2013年9月26日

今週の第1位は『週刊東洋経済』・・・物流最終戦争

週刊東洋経済 ... 物流最終戦争
日経ビジネス ... イスラム・パワー
週刊ダイヤモンド ... 離婚・再婚の損得
週刊エコノミスト ... 円安再来の日/日本産ウイスキー

 最近物流が話題です。ネット文化が進み、日常の消費行動のなかでもネットが主要な位置を占めるようになってきたからで、となると、問題はネットで買ったものが「いつ着くか」。物流が注目される所以です。この春には大きな事件があった。それまでアマゾンと組んでいた佐川急便が契約を切り、代わってヤマト運輸が契約を結んだ。こうした最近の物流の最前線の動きを特集で取り上げたのが『週刊東洋経済』です。先週号では『日経ビジネス』が特集していましたが、こちらのほうが、充実していたかな? ということで、今週の第1位です。
 第2位はちょっと変わった特集を組んだ『日経ビジネス』です。テーマは「イスラム」。全世界で16億人超の人口を有する一大パワーの分析です。海外に強い同誌らしく、取材も豊富です。
 先週第1位だった『週刊ダイヤモンド』の今週の特集は離婚と再婚です。何せ日本の離婚率は36%といいます。つまり3人に1人が該当するわけで、これは新たなマーケットを開発したかな? などと思わせる企画です。でも売れるのかな? 
『週刊エコノミスト』は第1特集が円安ですが、それよりも巻末の日本産ウイスキーの特集の方が面白かったのでそれについて書いてみました。


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第1位
■週刊東洋経済■ <<<  ネット社会で最重要課題は物流

 ここのところ物流がテーマになることが多い。先週の『日経ビジネス』第2特集が「物流大激変」。ヤマト運輸とアマゾンを中心に、物流を取り巻く企業の思惑が取りあげられた。今週は、『週刊東洋経済』が「物流最終戦争」と題して第1特集に持ってきた。多少、重複する内容もあるが、こちらの方が丁寧に組み立てられている感はある。
 うごめく物流を知るうえでのキーポイントは3つ。「アマゾン震源の大革命」、「ネット通販の配達戦争」、「世界を巻き込む新潮流」。1つ目の「アマゾン震源の大革命」は、アマゾンと組んだヤマト運輸とそのアマゾンと決別し、中小企業向けのB to B案件に先祖返りした佐川急便の戦略について。2つ目の「ネット通販の配達戦争」は、ネット通販の物流拠点について。アマゾンは勿論のこと、拠点を作り昨年から物流展開を始めた楽天の攻防が中心となって描かれる。
 3つ目の「世界を巻き込む新潮流」は、外資が参入してくるなか、日本の物流業界がどのような変革をしていかなければならないかを実例と共に紹介。海外物流企業に勝てる確率は、楽観的なものではないが、その上で、勝つ方法を探っている。
 第2特集は「激変!コーヒー市場」。利益率から「ドル箱」商材と呼ばれるコーヒー。コンビニにファストフード、飲料メーカーから商社までごった返し、こちらでも戦争が起きていた。


第2位
■ 日経ビジネス■ <<< 世界の25%のパワー

 今週の『日経ビジネス』の特集タイトルは「イスラム・パワー 16億人の知られざる『世界』」。時期もテーマも他誌と一線を画す『日経ビジネス』得意の新鮮味のある特集だ。
 最近、渋谷や銀座、秋葉原でもマレーシアやインドネシアなど東南アジアイスラム圏からの観光客に遭遇する頻度が増している。それもそのはず。1990年には10億人だったイスラム教信者人口は、2010年に16億人に達した。世界人口の約23%を占め、今後も右肩上がりの伸びが予測され、2030年には21億人に増加する見通しだ。TV番組でもムスリムが安心して口にできる認証「ハラール」が紹介され、日本に観光に訪れたムスリム一家の同行取材なども放映されている。この成長するイスラム市場、消費地としても生産拠点としても絶対に無視できない。
 本誌ではイスラム圏の今を紹介し、西のゲートウェイ「トルコ」と東のゲートウェイ「マレーシア」の戦略をレポートする。文化的商習慣的に大きく違う「食」と「金融」を参入障壁ととらえず、商機として生かしていく事例も紹介される。大正製薬は「ハラールマーク」を印字した「リポビタン」を売る。東京海上ホールディングスは「タカフル」と呼ばれるイスラム式の保険を売る。医療品や化粧品など、非食品市場も巨大だ。


