2013年10月23日

今週の第1位は『日経ビジネス』・・・相続ショック

日経ビジネス ... 相続ショック
週刊エコノミスト ... 勝ち抜くための経済学
週刊ダイヤモンド ... 頼れる病院ランキング
週刊東洋経済 ... いま知りたい終活

 高齢化が顕著に進んでいるということでしょうか。最近の経済誌が頻繁に「終わり」の特集を組みます。相続、葬式、墓......。うっとうしいと思われてきたこうした言葉に読者が反応するのでしょうね。最近は「終活」とまで言われています。こうした流れが今週の経済誌にも表れています。
『日経ビジネス』の特集は「相続」そして『週刊東洋経済』の特集は「終活」です。また、それとは異なりますが『週刊ダイヤモンド』の「病院」特集も延長線上のテーマですね。
 こうしたなかで、普通と違う視点で特集を組んでいたのが『日経ビジネス』です。それは一言で言うと「負の遺産」。表紙にはムンクの叫びの絵に、いろいろな言葉が散りばめられている。空き家状態の実家、親の借金、埋まらないアパート、隠し子などなど。確かにそんな問題があるよな。という視点の面白さで今週の第1位は『日経ビジネス』です。
さて次に第2位は、となるのですがこれは『週刊エコノミスト』です。テーマは簡単に言うと人に聞けないような今さらのテーマから説き起こしてくれる経済の入門特集です。かなりわかりやすく説明しているのもいいですね。
『週刊ダイヤモンド』の特集「頼れる病院ランキング」は同誌得意のランキングものというだけでなく、いま病院における問題点を取材してボリューム満点の特集です。しかし、定番物ということで新しさに乏しく、3位にしました。
 そして『週刊東洋経済』は冒頭でもご紹介した。「終活」の特集です。相続、生前贈与、葬儀、墓と至れり尽くせりの内容ですが、これも新鮮味に欠けました。

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第1位
■日経ビジネス■ <<<  負の遺産を引き継ぐということ

 今週の『日経ビジネス』表紙は、ムンクの「叫び」。そこに踊るタイトルは「相続ショック」副題は「どうする?あなたを襲う『負の遺産』」。どういうことかと思わせるタイトルだ。
 相続税増税が2015年に迫るなか、各誌「相続」に関する特集はけっこう組んできている。今週の『週刊東洋経済』しかり。『日経ビジネス』も実は2月4日号で「庶民(あなた)が相続税を払う日」と題し、相続税が庶民を直撃する現実を紹介していた。しかし、「この時の特集班には隔靴掻痒の気持ち」があったそうだ。なぜなら「相続の本当の落とし穴は、『数字』で分配できるカネの問題ではなく、カネの相続を終えたその後に展開する『負の遺産』」にあるから。例えば「賃貸用アパート」、「空き家になった田舎の実家」、「共有名義の不動産」、「分散した自社株」、「借金」、「愛人と隠し子」、「兄弟がニート」などなど。編集部はこれらを「負の遺産」と名付け、リスク回避する手法や、心構えをそれぞれ解説する。
 一番の解決策は「親が生前、元気なうちに十分話し合っておくこと」だが、相続の話題は子どもからなかなか切り出しにくいのが現実。山川編集長は「そういえば日経ビジネス読んだ?」なんて言いつつ、この特集を親族で話し合うきっかけにしてくれれば......と、巻頭の「編集長の視点」で提案してくれている。


