2013年10月29日

今週の第1位は『週刊ダイヤモンド』・・・【緊急特集】みずほ なぜ過ちを繰り返すのか

今週の第1位は『週刊ダイヤモンド』

週刊ダイヤモンド ... 【緊急特集】みずほ なぜ過ちを繰り返すのか
週刊東洋経済 ... 本当に強い大学
日経ビジネス ... 総点検 消費増税
週刊エコノミスト ... 相続とお金のトラブル

 今週もっともインパクトが強かったのは『週刊ダイヤモンド』でした。緊急特集と題して、世間を騒がせているみずほ銀行の問題を真正面から取りあげています。思えばこの銀行は興銀、富士銀、第一勧銀の3行が合併してできた銀行。それぞれを思い出すと、いろいろな事件が思い浮かびます。富士銀行の赤坂支店での詐欺事件、興銀の尾上縫の事件、そして第一勧銀の総会屋事件は高杉良さんの小説「金融腐食列島」としても取りあげられました。今度は、というわけです。これが今週の第1位です。
 その他の経済誌、今週は地味な企画が多い印象ですが、そのなかでは二番煎じ的ではありますが『週刊東洋経済』の大学特集がボリュームもあり、充実していたと言えるでしょう。海外に通用する人材を輩出できるかどうか、というのが昨今のテーマです。第3位は『日経ビジネス』の消費増税の特集です。まだ多くの人はピンと来ていないようですが、そのインパクトを伝えてくれます。
 そして、第4位は『週刊エコノミスト』の相続特集。ほかの雑誌がやった後でもあり、ちょっとインパクトに欠けるのが残念です。


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第1位
■週刊ダイヤモンド■ <<<  懲りない面々

 銀行内部の不正を扱ったドラマ『半沢直樹』の熱も冷めぬまま、現実社会でも銀行が世間を騒がせている。言わずと知れた、みずほ銀行の暴力団融資問題である。28日には、業務改善計画が提出された。世間を賑わすこの問題を『週刊ダイヤモンド』が見逃すはずがない。今週は"緊急"特集「みずほ なぜ過ちを繰り返すのか」。
 記者会見での発言が二転三転し、問題が問題をよんでいる現在。もともとの話はこうだ。みずほ銀行がグループ傘下のオリコと行っていた提携ローンの顧客に、暴力団が紛れ込んだが、それを放置。さらに虚偽の説明を行なって火に油を注いだ。なぜ、放置したのか。提携ローンの信用性の低下や、利益相反などがあげられる。しかし、これまでにも不祥事を起こしてきたみずほの、根本的な問題は、組織にあるとするのが同誌の主張。
 日本興業銀行・富士銀行・第一勧業銀行の合併によって生まれはみずほ。力を合わせて一つに、とは到底いかず足の引っ張り合いが日常茶飯事。旧行それぞれのトップたちの思惑から、自分より優秀な人材は排して、お気に入りを人選。また派閥による縄張りもでき、溝が生まれていった。こういった体質が、今日に至るまでの不祥事を起こしてきたのだ。
 コンプライアンスが厳しい、地方銀行や国債入札などにも影響しかねない今回の問題。処分という形で、ことを収めようとしているみずほ。その中には、「倍返しだ」と呟きながら退く人もいたかもしれない。
 第2特集はインバウンドをどう惹き付けるかを分析した「激化する観光客争奪」だ。


第2位
■ 週刊東洋経済■ <<<  海外に通用する人材

 また、大学特集。今月はこの類いの特集が多いですなぁ。やってないのは『週刊エコノミスト』くらいか? 今週は『週刊東洋経済』がこの特集を組んだ。タイトルは「本当に強い大学」だ。
 特にスポットを当てているのが、海外でも通用する人材を輩出できるかどうか。『日経ビジネス』10月14日号「世界のトップ大学」と被るところがある。世界大学ランキングで東京大学が23位だが、それに比べてどれほど海外の大学はすごいのか、メリットがあるのか、留学している学生のコメント付きで語られている。
 リベラルアーツ(一般教養)を掲げる米国の大学、TAFE(テイフ)と呼ばれる豪州の職業訓練校、物価が安いためにコストパフォーマンスのよいアジアの大学も紹介されている。読んでいると、海外大学への留学ではなく、入学という選択肢が強く推されるのも頷ける。
 もちろん、海外の大学ばかりではない。世界で通用する日本の大学とはどんな大学か。乾燥地農業開発で実績のある鳥取大学、国際教育プログラム「KUINEP」を行なう京都大学、海外企業への研修を行なう大学もある。
 企業のグローバル化でもそうだが、これからの学生は大変だ。特集では他にも「本当に強い大学総合ランキング TOP300」や、特別付録として「大学四季報」が掲載されている。

第3位
■日経ビジネス■ <<<  消費税の本当のインパクト

 来年4月に8%となる消費税。いろいろ影響が喧伝されているが、実際のところどうなのか。家計にどのくらい直撃するのか? 今週の『日経ビジネス』は「総点検 消費増税」と題した特集を組んだ。日本経済、そして家計に起こりうる変化を考えようというわけだ。
 特集では、色々な変化が説き明かされている。例えば、家計に関係のありそうなところでは--------。まず家計への負担は、月額1万円の増加を考えた方がいい。その際、どのような節約をするべきかを家計再生コンサルタントの横山光昭氏が答える。ポイントは「何を削るか」ではなく「全体から少しずつ」。固定費は削減が長続きするので重要だ。
 また、電子マネーの活用もキーポイントとなってくる。8%になるとキリのよい数字になりにくい。その場合、切り上げるか切り下げるか。企業か消費者のどちらかが割を食うことになる。しかし電子マネーは、1円単位の値上げをスムーズに行なえ、消費者の負担も少ない。電子マネーか現金かで値段が変わる、一物二価の時代は近い。
 では、増税が個人に味方するところはないのか。そこで紹介されているのが個人間取引。まず消費税は、2年前の課税売上高が1000万円を超えると適応される。つまり、個人間取引では超えることも、即時に適応されることもない。また、仲介手数料を省くこともできて、より金額を抑えることができる。こういった点から、個人間取引の気運は高まり、サービス開始する企業も増えてきている。変化を味方につけて、増税をチャンスに変えることも不可能ではないのかしらん。


第4位
■週刊エコノミスト■ <<<  老後のトラブルはお金のトラブル?