第3位
■週刊ダイヤモンド■ <<<  人口の30%が読む特集?

 子供の進学問題も扱えば、医療や老後、株にネット、ありとあらゆるテーマに「経済」という切り口で切り込む経済誌だが、今週の『週刊ダイヤモンド』は「離婚・再婚の損得」がテーマだ。ショルダーには「夫婦で読む! 離婚の現実、失敗しない再婚」とある。データでは、結婚しているカップルの3組に1組が離婚するそうだ。離婚も生活上の基礎知識として「読んどいて!」というテーマになったということだ。
 Part1.「離婚の現実と相場」には、慰謝料データも養育費シミュレーションも弁護士の選び方もいろいろ満載。Part2.で再婚を扱ってるのが「イイネ!」。なぜなら、Part1.を読んでいると、なんだか話題にへこんでしまうんですよね。「次こそ失敗しない再婚」とか、形容詞に「余計なお世話」感が漂うが、再婚時に押さえるべき10のポイントなどかなり現実的な話題でいっぱいだ。
 面白いのはインタビューとコラム。
「女性が男性の収入やリソースを一方的に吸う」日本の夫婦像を、肉食水生昆虫タガメと補食されるカエルに例えた著書『日本の男を喰い尽くすタガメ女の正体』が話題の深尾葉子・大阪大学大学院准教授がインタビューに登場する。「タガメ女」、すごい反響だそうだ。Re婚カウンセラー・鈴木あけみ氏はコラムで「夫を否定し、平気で暴言を吐くダメ妻=プチモンスター妻」なら「浮気は妻の責任!」と言い切る。男性読者が多いせいか、随所に男性へのエールが散りばめられているような気もする。20歳以上年上の俳優・石田純一と結婚した東尾理子ちゃんへのインタビューもあったりして。
 第2特集は「メットライフアリコ 崩壊への足音」。あまり評判が芳しくないメットライフアリコ。"転換"なのか"崩壊"なのか、分析する。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<<  円安と国産ウイスキー

 数ヵ月に1回? 『週刊エコノミスト』は面白い特集をする。しかも、第2特集やエコノミスト・レポートといった立ち位置の記事で。今週がそういう巡り合わせなのか、第2特集は「日本産ウイスキー」。日本ウイスキー史の始まりとも呼べるサントリー山崎蒸溜所の建設着手が、1923年10月1日。それからちょうど90年という年月を読み解く特集だ。
 日本ウイスキー史を語るうえで、欠かせない2人の偉大な男がいる。1人はサントリー創業者の鳥井信治郎、もう1人はニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝だ。甘味ぶどう酒「赤玉ポートワイン」で成功した鳥井は、スコッチに負けない国産ウイスキーを作りたいと考える。長い貯蔵期間などから周囲の猛反対をうけるが押し切り、事業を始めた。その際、招聘したのがグラスゴーで技術と経営を学んだ竹鶴なのだ。しかし、ウイスキーの成功はトントン拍子という訳ではない。第1号は不発に終わり、考えの違いから2人は袂を分かつ。苦難を乗り越えての37年、サントリー「角瓶」でヒットを飛ばすのだ。しかし、その後も安定ではない。戦争に高度経済成長期、酒税改正と浮き沈みを繰り返した。そして、ハイボール人気に繋がる。「ウイスキーが、お好きでしょ」のカバー曲は耳馴染みだろう。かなりはしょってしまったが、特集では丁寧な歴史解説とともに、世界へ展開する日本ウイスキーの姿が描かれる。
 順序が逆になってしまったが、第1特集は「円安再来の日」。QEの継続を表明したことにより、各所で予測の見直しが迫られた。新たな円安期待を探る。

