2013年12月25日

今週の第1位は『週刊東洋経済』・・・2014年大展望&2030年未来予測

週刊東洋経済 ... 2014年大展望&2030年未来予測
週刊ダイヤモンド ... 2014→2020総予測
週刊エコノミスト ... 経済大予測2014
日経ビジネス ... 強さの秘密 ドイツ

 さて、今年最後の経済誌です。例年通り、『日経ビジネス』を除いた3誌が合併号で、いわゆる総予測ものを特集に持ってきました。特に『週刊ダイヤモンド』と『週刊東洋経済』は例年通り超ボリュームの特大号で、それぞれダイヤが120ページ、東経が146ページとこの特集だけで1冊分の中身です。まずこの2誌について解説しましょう。どちらも甲乙つけがたい中身で、例年ですと来年の総予測ですが、今年は『週刊東洋経済』が2014年の大展望と2030年の未来予測であるのに対して、『週刊ダイヤモンド』はオリンピックを意識してか2014年から2020年までの予測となりました。どちらがどうというわけではありませんが、視点の面白さとページ数も含めて『週刊東洋経済』に分があるかな、という印象です。そこで第1位は『週刊東洋経済』、第2位が『週刊ダイヤモンド』としました。
 第3位は、どうしようかと考えたのですが、年末ということもあり総予測ものに敬意を表して『週刊エコノミスト』とします。
 さて『日経ビジネス』ですが、特に合併号というわけでもなく普通のボリュームです。これはまず同誌の販売方法に由来しています。いわゆる書店売りをせず(キオスクには置くようになった)予約購読制で売っているからで、だからこういう時期も淡々と雑誌づくりをしている感があります。で、同誌の特集は「ドイツ」です。特に製造業で復活を成し遂げてきたその根源に迫ります。地味ですが、面白い特集ではありますね。

toyo_2013.12.25.jpgdia_2013.12.25.jpgeco_2013.12.25.jpgnikkei_2013.12.25.jpg


第1位
■ 週刊東洋経済■ <<< 来年と2030年を110の予測で迫る

 『週刊ダイヤモンド』はオリンピックを節目とする2020年までを予測をしたが、『週刊東洋経済』はあえてその先の2030年を見据えた。特集は「2014年大展望&2030年未来予測」。
 2020年のさらに先、オリンピックというトピック後の2030年、苦難の未来に希望は見出だせるかという視点を提示し、他誌と差別化を図った形だ。予測項目は、『週刊ダイヤモンド』75個に対し、『週刊東洋経済』110個。ボリュームと項目の多様さでは後者に軍配が上がる。
 人口減少と高齢化、経済のグローバル競争、周辺国との険悪な関係。現在の課題がさらに激しく顕在化しているであろう2030年。人口は1億1000万人、3人に1人が65歳以上の高齢者となる。日本がするべきことは、高齢化のフロントランナーとしてのモデル確立だろう。国内の著名人だけでなく、海外の若手スペシャリストたちにも予測のインタビューを行ない、これが新鮮な視点になている。また、最終章「2030年を読み解く10の論点」の10項目が冷静で面白かった。110個目は「ゲノムが変える医療 病気は『治す』から『防ぐ』へ」だ。
 『週刊ダイヤモンド』と被るトピックも多いが、それこそ皆が注目するポイントである証。読み比べ甲斐があるものだ。予測特集一本で勝負にでただけあり、ボリュームも中身も十分の一冊。13年最後にふさわしい号だった。