 先週は『週刊東洋経済』が「終活」、『日経ビジネス』が「相続トラブル」で、それぞれ相続に関する問題をとりあげた。今週は『週刊エコノミスト』が「相続とお金のトラブル」を特集している。『週刊エコノミスト』は、今年5月にも「不動産と相続」をテーマにしており、相続税増税でこの分野に関心を寄せる層が広がる世相を感じさせる。
『週刊エコノミスト』の今週の特集は、「相続」だけにフォーカスしたものではなく、相続・老後・投資・詐欺の4つにまつわるお金のトラブルの最新事情と対策を紹介するものだ。歳をとってくるといろいろな方向から「気をつけて!」との言葉が飛んでくる。そんな感じの特集。
「投資」のところでは、無登録で海外ファンドを販売していた話題のアブラハム・プライベートバンクの「いつかはゆかし」など海外積み立て投資や仕組み債を解説する。最後は「詐欺」。最新のネットバンキング詐欺「ウェブインジェクション」なる新たな手口の日本上陸を知らせるほか、詐欺する側の名簿収集についてなどの覆面座談会がちょっと興味深い。「(騙されやすいのは)欲の皮が突っ張っている人。2回も3回も騙される。騙す側はそのような人に被せる(何度もアプローチする)」のだそうですよ。

2013年10月23日

今週の第1位は『日経ビジネス』・・・相続ショック

日経ビジネス ... 相続ショック
週刊エコノミスト ... 勝ち抜くための経済学
週刊ダイヤモンド ... 頼れる病院ランキング
週刊東洋経済 ... いま知りたい終活

 高齢化が顕著に進んでいるということでしょうか。最近の経済誌が頻繁に「終わり」の特集を組みます。相続、葬式、墓......。うっとうしいと思われてきたこうした言葉に読者が反応するのでしょうね。最近は「終活」とまで言われています。こうした流れが今週の経済誌にも表れています。
『日経ビジネス』の特集は「相続」そして『週刊東洋経済』の特集は「終活」です。また、それとは異なりますが『週刊ダイヤモンド』の「病院」特集も延長線上のテーマですね。
 こうしたなかで、普通と違う視点で特集を組んでいたのが『日経ビジネス』です。それは一言で言うと「負の遺産」。表紙にはムンクの叫びの絵に、いろいろな言葉が散りばめられている。空き家状態の実家、親の借金、埋まらないアパート、隠し子などなど。確かにそんな問題があるよな。という視点の面白さで今週の第1位は『日経ビジネス』です。
さて次に第2位は、となるのですがこれは『週刊エコノミスト』です。テーマは簡単に言うと人に聞けないような今さらのテーマから説き起こしてくれる経済の入門特集です。かなりわかりやすく説明しているのもいいですね。
『週刊ダイヤモンド』の特集「頼れる病院ランキング」は同誌得意のランキングものというだけでなく、いま病院における問題点を取材してボリューム満点の特集です。しかし、定番物ということで新しさに乏しく、3位にしました。
 そして『週刊東洋経済』は冒頭でもご紹介した。「終活」の特集です。相続、生前贈与、葬儀、墓と至れり尽くせりの内容ですが、これも新鮮味に欠けました。

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第1位
■日経ビジネス■ <<<  負の遺産を引き継ぐということ

 今週の『日経ビジネス』表紙は、ムンクの「叫び」。そこに踊るタイトルは「相続ショック」副題は「どうする?あなたを襲う『負の遺産』」。どういうことかと思わせるタイトルだ。
 相続税増税が2015年に迫るなか、各誌「相続」に関する特集はけっこう組んできている。今週の『週刊東洋経済』しかり。『日経ビジネス』も実は2月4日号で「庶民(あなた)が相続税を払う日」と題し、相続税が庶民を直撃する現実を紹介していた。しかし、「この時の特集班には隔靴掻痒の気持ち」があったそうだ。なぜなら「相続の本当の落とし穴は、『数字』で分配できるカネの問題ではなく、カネの相続を終えたその後に展開する『負の遺産』」にあるから。例えば「賃貸用アパート」、「空き家になった田舎の実家」、「共有名義の不動産」、「分散した自社株」、「借金」、「愛人と隠し子」、「兄弟がニート」などなど。編集部はこれらを「負の遺産」と名付け、リスク回避する手法や、心構えをそれぞれ解説する。
 一番の解決策は「親が生前、元気なうちに十分話し合っておくこと」だが、相続の話題は子どもからなかなか切り出しにくいのが現実。山川編集長は「そういえば日経ビジネス読んだ?」なんて言いつつ、この特集を親族で話し合うきっかけにしてくれれば......と、巻頭の「編集長の視点」で提案してくれている。