2013年9月18日

【来た!見た!書いた!】過去との対比をすればよく分かる東京五輪の本当の価値

3兆円から150兆円まで、喧しい経済効果への期待

 2020年の夏季オリンピックの開催地が日本の東京に決まった。これからの7年、半世紀ぶりに開かれる五輪で、首都・東京はどんな都市に生まれ変わるのか。そして、そのためにどれほどのカネが投じられるのだろうか。
 人口が増え、高度成長期のまっただなかにあった前回1964年の「昭和の東京五輪」と、成熟期を迎え、国と地方が多額の借金を抱える2020年大会とでは、五輪を巡る経済の状況は大きく異なる。
「やれ3兆円だ、いや150兆円だ」と五輪の経済効果への期待感は強いが、大切なのは「費用を抑えつつ、東京の都市としての機能や魅力を高め、五輪を成功させる」という視点を貫くことだ。
 前回の五輪では、作家の小林信彦氏が「高度成長にともなう東京破壊は東京オリンピックの頃にピークに達した」(『私説東京繁盛記』)と批判する「町殺し」も、一方で進んだ。「新しい東京五輪のために」という名目で進みかねない「都市の破壊」にも、目を向けておかなければならないだろう。
 新しい東京五輪は28の競技を37の会場で行う。うち新設は22会場で、11会場が恒久施設、11会場が仮設のものとなる。新設会場の大半は東京都の臨海部に建設する。東京という成熟した都市インフラを活用し、コンパクトな会場配置で選手本意の大会とする計画だ。

前回は1兆円超、今回は半分以下!?

 東京招致委員会の開催計画によると、施設などの総工費は4554億円。そのうち最大のものは、開閉開式などが行われるメーンスタジアム、新国立競技場。現在の国立霞ヶ丘競技場を解体し、8万人収容の開閉式屋根付きスタジアムとして建て替える。工事費は約1300億円を想定し、国が資金を出す。
 そのほかの競技場施設はほぼ東京都が負担し、大会が終わるとマンションに転用する選手村は民間が開発する計画だ。既に東京都は2006年度から4年間で都税収入から毎年1000億円を基金に積み立て、現在約4100億円の基金を持っている。東京都が負担する施設整備費は1500億円程度になる見通しだ。
 この「総工費4554億円、東京都が負担する施設整備費は1500億円」という数字を、どう見たらいいだろう。筆者はこの数字を見たとき「意外とカネがかからないものだな」という印象を持った。あくまでも計画段階とはいえ、この予算の数字がどれだけのものかは、1964年の東京大会と比較するとよくわかる。
 1964年大会は総事業費が1兆661億円に達し、俗に「1兆円オリンピック」と言われた。1964年度の国の一般会計予算が3兆3405億円だったので、一般会計の3割に相当する額が64年大会に投じられたことになる。2013年度の一般会計総額は92兆6115億円なので、1964年の「1兆円」は現在の30兆円弱に相当することになる。1兆円という64年大会の事業規模の大きさがわかる。


日本を国際舞台に復帰させた前回大会

 1兆円の中身を見ると、さらに64年大会の持っていた性格がさらに強く浮かび上がる。
 競技施設整備などの直接事業費はわずか317億円で、残り97%は関連事業費が占めるからだ(池口小太郎『日本の万国博覧会』)。羽田空港から選手村が設けられた代々木までを結ぶ目的で建設が急がれた「首都高速道路整備」には722億円が投じられた。
 さらに大きいのが鉄道建設。「東海道新幹線建設」には3799億円。地下鉄整備には2328億円が投じられた、道路・街路整備にも1015億円をさいている。
 こうした数字を追っていくと、64年の東京五輪とは「五輪をきっかけに、東京という都市、日本という国を先進国並みにつくりかえることを目的としたもの」だったことがよくわかる。資本の集中投下と、名もなき多くの人たちの努力とが東京五輪を成功させ、日本を第2次世界大戦からわずか19年で国際舞台に復帰させることになった。