第2位
■週刊ダイヤモンド■ <<<  オリンピックまでの日本を予測する

 2013年、最後の『週刊ダイヤモンド』の特集は「2014→2020総予測」となった。1964年の東京オリンピックから約半世紀で勝ち取った、2度目のオリンピック。ここ数年の傾向であれば2014年度分だけ、それで精一杯かのような将来への不安ばかりが募る予測となるところ。しかし、オリンピックという希望もあり、今年は2020年までの総予測で締めくくられる。
 予測は75個。「2020年への道」「産業・企業」「日本経済」「世界経済・国債社会」「政策・社会・暮らし」「カルチャー」の6つのカテゴリーに分けて行なわれる。来年が正念場となるアベノミクス分析から家電批評まで幅広い。
 そして、途中で挟まれるインタビュー記事も読みどころの1つだ。伊藤穣一・MITメディアラボ所長や南場智子・DeNA取締役、堀江貴文氏など多彩な顔ぶれが並んでいる。また、本誌連載中の『銀翼のイカロス』のモチーフであるJALに池井戸潤が訪ねた記事から、加藤嘉一・工藤泰志による日中関係談義と硬軟織り交ぜてある。年末年始にかけてじっくり読みたい。
 『週刊東洋経済』と同じ230ページ前後なのに、なぜか『週刊ダイヤモンド』のほうが分厚い感じ。さもありなん。中央に「The Interviews」週刊ダイヤモンド100周年 経営者発言史という冊子が付録となっていた。本田宗一郎、松下幸之助、中内功(実際の功の字はつくりが刀)、稲盛和夫ほか、誰もが名を知る経営者30人へのインタビューが掲載されている。


第3位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 米緩和縮小で、どうなる世界経済?

 先週、「2014年マーケット総予測」を特集した『週刊エコノミスト』だが、今週は「経済大予測2014」。マーケットから経済という枠組みに変えて、世界経済の来る年を展望した。
 第1部は「世界の潮流」、第2部は「日本経済」、第3部は「世界の構造変化」という3部構成となっている。第1部の「世界の潮流」では、特にQE3にスポットを当て、サマーズ元米財務長官へのインタビューを行なっている。
 12月17日の定例会合で発表された、QE3の縮小開始。「14年3月、早くても1月」という世間の見方を覆し、米ダウ平均株価は一時200ドル以上急上昇する動きを見せた。これは、まさしく潮目。
「皆、緩和縮小を織り込んでいる」との声もあるが、軽んじる事はできない。過去のQE1、QE2のように経済が脆弱な国にとっては危機的な状況を引き起こしてしまう可能性がある。また、新興国へのリスクも然りだ。その中で日本、そして世界がどのように変化するかを第2部、第3部で述べる。
 先週、今週と2週続けての予測特集。特集のページ数が少ないのが難点だが、2冊合わせて読むと他誌の特集同様、読み応えはそれなりにある。
 第2特集は「今年こそ本気で英会話」。特に、拡大するオンライン英語教育市場を扱った。


第4位
■日経ビジネス■ <<<  日本はドイツから学ぶべき

 先月、『日本カー・オブ・ザ・イヤー2013-2014』が発表され、VWの『Golf』が同賞に輝いた。乗り心地の良さに高い環境性能、安全性能が加わりながら手頃な価格である事が受賞理由。そして初の外国車受賞ともなり、VWにとっては記念すべき、日本メーカーにとっては辛酸をなめる結果となった。
 これに象徴されるように、近年ドイツの製造業に勢いがある。その強さの秘密にスポットを当てたのが今週の『日経ビジネス』だ。特集のタイトルはそのものズバリ、「強さの秘密 ドイツ」。VWからひも解いて、ひいては国家としての強さまで言及した。
 この特集でのキーワードは「復活」である。実際、ドイツの製造業は一時期へこんでいた。「ジャスト・イン・タイム」に象徴されるトヨタの生産革新により、コスト競争で後塵を拝していたからだ。
 そこからの逆転劇! トヨタからも吸収し、長い時間と準備を重ねていった。そして、生まれたのが「MQB」。クルマの構造を複数の車種で共有化される仕組みのこと、パーツを組み替えることで多様なクルマを作ることができるのだ。これによるコスト削減、複雑化への対応などの利点は数多く、「ジャスト・イン・タイム」並の革新とも呼ばれている。このイノベーションがVWを復活させたというわけだ。
 つまり、イノベーションを含めたものづくりへの考え方が、好調ドイツの源であり、「強い中小企業」を生む地域に根ざした生産を一例として記事では取りあげる。もちろん、メーカーだけの力で成り立っている訳ではない。しかし人口や国土、GDPなど共通点の多い国として、今度は日本が学ぶ番かもしれない。