第2位
■週刊エコノミスト■ <<<  今さらの経済学入門

 今週の『週刊エコノミスト』の特集は「勝ち抜くための経済学」。いやはや、今週は何が始まるんだ、とタイトルを見ていくらか牽制してしまった。しかし、中身はとても平易なものだった。なぜなら、その平易さこそがこの特集の肝だからだ。なにせ表紙が「初心者マーク」です。
 ビジネス書はいつの時代も人気の分野である。名著と呼ばれるものから、新しい切り口まで、千差万別だ。そんななか、最近は基礎から学べるような本が人気だ。そこで本特集は、経済学の基礎の基礎から学び、日本が抱える問題をQ&A形式で答えていく。問いは3パートに分かれているのだが「通説を疑え編」「今さらですが編」「言葉がわからん編」と堅苦しさはできるだけ排除している。
 問いの内容は、「日本の農業は本当に弱いの?」「物価は低い方がいいのになぜインフレ2%を目指すのか」「ミクロ経済学とマクロ経済学の違いは」などなど。経済誌読者でも、正確に答えられるか微妙なラインをついてくる。人によっては、かゆいところに手が届いた特集かもしれない。
 第2特集は「消費増税と社会保障」。消費増税に踏み切った安倍内閣。しかし、誰しもが財源問題に片がついたとは思ってはいない。社会保障の充実と安定はなされるのか、言及する。


第3位
■週刊ダイヤモンド■ <<<  本当に頼れる病院

 今週の『週刊ダイヤモンド』は10月定番特集の「頼れる病院ランキング」だ。「麻放病(まほうびょう)」という言葉をご存知だろうか。麻酔科・放射線科・病理科の頭文字をとった造語で、医療業界用語だ。産婦人科や小児科の医師不足はよく報じられているが、実状は麻・放・病の3科のほうが医師不足は深刻で、こういった黒子的だが重要な医療分野の医師がいることも、病院の信頼度に大きく関わってくる。これらの例も含め今回のランキングは、医療機能と経営状態で実力のある頼れる病院をアンケートと公表データから収集した独自の13指標で評価したものだ。
 総合第1位は横浜市立大学市民総合医療センター。2位、千葉大学病院と東海大学病院、滋賀医科大学病院。医師数や病床数、医療機能も揃えやすい大学病院が強さをみせる。民間病院だと、5位に聖路加国際病院が入った。特集では、「機能で選ぶ病院」「先端医療に強い病院」「救急医療の頼れる病院」の3つのパートからも、症状に合わせた頼れる病院を導き出す。地域別ランキングも役立ちそうだ。
 ところで、「ファミ飲み」という言葉をご存知? 今週号冒頭の「Close Up」でレポートされている「夜明けの来ない居酒屋業態」に出てくる言葉だ。和民などに代表される普通の安飲み系居酒屋が不振だそうだ。最近の若者や女性は、ファミレスやイタリアンでちょこっと飲む。安さだけがウリの居酒屋は、大学生のアルコール離れや粗悪なメニューへの敬遠から、業態転換を迫られているようだ。


第4位
■ 週刊東洋経済■ <<< 入棺体験もある終活セミナー

「終活」なんていう言葉が一般化してきたのも、戦後青春を送った人や戦後生まれの人たちが、老いや死を意識するような年代になってきたからだと思う。豊かな時代に育ち自由を謳歌した彼らは、「人生の最後も自分らしく」後始末するために、元気なうちに可能な限りの準備をしておきたいのだろう。各地で開かれる「終活セミナー」でも60〜70代の受講者が目立つようだ。「エンディングノート」や「遺言書」に、介護への希望や延命措置への考え方、葬儀で使う写真などなど、いろいろこだわりを記録する。終末医療や墓まわりだけではない。財産がある人は「相続」という後始末もある。
 今週の『週刊東洋経済』の特集は「いま知りたい終活」。読者対象を団塊の世代と相続を意識するその子世代に絞った特集だ。第1章は2015年に増税が決まっている相続対策、第2章は「変わる葬儀・墓」、第3章は終活をめぐる世の中の動き全般とでもいうのだろうか、「終活セミナー」や「入棺体験」記事、そして柳田邦男さんへのインタビューと多様だ。
 先週から始まった集中連載「鉄道がおかしい」は、第2回「増え続ける人身事故 自殺はなぜ減らない」。人身事故は近年関東でのみ増加傾向にあり、その6割が自殺だという。ジャーナリスト佐藤裕一氏のデータに基づく記事だ。「明らかに自殺なのに警察が認定してくれないことが増えた」という現場の声を読むと、統計的数字上で自殺者を増やしたくないというお上の意思を感じてしまった。

2013年10月16日

今週の第1位は『日経ビジネス』・・・世界のトップ大学

日経ビジネス ... 世界のトップ大学
週刊ダイヤモンド ... 日本国債のタブー
週刊エコノミスト ... 宗教と経済2013
週刊東洋経済 ... おもてなしで稼ぐ

 今週の『日経ビジネス』の特集は日本の大学の世界での位置づけの問題を取りあげました。つい最近も発表されましたが、日本のトップである東京大学でさえ、世界では32位で、200位以内に入っているのはごく僅かという現状から、日本の大学のあり方を検証するといった企画でした。これが今週の第1位です。
 次に面白かったのは「国債」を取りあげた『週刊ダイヤモンド』です。暴落の危機などと取りあげられるのはよくある話ですが、それを「なぜ暴落しないのか」という観点で、その仕組みや背景を丁寧に解説しています。これが第2位。
 そして第3位は『週刊エコノミスト』です。特集のテーマは「宗教」について。ビジネスがグローバル化するに連れて日本企業も無関係で入られなくなってきているこの問題を正面から取り上げました。第4位『週刊東洋経済』の特集も面白かったのですが、ちょっとインパクトにかける気がしました。そのテーマとは「おもてなし」です。外国人観光客を呼び込むために、現在、旅館やホテル。観光施設などでどんな取組みがなされているかを細かな取材でレポートしています。惜しむらくはもうちょっと盛り上がっているところで組んでほしかったですね。

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第1位
■日経ビジネス■ <<<  日本のトップ大学は世界32位