64年東京五輪で失ったものの重み

 だがその一方で、こうした急速な都市改造で、東京がなくしたものも少なくない。例えば東京・日本橋の景観だ。徳川家康が1603年(慶長8年)に日本橋川に架けさせ、現在も日本の道路元票がある東京・中央区の日本橋。だが日本橋川の上にふたをするように、首都高速環状線が走るため、その景観は決してよいとはいえない。
 首都高速は、当初から工費と工期を抑えるため、河川と既存の幹線道路の上をフルに活用する計画だった。環状線は日本橋川など江戸期にできた運河の上を主に通っている。64年大会を前に、羽田空港から代々木までの30キロ余りの路線が、基本計画の決定からわずか5年で完成したのは、この河川などの上を有効活用する手法がとられたからだ。
 「工費と工期を抑えるために仕方なかったのか」とも思う半面、上空を遮る無機質な構造物のために魅力を削がれた日本橋や運河を見るたびに「もっと他の方法はなかったのか」と思わずにはいられない。ほかにも江戸時代から続いた「佃の渡し」、五輪開催にともなう羽田空港の拡張などのために東京湾が埋め立てられ、シラウオ漁やアサクサノリの養殖なども消えていった。


当初の2倍以上に増えたロンドン五輪の事業費

 「64年大会のときに比べれば、2020年の東京大会は費用ははるかに抑えられる計画なので、64年大会のような都市の破壊は起こらない」という見方もあるだろう。
 だが東京での五輪開催決定からまだ10日程度しかたっていないのに、「当初1500億円程度と見ていた東京都の施設整備費が、建設資材の高騰などで4100億円余りに増える見通し」(16日のNHKのニュース)、「2020年代の開業を目指していた都心直結線・新東京駅構想を、五輪に間に合わせようと着工を前倒しする可能性が出てきた」(13日の読売新聞朝刊1面)などの動きが出ている。
 2012年のロンドン五輪では、招致活動の段階で競技会場やインフラ整備の費用は5400億円だったが、実際には2倍余りに増えるなど、五輪の事業費は当初計画より膨らみやすいものだ。開催決定の高揚感に乗じて、開発の範囲を広げたり、増やしたりする動きはこれからもあるだろう。
 だからこそ住民は「費用を抑えつつ、東京の都市としての機能や魅力を高める」という冷静な目で、国や都の動きに目を凝らしておきたい。

(2013年9月18日)

今週の第1位は『週刊ダイヤモンド』・・・頼れる銀行 頼れない銀行

週刊ダイヤモンド ... 頼れる銀行 頼れない銀行
日経ビジネス ... 五輪経済 予測30
週刊エコノミスト ... 2013年度下期経済総予測
週刊東洋経済 ... アップル再起動&電子部品サバイバル

 今週は、経済誌各誌が「あやかり」特集を持ってきました。何にあやかったのか?東京オリンピック決定、アップルのiPhone5S発表、そして、驚異的な人気でTVを席巻する半沢直樹シリーズです。
 そのなかで、準備万端整えて充実した特集を組んだのは『週刊ダイヤモンド』です。何せ同誌には、半沢直樹シリーズ第4弾の「銀翼のイカロス」が連載中で、この優位性をフルに活かして「半沢直樹はどこにいる?」というサブタイトルをくっつけて銀行特集を組んだというわけです。付き合いたくない銀行ランキングなど同誌の特色がよく出た内容で、これが今週の第1位です。
 第2位は「オリンピック」にあやかった『日経ビジネス』です。五輪が第4の矢になるという安倍首相の発言を受けて、五輪によって何が変わるか、30の経済予測を持ってきました。でも、本当は第2特集のヤマトとアマゾンを軸にした「物流」特集が面白いのですけれど、ま、合わせ技一本ということで第2位にしました。
 第3位はやはり「オリンピック」にあやかった今年後半の経済予測を掲載した『週刊エコノミスト』です。夏季五輪開催地決定後の株価騰落率を算出したりしていて、それなりに読ませます。
『週刊東洋経済』の特集は「iPhone5S発表」にあやかりました。アップルの今後の動向を分析しながら、日本の部品メーカーがどのような影響を受けるかを特集しています。