第2位
■週刊エコノミスト■ <<<  今さらの経済学入門

 今週の『週刊エコノミスト』の特集は「勝ち抜くための経済学」。いやはや、今週は何が始まるんだ、とタイトルを見ていくらか牽制してしまった。しかし、中身はとても平易なものだった。なぜなら、その平易さこそがこの特集の肝だからだ。なにせ表紙が「初心者マーク」です。
 ビジネス書はいつの時代も人気の分野である。名著と呼ばれるものから、新しい切り口まで、千差万別だ。そんななか、最近は基礎から学べるような本が人気だ。そこで本特集は、経済学の基礎の基礎から学び、日本が抱える問題をQ&A形式で答えていく。問いは3パートに分かれているのだが「通説を疑え編」「今さらですが編」「言葉がわからん編」と堅苦しさはできるだけ排除している。
 問いの内容は、「日本の農業は本当に弱いの?」「物価は低い方がいいのになぜインフレ2%を目指すのか」「ミクロ経済学とマクロ経済学の違いは」などなど。経済誌読者でも、正確に答えられるか微妙なラインをついてくる。人によっては、かゆいところに手が届いた特集かもしれない。
 第2特集は「消費増税と社会保障」。消費増税に踏み切った安倍内閣。しかし、誰しもが財源問題に片がついたとは思ってはいない。社会保障の充実と安定はなされるのか、言及する。


第3位
■週刊ダイヤモンド■ <<<  本当に頼れる病院

 今週の『週刊ダイヤモンド』は10月定番特集の「頼れる病院ランキング」だ。「麻放病(まほうびょう)」という言葉をご存知だろうか。麻酔科・放射線科・病理科の頭文字をとった造語で、医療業界用語だ。産婦人科や小児科の医師不足はよく報じられているが、実状は麻・放・病の3科のほうが医師不足は深刻で、こういった黒子的だが重要な医療分野の医師がいることも、病院の信頼度に大きく関わってくる。これらの例も含め今回のランキングは、医療機能と経営状態で実力のある頼れる病院をアンケートと公表データから収集した独自の13指標で評価したものだ。
 総合第1位は横浜市立大学市民総合医療センター。2位、千葉大学病院と東海大学病院、滋賀医科大学病院。医師数や病床数、医療機能も揃えやすい大学病院が強さをみせる。民間病院だと、5位に聖路加国際病院が入った。特集では、「機能で選ぶ病院」「先端医療に強い病院」「救急医療の頼れる病院」の3つのパートからも、症状に合わせた頼れる病院を導き出す。地域別ランキングも役立ちそうだ。
 ところで、「ファミ飲み」という言葉をご存知? 今週号冒頭の「Close Up」でレポートされている「夜明けの来ない居酒屋業態」に出てくる言葉だ。和民などに代表される普通の安飲み系居酒屋が不振だそうだ。最近の若者や女性は、ファミレスやイタリアンでちょこっと飲む。安さだけがウリの居酒屋は、大学生のアルコール離れや粗悪なメニューへの敬遠から、業態転換を迫られているようだ。


第4位
■ 週刊東洋経済■ <<< 入棺体験もある終活セミナー

「終活」なんていう言葉が一般化してきたのも、戦後青春を送った人や戦後生まれの人たちが、老いや死を意識するような年代になってきたからだと思う。豊かな時代に育ち自由を謳歌した彼らは、「人生の最後も自分らしく」後始末するために、元気なうちに可能な限りの準備をしておきたいのだろう。各地で開かれる「終活セミナー」でも60〜70代の受講者が目立つようだ。「エンディングノート」や「遺言書」に、介護への希望や延命措置への考え方、葬儀で使う写真などなど、いろいろこだわりを記録する。終末医療や墓まわりだけではない。財産がある人は「相続」という後始末もある。
 今週の『週刊東洋経済』の特集は「いま知りたい終活」。読者対象を団塊の世代と相続を意識するその子世代に絞った特集だ。第1章は2015年に増税が決まっている相続対策、第2章は「変わる葬儀・墓」、第3章は終活をめぐる世の中の動き全般とでもいうのだろうか、「終活セミナー」や「入棺体験」記事、そして柳田邦男さんへのインタビューと多様だ。
 先週から始まった集中連載「鉄道がおかしい」は、第2回「増え続ける人身事故 自殺はなぜ減らない」。人身事故は近年関東でのみ増加傾向にあり、その6割が自殺だという。ジャーナリスト佐藤裕一氏のデータに基づく記事だ。「明らかに自殺なのに警察が認定してくれないことが増えた」という現場の声を読むと、統計的数字上で自殺者を増やしたくないというお上の意思を感じてしまった。