 日本でナンバーワンの最高学府と言えば東京大学。しかし、世界大学ランキング(クアクアレリ・シモンズ調査)で見ると(日本の大学ではトップだが)32位(別のランキングでは23位)だ。一昨年が25位、昨年が30位に位置している。ここ数年はアジア圏でも他国の進出が著しく香港大学(24位)、シンガポール国立大学(26位)とアジア圏でもトップであり続けられなくなっている。
 果たしてこれで日本の大学はよいのか? 大丈夫なのか? 今週の『日経ビジネス』は「世界のトップ大学」サブタイトルに< 「東大」は生き残れるのか>と冠している。
 特集は東京大学の濱田純一総長のインタビューから始まる。「今の東大は、学生の潜在力を十分に引き出せていない」―― 危機感のある言葉で語られるのは、東大を含めた日本の大学の実状だ。日本語の壁、学期制度と問題点が語られる。そして、これらは多様性の阻害にも繋がっている。
 では、どのようにすればよいのか?
 記事「目指せ、世界基準」では日本の有名大学の取り組みが取り上げられる一方、経営者の視点として岩瀬大輔・ライフネット生命保険社長COOからの提言も述べられる。
 しかし、制度面だけで片付けられれば話はもっと速いはずだ。社会的な風潮にも問題がある。同誌のアンケート調査では、社会人の4割が「勉強しなかった」と回答するデータが挙げられている。もちろん各大学も改革に取り組んでいるのだが、海外の名門大学に入学した大学生の声は厳しい。
「日本の大学では今以上の英語レベルの授業は受けられない」、「就活を優先するのは理解に苦しみます」など痛いところをついてくる。日本教育の停滞は、確実に学生流失を進めている。また特集では、無料ネット講義配信「MOOC」を取り上げ、マイケル・サンデル教授が直々にその可能性について語る。


第2位
■週刊ダイヤモンド■ <<<  国債の仕組みが破綻する時

 常に暴落がうわさされるが、事は起きずに済んでいる日本国債。しかし、そこで安心してはならない。そこには、知られざる大きなからくりが存在するからだ。今週の『週刊ダイヤモンド』の特集は「日本国債のタブー」。国債を丁寧に解説しながら、国債のタブーにメスを入れる。
 なぜ、国債は大暴落しないのか。特集では大きく2つを挙げる。1つ目は、談合体質である。財務省、日本銀行、メガバンクが蜜月関係を続けているからだ。国債市場のヒエラルキーでは、財務省がトップ、メガバンクが続き、生保・ゆうちょ・年金、地銀、信金、証券会社という順になる。そのため、国債が行き渡る順番、量が違い「市場」とは名ばかりの談合体制となっているのだ。これは、買い入れ時にも同じように作用する。
 2つ目は、入札至上主義。もし、完全な市場にすれば短期的には不安定だが、長期的には安定する。しかし、安定消化を最優先としたがために、入札の失敗が許されざるものになった。それは、入札さえ行なわれれば流通市場で暴落しても構わないと言わんばかり。こういったムラ社会の掟が日本の国債市場には存在するのだ。
 そんな掟が、暴落を招きかねないことは重々分かるが、他にも水面下にリスクは存在する。貯蓄率はマイナスに、経常収支は赤字に、海外保有比率は拡大と、金利安定の条件を揺るがすものばかりだ。掟の是正が先か、国債の崩壊が先か。状況は瀬戸際まできている。
 第2特集は「オリンピック便乗交通」。インフラ大改革の可能性を探る。


第3位
■週刊エコノミスト■ <<<  ビジネスと宗教の関連性

 今週の『週刊エコノミスト』の特集は「宗教と経済2013」だ。
 ビジネス社会がグローバル化していく中で、好むと好まざるとに関わらず日本企業は、日本とは違う文化に触れていく。そのなかで違和感を持ち、対応が難しい最たるものが宗教だろう。日本では宗教的知識を要さずともできてしまうことが、グローバル社会ではできない。一歩対応を間違えば大変な事態を巻き起こすことさえある。
 冒頭では「近代資本主義のあり方と日本経済への示唆」と題して、橋爪大三郎(社会学者)、大澤真幸(社会学者)、保坂俊司(比較宗教学者)の3氏が語る。資本主義とはどういった変遷を辿ってきたのか、経済と幸福とは、などのテーマが論じられ、独自の発展をとげた例としてイスラム・中国のシステムを挙げている。そして、日本の経済へと話は続く。
 日本の経済システムを支えてきたものとして政治や法律も挙げられるが、それ以上に大きいのが教育の役割。しかし明治から100年経った今、その教育が機能不全を起こしていると保坂氏は見る。そして、それは宗教性がおろそかになったからだとも。
 特集はその後、さまざまなテーマに言及する。「米国人の宗教観」、「イスラム金融」、「ユダヤ教」などなど。こういったテーマが経済誌で語られることそのものが、ビジネスがグローバル化した証左だろう。
 経済に宗教を持ち込むことを毛嫌いする人は多いし、「ビジネスライク」を求める声もある。しかし、「ビジネスライク」の国たちはしっかりと宗教という土台の下に成り立っている。


第4位
■週刊東洋経済■ <<< お・も・て・な・し、ブーム?