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第1位
■週刊ダイヤモンド■ <<<  半沢直樹で売りまくれ

 あざといなぁと思いつつ、でも、売れるだろうなぁ、と手に取ったのは今週の『週刊ダイヤモンド』である。
 今、話題の小説半沢直樹シリーズ最新作『銀翼のイカロス』を掲載する同誌がその「半沢直樹」を特集の随所に絡めてきた。
 で、特集のタイトルは「半沢直樹はどこにいる? 頼れる銀行 頼れない銀行」――。   
 銀行業界を暴きだし、「倍返しだ」と言わんばかりの特集。「付き合いたい銀行・付き合いたくない銀行」や「銀行マンの著しいレベル低下」など、赤裸々なタイトルが並ぶ。銀行に就職が決まった学生は「勝ち組」と評されるだろうが、実はドラマばり、もしかするとそれ以上に過酷な実状が見えてくる。50歳で事実上の定年となるのが、業界での暗黙のルール。同期前後で執行役員がでると、他は出向だ。減点主義から生まれる格差は、年収差1000万円。では業務は、融資や再建といった力強いものなのか?
 そうでもなくなってきた。銀行内では保証付き融資に依存、内部管理の仕事が増え対顧客業務に割ける時間が減った。また企業も、体力をつけるよう心がけるようになり、相互に溝ができた。「メインバンクとして意識が低下している」と言われ、権威は失墜している。「半沢直樹」がウケたのは、時代が彼を求めているからかもしれない。
 特集の冒頭では、著者である池井戸潤のインタビューが掲載されており、新たな層を開拓できる特集かもしれない。第2特集は「冠婚葬祭互助会の危機」。霧が立ちこめる問題の業界をのぞく。


第2位
■ 日経ビジネス■ <<<  五輪で変わることが30もある

 東京五輪の決定後、初の特集は『日経ビジネス』である。
 しかし、同誌をよく読むと、実は第2特集の方がしっかりと作られていて、地味だが面白い「物流」をテーマにしていることが分かる。もちろん週刊誌だから、五輪決定にすぐ対応することも必要。結論から言うとこのダブル特集が内容を充実させた。
 でまず、第1特集のタイトルは「五輪経済 予測30」。予測の第1番は「"第4の矢"登場でアベノミクス加速」。ここでは、竹中平蔵氏の言葉が引用される。
「五輪誘致による直接的な経済効果はそれほど大きくないだろう。しかし、アベノミクスとの相乗効果により、経済成長への追い風となるのは間違いない」と。もてはやされ始めた「アベノリンピクス」はその代名詞となるのか。
 あとは技術面、制度面、ビジネス面などの予測。ま、これはありきたりかな、という感じ。「VIP運ぶのは、自動運転カー」「出生率上昇に期待」「ホテルは新規投資」「我が子をスポーツ選手に」と続く。
 第2特集は前述した「物流大激変」。当日発送、遅くとも翌日発送が当たり前になってきた時代。高水準での物流が、サービスの1つの質にもなっている。そこで王者ヤマト運輸の超即配達の仕組みと、その王者と組んだアマゾンという2強を中心に、業界のうねりを伝える。

