス」は、私には強烈だった。Part1「さらば『食卓信仰』」のリードに「家族はできるだけ揃って手作りの食事をした方がいい。日本人が信じてきた食卓の『理想』を、持たないヒトが増えている」とある。正社員で働くお母さんは「もう私は作らない」と宣言し、高齢の男性は宅配弁当の便利さに「なぜ手作りなどしていたのか」と笑顔でこたえる。企業は「極限まで代行」し、味付けまで肩代わりする。出前は深夜2時、デザート1つでも対応し、コンビニやスーパーの一角にはくつろぎ空間が設けられ、買ったものをその場で食べて帰る人も多い。企業からすると、この「食」を巡る100兆円市場の攻略は魅力的だ。母親が一から手作りした料理を囲むなんてことは、これからますます一部の限られた層に与えられた特権......ということになりそうだ。それが本当にいいか悪いかは別にして。


第2位
■ 週刊エコノミスト■ <<<  景気は落ち込みます。当たり前?

 うわあ。大手企業がベア頑張ったり、みんなで触れないように、そうならないようにそっとしてきたのに、『週刊エコノミスト』さん、いきなりドーンとタイトルで「景気大失速」。まるでスポーツ紙の大地震予告みたい。
 消費増税後は失速しますよ。それはそうでしょう。いまや年金暮らしのボリュームゾーンがすごい勢いで調味料や保存食品を箱買いしている。そんなニュースを連日見ていたら「これは反動くるな。景気落ち込むな」と誰もが感じる。しかも、ウクライナも不穏、中国の不良債権がヤバい、そんな海外リスクも重なり、経済は先が読めない嵐の前の静けさ的な状況だ。
 しかし、大手企業、中小企業、生活者、各方面が、安倍自民&日銀が言うようなバラ色の景気回復を信じてきたわけではない。生活防衛をしつつ、多少の失速を飲み込みながら今日も進む。そんな感じだろうか。
 第2特集は「ゼネコン景気の落とし穴」。エコノミスト・リポートでは大麻を解禁した米国コロラド州と海外のトレンドを報告する。


第3位
■週刊ダイヤモンド■ <<< 頼れるクスリは手放せない?

 クスリなんて、カラダに負荷をかけるものだし、飲まないで済むものなら飲まずに済ませたい。が、そういう私も医者から処方された胃のクスリを飲んでいる。うっかり薄着して風邪の症状が出て、週末に総合感冒薬も口にした。飲むだけで苦しい症状がけろっとよくなる場合もあり、そういう経験があると頼れるクスリは手放せない。
 年度替わりの3月ラスト、『週刊ダイヤモンド』はクスリの特集をもってきた。題して「頼れるクスリ」。副題は「病気別 頼れる最新薬リスト&業界のカラクリ」だ。19の病気・症状別に頼れるクスリの最前線をまとめてくれている。がんから糖尿病、痛風、眼疾患、うつ病、そして高血圧、認知症に「痛み」まで。身近なあらゆるカテゴリーが網羅されている感じだ。
 高血圧症治療薬「ディオバン」に関する不正論文問題や、武田薬品「プロブレス」の誇大宣伝、STAP細胞を巡るドタバタもなど、薬品業界の信用を失墜させかねない事件が相次いでいる。製薬業界の裏事情も後半レポートされている。
 野口悠紀雄・早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問が、人気コラム「『超』整理日記」で3週連続ビットコインの可能性について論を展開されている。今週は「ビットコインは地球通過の夢を見るか?」。 


第4位
■ 週刊東洋経済■ <<< 新聞を読まなくても経済誌は

 新学期、新年度を意識した特集をもってきたのは、『週刊東洋経済』だ。タイトルは「経済<超>入門」。要するに、「春だ!経済を学ぼう」ということらしい。就職を意識し始める大学生、新入社員などなど、読者対象はフレッシュだ。「経済がもっとよくわかる 14のテーマ」「誌面講義と図解で旬のテーマを完全理解」と表紙に書かれている。
 14のテーマとは、アベノミクス景気はいつまで続くか/経常赤字になると何がマズいの?/年金の支給開始年齢引き上げは必要なの?/米国経済の復活はホンモノなのか/中国の不良債権はどこまで深刻か/緊迫のウクライナ プーチンはどう出る?/株価今年はなぜ足踏み?/ビットコインが生き残る根拠とは?/雇用・賃金の改善は地域や産業でさまざま/異次元緩和の効果と現実/法人税率引き下げはなぜ必要か?/シェールガス革命で日本にどんなメリットがある?/不安定化する新興国市場いま何が起こっている?/TPPの妥結等の久我世界は巨大FTA時代に、以上。新入社員のみなさん、このぐらいのことを頭に入れておくと経済誌も読みこなせるよ〜。いや、ほんとに。新聞読まない、ネットニュースで十分という若者ほど、経済誌に目を通してほしいものです。