 今週の『週刊東洋経済』はインバウンド(訪日旅行)の大特集。題して「『おもてなし』で稼ぐ」。国別の入国者数ランキングというのがあるが、日本は増えてきたとはいうものの、現在33位。ちなみに観光大国1位フランスは8000万人超、2位米国、3位中国で、国家戦略的にインバウンドに力を入れている韓国は、大健闘の23位だ。
 さて、日本も2003年から政府が「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を繰り広げ、今年、目標の入国者1000万人が見えてきた。2020年東京オリンピックの開催決定もあり、インバウンドの拡大が期待される。そこでどうやってこの成長市場インバウンドを取り込んで儲けるか。日本の「おもてなし」である。
 特集では、現在外国人客に支持されているあらゆるフェーズの宿泊施設やサービス、地域を取り上げ、「おもてなし」成功の秘訣をレポートする。詳しくは本誌ご一読を。日本人が知らない日本があって、結構おもしろい。
 また、インバウンドに成功しつつある長野や、外国人富裕層を狙う京都、ムスリムフレンドリーな空港を標榜する関西国際空港など、各地の戦略も紹介されている。
 第2特集は「鉄道がおかしい」。こちらも読み応えがある。相次ぐJR北海道のトラブル、都市圏で増加する運行遅延。安全で正確なものの代表格だった日本の鉄道に何が起きているのか。

2013年10月 9日

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シリーズ特集:上場企業成長の条件

市場環境が冷えこんでいるからといって、多くの企業にとって上場が一つの節目であることに変わりはない。だが、企業は常に成長を求められる。 上場が通過点とはわかっていても、アクセルをどう踏むかでその後の成長のスピードが決まるのも事実。

現在上場している歴史の新しい企業がどういう戦略を描いてアクセルを踏もうとしているのか追った。


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■著書:株式会社ブイネット・ジャパン
      代表取締役社長 松室 哲生


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【来た!見た!書いた!】 iPhone全盛の陰で失われたもの

中古のウィンドウズフォンは最低金額でも売れない

 米アップルが9月20日に発売した新型スマートフォン「iPhone(アイフォーン)5s」と「同5c」はわずか3日間で計900万台売れたという。日本でもソフトバンク、KDDIに続きNTTドコモがアイフォーンを扱うようになり、世間の携帯電話に関する話題はほとんどアイフォーンばかりだ。
 そんななか私は9月末、ある中古スマートフォンをブックオフに売りに行った。同社が「ケータイなんでも買取キャンペーン」と題して「スマホなら最低3,000円以上」をうたい文句にしていたからだ。
 家の近所のブックオフに出向き、待つこと十数分。「お客様の携帯電話の買取金額は100円です......」。
 「どういうことですか?」と聞くと、3000円以上で買い取るスマホのリストの中に、私が持ち込んだ機種が含まれていないという。「うたい文句に偽りありじゃないですか」という言葉がのどから出そうになったが、単にマニュアル通りに対応している女の子に文句を言うのも大人げないと思い、そのまま買い取ってもらわずに持ち帰った。

4年前の「悪くない」機種の使いにくさ

 私が売ろうとしたのはNTTドコモ向けに東芝が開発した「T-01A」という機種だ。東芝にとってはドコモ向けの初のスマホで発売日は2009年6月。4.1インチの800×480ドットの液晶ディスプレイを備えながらも重さは129グラムという、当時としては軽量で最大級のディスプレイを備えた機種だった。
 4年前のスマホとしては悪くないスペック。だが問題はこの機種の基本ソフト(OS)が、米マイクロソフトが開発したウィンドウズモバイルだったことだ。
 いまスマホといえば、アップルのアイフォーンと、米グーグルが開発したOS、アンドロイドを搭載したソニーの「エクスペリア」などのアンドロイドスマホの2種類しか思い浮かばない人が大半だろう。どちらも「静電容量方式」という指の腹で操作するマルチタッチ方式のタッチパネルを備え、文字を入力するのも、画面を拡大・縮小するのもすべて指でできる。
 T-01Aはどことなく現在のアンドロイドスマホにも似ているが、操作性はかなり違う。搭載するのは「抵抗膜方式」というタッチスクリーンで、先のとがった樹脂製のペンや爪などで操作する。ペンを使って手書きで文字入力したり、絵を描いたりするのには向いているが、マルチタッチが可能な現在のスマホと比べると、正直、使いにくい。


スマホ登場の頃のシェアトップはノキアの51%

 ソフトバンクが日本で初めてのアイフォーン「3G」を発売したのが2008年7月。そしてNTTドコモが日本初のアンドロイド搭載スマホの「HT-03A」を売り始めたのが2009年5月。
 T-01Aが登場した2009年6月は、まだスマホのOS競争が混沌とした状態だったが、あっという間にアイフォーン(iOS)とアンドロイドが席巻。マイクロソフトのウィンドウズモバイルはシェアを落としていき、開発も終わってしまった。そうした経緯を振り返ると、T-01Aがブックオフから「3000円の価値もなし」と見られても仕方がないと思えてくる。
 アイフォーンとそれに続くアンドロイドの席捲の影で姿を消したのはウィンドウズモバイルだけではない。
 米ガートナーの調査によると、2009年第2四半期のスマホのOSのシェアで、ウィンドウズモバイルは9.3%だった。ただこの時点ではiOSも13%、アンドロイドは1.8%に過ぎない。1位は当時、世界最大の携帯電話メーカーだったフィンランドのノキアのスマホに搭載されていた「シンビアン」で、51%を占めていた。

ビジネスマン必須のデバイスも今は昔

 日本ではノキアの携帯電話は大ヒットしたことがないので、あまり知られていないが、アイフォーンの普及以前、「多機能な携帯電話」といえばノキアの独壇場だったのだ。その分、アイフォーンとアンドロイドの登場・普及はノキアにとって深刻な打撃となった。マイクロソフト以上の急激な速度でスマホのシェアを落としたノキアが2011年に手を組んだのが、そのマイクロソフト。マイクロソフトがウィンドウズモバイルの後継OSとして開発した「ウィンドウズフォン」を搭載する、ほとんど唯一の携帯電話メーカーになっている。
 2009年第2四半期のスマホのOSで2位(19%)だったのが、カナダのリサーチ・イン・モーション(RIM、現ブラックベリー)の「ブラックベリー」だ。これもアイフォーン全盛の中で失われようとしているメーカー、機器だ。
 QWERTY配列の小型フルキーボードを搭載した機種が中心で、会社の電子メールやスケジュール、ウェブ閲覧などに簡単にアクセスできる。2000年代後半には「北米で働くビジネスパーソンにとって必須のデバイス」の地位にあったが、今では「まだ使っているの?」と揶揄されるようなところまで落ちぶれてしまった。業績不振で大規模な人員削減に乗り出したほか、業界大手などへの身売りが必至の情勢だ。


ウェアラブル移行の前に、もう一度復権する「技術」

 IT分野ではメーカー、ソフト、サービス会社間の激しい攻防が常だが、5年程度の間でかつての超有力企業だったノキアやブラックベリーが凋落してしまう動きの速さに、改めて驚かざるを得ない。
 だがこうした業界の激しい揺れは、新たな事業や技術革新の好機も生んでいる。現在のスマホの世界は、アイフォーンに代表される静電容量方式のタッチパネルを使った機種が大半を占める。ブラックベリーのようにキーボードで素早く文字を入力できる機種や、ペンで紙のノートのような入力ができるスマホが市場の隅に追いやられている。
 ただキーボードやペンを使いたいユーザーの割合は、現在のこうした少数派機種の割合よりもはるかに高いはずだ。
 「スマホの次は眼鏡や時計の形をしたウェアラブル端末」というのが、スマホ業界の合言葉のようになってはいる。だがウェアラブル端末で、入力はどうするのだろうか。音声入力はこれからも進歩するだろうが、それだけで長い文章をつくれるようになるとは思えない。
 スマホからウェアラブル端末に、利用者のニーズが移行する前に、もう一度、キーボードやペン入力の技術が復権するタイミングがあるような気がする。

(2013年10月9日)

今週の第1位は『週刊エコノミスト』・・・シェール革命とビッグデータ

週刊エコノミスト ... シェール革命とビッグデータ
日経ビジネス ... 「中国失速」の真実
週刊ダイヤモンド ... 大学徹底比較 就職に強い学部・ゼミ・体育会はここだ!
週刊東洋経済 ... 今、始めなきゃ!就活

 今週の経済誌では、『週刊ダイヤモンド』と『週刊東洋経済』の2巨頭の企画が妙にシンクロしていました。その切り口とは大学です。
 ですが、それはさておき今週面白かったのは『週刊エコノミスト』です。特集はシェールガスとビッグデータという関係なさそうな2つのテーマをまとめて成長のエンジンと名づけました。これらの活用が世界で盛んになる時アメリカはさらなる成長を遂げる、というわけです。こういうくくり方は切り口として面白く、これを今週の第1位としました。
 そこで第2位ですが、中国の失速を取りあげた『日経ビジネス』です。中国の失われた10年を分析し、困る中国にこそ日本の商機があると説いています。
 第3位と第4位は冒頭にも書いたように、大学を軸に「就職しやすい大学ランキング」を持ってきた『週刊ダイヤモンド』と、就活そのものにスポットを当て、そこから見えてくる大学の栄枯盛衰をレポートした『週刊東洋経済』の2誌です。どちらがと甲乙つけがたいのですが、視点の新しさで第3位『週刊ダイヤモンド』、第4位を『週刊東洋経済』とします。

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第1位
■ 週刊エコノミスト■ <<<  アメリカを成長させるエンジン

「シェール革命」と「ビッグデータ」。この2つのキーワードが、今週の『週刊エコノミスト』の表紙に並んだ。特集タイトルはそのまんま「シェール革命とビッグデータ」。なんで並列か!? といぶかったが、「米国を再生させる2つの原動力」という副題で納得した。21世紀の米国における「2つの成長エンジン」。そこから今後の米経済・世界経済を予測する内容となっている。
 エネルギー価格の低下により米国内の企業、家計に恩恵をもたらすであろう「シェール革命」。2017年にも世界最大の産油国となることが期待されている。そして「ビッグデータ」。こちらに関わるビジネスは、世界のGDPを15兆ドル押し上げるとも試算されてる。米シンクタンク、マッキンゼー・グローバル・インスティチュートは、この7月に発表したレポートで「7年後には最大で6100億ドルの富を米国にもたらす」と発表した。記事によれば、これは、製造業と小売業のGDPを最大3250億ドル押し上げるとともに、行政サービスやヘルスケアで最大2850億ドルのコスト削減が可能となるからだという。
 また、オバマ政権がかかげる「先進製造業」も注目すべき点だ。シェール革命や3D革命が米国製造業のデメリットを軽減させ、世界的な「地産地消」化へと向かう。この大きなトレンドを日本企業も注視せざるをえないだろう。
 第2特集は「爆走LINEの落とし穴」。日本国内で一強の存在となった「LINE」。しかし、安泰ということはなく常に攻めが求められる。森下亮・LINE社長インタビューも絡めて語られる、次の一手とは!?

第2位
■日経ビジネス■ <<< 中国の失われた10年

 今週の『日経ビジネス』の特集は「『中国失速』の真実」。ここ何年もかまびすしい中国経済失速論だが、「...の真実」とタイトルに入れるのが『日経ビジネス』らしいところだ。一時の勢いはないとはいえ、「それでもなお高度成長の余熱が残っている」。新政権となり、前政権が先送りした諸問題を抱え、綱渡りの国家運営は続くが、日本企業にとって中国との関係はこれまでもこれからも大きなテーマだ。
『日経ビジネス』は、胡錦濤・温家宝政権時代の改革の先送りを「中国版 失われた10年」と命名する。特集は6つのパートで語られるが、まずはこの「失われた10年」の負の側面のレポートから始まる。2つめのタイトルは「だが早期破綻はない」というものだ。中国経済の腰の強さを世銀中国局長などが語る。そして「困る中国こそ商機」へと続く。中国が抱える課題こそ「そのまま日本企業の商機」だ。高齢化や食品安全など、中国政府の重点政策がわかりやすくまとめられ、それはそのまま日本企業の進出拡大の糸口となる。後半は「政治編」「提言・反中感情を捨てよ」「データ編・中国の強さと弱さ」の3つだ。面白い特集だが、後半の切り口3つへの深掘りがないのが残念だ。
 しかし、本誌にも書かれているが、中国経済の余熱を日本企業があてにできるのもあと10年程度。そのタイムリミットのなかで、企業も個人も時流に対応して生き残りをかける。強くなくては生きていけない。でも優しくなければ生きている資格がない、というのもお忘れなく。


第3位
■週刊ダイヤモンド■ <<< 就職の視点で見ると目指すは理系?

 今週は『週刊ダイヤモンド』と『週刊東洋経済』が、テーマでも表紙デザインでもシンクロニシティを起こしている。『週刊ダイヤモンド』表紙にはドでかい「大学」の2文字が。『週刊東洋経済』にはこれまた同様にドでかい「就活」の2文字が、それぞれ黄色地に太い黒文字、同じ書体で並んでいる。兄弟誌みたいです。
 2誌の切り口は、大学の入り口と出口という感じだろうか。『週刊ダイヤモンド』は、「就活から見た大学選び」。『週刊東洋経済』は就活そのものの指南書的な内容だ。もちろん両方とも親と子どもの双方に向けて発信している。
 さて、『週刊ダイヤモンド』だが、「全国638大学2100学部の"本当の就職率"を初公開!」とある。8月に735大学に向けてアンケート調査を行ない、そこから算出した"本当の就職率"をまとめている。詳しくは本誌を。
 総合ランキングは、1位が就活力に定評のある一橋大学。2位、3位が名古屋工業大学、東京薬科大学と理系大が続き、4位に女子大からお茶の水女子大学。5位で東京大学が入るという結果になった。全体的に「理高文低」といった流れが色濃く、積極化した女性雇用と理系的思考ができるとして「理系女(リケジョ)」がにわかにトレンドとなっている。他にも「慶(応)高早(稲田)低」や「名門・中央大法の凋落」など、文系が強い大学がリーマンショック後じわじわ偏差値を下げてきている傾向も描く。あと、就職に強いと定評のある体育会は、ラクロス部がただいま上昇株らしい。


第4位
■週刊東洋経済■ <<<  就職の裏にある学歴フィルター

 『週刊東洋経済』の特集タイトルは「今、始めなきゃ!就活 親子も知らない新常識」。12月1日の就活解禁を前に、就活の「実情」と対応策がレポートされている。
 まずは実情編。ここへきて、就活生たちの危機意識は急速に緩み始めているそうだ。アベノミクスやオリンピック誘致の成功で、雇用環境の好転が期待され、学生たちはそれを敏感に感じ取っているという。しかし、売り手市場化が進んでも油断大敵。就活期間の短期化で企業側がターゲットをしぼるため、上位校と中位校以下の大学間格差がさらに拡大するのだ。これを「学歴フィルター」というそうだ。平等主義が建前のため、人気企業と上位大学間のマッチングは行なわれやすいが、中位以下大学の学生は企業とのマッチングがうまくいっていない。
 B to Cの有名企業に集中し隠れた優良企業に目が向かない現状や、ブラック企業への過剰な恐怖症など、ネット上の噂に降り回される就活親子の実情が描かれる。
 続く実用編。こちらは、東洋経済新報社の『就職四季報』『業界地図』『会社四季報』の活用術指南書......といった趣だ。『就職四季報』のランキングデータを一部先出しし、数値からトレンドを見る。また、『業界地図』も引っ張り出し、業界の景況感を図示する。空気感と数値から今年の就活を分析した本特集、危機意識を持っていない就活生は、そろそろ本腰を上げないとね。
 第2特集は「金正恩の経済学」。新体制から12月ではや2年。経済強国を目指す金正恩体制における経済事情をレポート。

2013年10月 2日

今週の第1位は『日経ビジネス』・・・ビッグデータ 本当の破壊力

日経ビジネス ... ビッグデータ 本当の破壊力
週刊ダイヤモンド ... スマホの次はこれが来る!
週刊東洋経済 ... 株・投信の攻め方 守り方
週刊エコノミスト ... 資産フライト&海外進学

 最近盛んに使われるビッグデータという言葉を本当の意味で理解している人は少ないかもしれません。そんななかで『日経ビジネス』がそのビッグデータを特集に持ってきました。日米最新事例を紹介しつつ、その本当の意味と影響を検証するという特集です。特集の冒頭には「ビッグデータとは?」という解説があり、これ自体がまだまだビジネスマンにはなんとなくしか理解されていない現状を物語っています。でも最初に特集で取りあげた価値はあり、これを今週の1位とします。
 もう一つIT系の企画が『週刊ダイヤモンド』で特集されています。「スマホの次は何か?」というテーマの特集ですが、ま、ビジネスマンの入門書的にはそこそこの中身で、一応第2位にしましたが、ちょっと中身が薄いと言うか、もうちょっと私が先週に書いたように「スマホの急速なガラケー化」のような所から、どうなっていくかを検証してほしかったですね。
 そして第3位は『週刊東洋経済』です。特集のテーマは「株と投信」。オリンピックの東京開催が決まり、株式市場にも明るみが増してきているタイミングでの特集ですが、この種の特集は画期的な記事がない限り、どうしても中途半端の感を拭えません。
 第4位の『週刊エコノミスト』ですが、富裕層資産の海外移転とそれに伴う子どもの海外での教育を取りあげました。同誌は何度かにわたってこの問題を取りあげていますが、実際の現地取材等がないのが他誌と違って残念です。

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第1位
■ 日経ビジネス■ <<<  大きいことはいいことか?

「今後 10 年間で最もセクシーな仕事は、統計学者であると常にみんなに広めている」という言葉を聞いたことはあるだろう。データサイエンティストの将来性についてグーグルのチーフエコノミスト、ハル・ヴァリアンが語った言葉だ。
 しかし、この言葉には続きがある。「And I'm not kidding(冗談抜きでね)」。この言葉が頻繁に使われた2009年から、はや4年。日本でも冗談ではなくなってきている。今週の『日経ビジネス』の特集は「ビッグデータ 本当の破壊力」だ。
 去る7月27日、隅田川花火大会が開始30分で中止になった。周辺の交通機関に観客がなだれ込み、一時麻痺。さながら地獄絵図だった。しかし、実は一部の人たちは、ゲリラ豪雨の情報をいち早くキャッチして対応していた。それは、気象情報会社のウェザーニュースの会員だ。当日朝までに警戒地域を特定し、その地域の会員に空を撮影してもらう。その情報を集め、精度の高い気象予報を発信するのだ。多い日で3万人にもなる情報。「量は質に変わる」ビッグデータの最たる例だ。
 しかし、すべてが好意的に捉えられている訳ではない。7月1日に日立制作所がJR東日本から提供された「Suica」情報を分析し、小売業や広告会社に販売する事業を発表。すると、JR東日本に抗議が殺到した。たとえ法律に反していなくても、メリットがあっても、自分が関連する情報が勝手に売買されることに危機感や不快感を感じる人は多い。ビッグデータの進歩において、このせめぎ合いは絶えず続くだろう。ネット検索だってSNSへの書き込みだって位置情報だって、すでにどこかに蓄積されて、分析・利用されるのを待っているのだ。データ先進国アメリカにおける最先端の実例も紹介されている。


第2位
■週刊ダイヤモンド■ <<<  スマホの次はウェアラブル

 2007年1月にiPhoneが発売されてから、もうすぐ7年。スマホは、あっという間に生活の一部となり、9月10日の5S発売も「驚き」ではなくなった。次の「驚き」を与えてくれる次世代のプロダクトとは一体なんなのだろうか? 『週刊ダイヤモンド』は、今週、「スマホの次はこれが来る!」として次の未来端末を特集した。
「下を向いて、のっぺりとしたガラスの画面をこすって歩く姿が、はたして最終形なのだろうか?」とは、グーグル共同創業者で技術部門担当社長セルゲイ・ブリン氏が今年2月にイベントで語った言葉だ。グーグルは次世代端末として「グーグルグラス」(眼鏡型)、サムスンは「ギャラクシー・ギア」(発表済み・腕時計型)、アップルは「iウォッチ」の開発中だ。いま、主要メーカーは「ウェアラブルコンピュータ」の開発にフォーカスしている。今のところメガネ型・時計型・リストバンド型が世に出ている。すでに商品としても販売されているもの、先進ユーザーのみに試験販売されているものなどがある。グーグルグラスは、「OK glass, google」とつぶやくだけで目の前の景色の上に検索スクリーンが現れ、いま見ているものが検索できる。先進ユーザーとしてすでにグーグルグラスを使うジャーナリスト・石川温氏は「まさにSF映画に出てくる世界観が、グーグルによって一気に現実となってしまった」と言う。そのうちグーグルグラスをかけてパーティーに出る人が増えそう。目の前にいる人が誰かすぐわかるし、記憶もしてくれる。ウェアラブル、ちょっと欲しいかな。
 第2特集は「消費税アップ!家計・景気はどうなる?」。


第3位
■週刊東洋経済■ <<<  「五輪期待株」の買い方

 今週の『週刊東洋経済』の特集は「株・投信の攻め方 守り方」。オリンピック招致成功により、再びわいた株価。うまく波にのれば、アベノミクス第2幕が始まるとの見方もある。しかしながら、第1幕のような全体的な上昇ではなく、個々の成長期待に合わせた上昇が大方の予測。では、第2幕に備えた優良銘柄とはどこか? というのが、この特集の趣旨だ。
 やはり、五輪期待株の存在は外せない。インフラや観光、スポーツに関連する株は手堅い。2020年までの長期の上昇が期待できる。「トップアナリストが今 注目している銘柄」では、「スターマイン・アナリスト・アワード2013」から銘柄選定部門を掲載。記事「株の攻め方 守り方」では、2人のカリスマ投資家に秘訣を聞いた。特集は「投信・海外投資」、「NISA」についてもオススメを伝授する。ご興味がある方はどうぞ。
 第2特集は「激震!派遣法改正」。8月、「専門26業務」の撤廃、派遣期間の変更を盛り込んだ報告書を厚労省の研究会がまとめた。専門26業務中4業務を占めるテレビ業界への影響が叫ばれる。しかしそれ以上に、この改正により派遣が便利屋になってしまう懸念があるという。歴史を振り返りながら、派遣の生きる道を問う。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<<  海外に目を向ける富裕層

「日本にとどまっていては生き残っていけない」−−−そんな危機意識がじわじわと広がっているのだろう。今週の『週刊エコノミスト』は「資産フライト&海外進学」という特集だ。資産編と進学編の2つに分けて、ノウハウ記事を列挙している。これらに関する指摘は『週刊エコノミスト』では、近ごろよく取り上げられていた。7月9日号「東大VS慶応」では進学について、8月27日号「金持ち投資、貧乏投資」では資産について「フライト」状況に言及している。今号は、それを1つにまとめた形だ。
 断っておくが、この動きは今に始まったことではない。所得最上位層は、昔から行なっている。資産フライトはもちろんのこと、子息を幼少の頃から海外の環境で生活させている例は多い。しかし昨今、シンガポールやマレーシアなど身近なアジアにいい教育環境、投資環境が生まれ、日本の国力の低下を懸念し、不動産と教育に関してもリスクヘッジを考える層が拡大しているのだろう。
 資産編では、世界の不動産事情をまとめ、取得ノウハウや税金への注意点などがまとめられる。「海外資産の相続法」なんていう記事もある。進学編は大学留学から親子留学、海外移住まで語られるが、記事のボリュームが少ない!