第3位
■ 週刊エコノミスト■ <<<  第4の矢があっても難しい日本経済予測

 振り返ると、2013年上半期は異例ずくめとも言える経済状況だった。日銀の異次元緩和からの円安進行。そして株高。米国の緩和縮小宣言。そこに転がり込んだ2020年東京五輪の決定。安倍首相が"第4の矢"と表現するように、過去のデータから見ても五輪は株価の上昇や経済効果も期待できる。しかし、いつもながら日本は大きな問題を抱えている。
 下半期、日本経済はどこへ向かうのか。それを特集したのが今週の『週刊エコノミスト』の「2013年度下期経済総予測」だ。アベノミクスを阻害する各方面に存在するリスクを検証する。
 しかし、アナリストによるマーケット予想で平均株価「1万8000円」という予想と「外国人のアベノミクス離れで1万円」との予想が並び、どのベクトルがどう働くかまるで予測不能。とにかく2020年の五輪開催までの時間をいただいたと思って、企業や業界は底力を示してほしいと思った次第。
 第2特集「汚染水で噴出『東電破綻』説」。安倍首相は、五輪のスピーチで世界に向けて原発問題を説明し、「アンダー・コントロール」と言った。世界に向けて退路を断って解決を約束したわけだ。解決への道をひた走ってほしい。


第4位
■週刊東洋経済■ <<<  アップルと日本の関係

 アップルが9月10日、iPhoneの後継機種を発表。しかし、どうやら市場の期待を超えられるものとは言えなかった。
「アップル最大のミスは、ジョブズを死なせたこと」。ジョークではあるが、いや、真剣にそう思っているアップルファンは多い。今週の『週刊東洋経済』の特集は「アップル再起動&電子部品サバイバル」。アップルの可能性とアップルの部品を担う日本メーカーの生き残り策をレポートした。
 前半は、記事「アップルは巻き返せるか」。中国市場とアップル、ティム・クック体制、ポストスマホ戦略など、6つの疑問符が投げかけられる。1つ希望としてあげられる項目は腕時計型デバイス『iWatch』の存在だ。まだ憶測の域を脱していないが、いまだヒット商品を出せていない分野に、ヒットメーカーが参入するのだから。ティム・クックのアップルとして、真価が問われる商品となるだろう。
 後半は、日本部品メーカーの事例を中心に話が進む。秘匿性の高さとアップル依存の村田製作所。徹底的な差別化と勝ちモデルの変化を行う日東電工。その他、独自戦略を打ち出すメーカーが並ぶ。日進月歩の業界は、勝ち続けることは難しい。いつだって正念場なのだ。
 第2特集は「消費増税」。こちらの世界でも、一つの山場を迎えようとしている。迫りくる決断の時、先行きとその重みを計る。また、『昭和財政史』から国内デフォルトを考える。

2013年9月10日

今週の第1位は『日経ビジネス』・・・スクエア・インパクト

 今週もっとも興味を引いたのは、『日経ビジネス』の「スクエア」の特集でした。と言ってもピンと来ない人がいるかもしれません。なんと、スマホのイヤホンジャックにちょこっとつければカード決済の端末になるという優れもの。手数料は現行のカード会社手数料よりうんと低く、端末は実質0円でコンビニで購入できます。だから、個人商店主でもすぐにカード決済が導入可能になる! 詳しくは本誌を読んでいただきたいのですが、アメリカではこの創始者(実はツイッターの創始者)ジャック・ドーシーをジョブズの再来のように捉えているようです。とにもかくにもこれが今週の第1位です。
 第2位は「起業のヒント」を満載した『週刊東洋経済』で、100の新しいビジネスを取材しています。いわゆる本格的なモノ作りから家事代行サービスまでバラエティに富んだ事業がその会社と共に紹介しています。
 そして第3位はシャドーバンキングの危うさに揺れる中国の危機を取りあげた『週刊エコノミスト』です。このシャドーバンキング、実態がつかみにくいため、恐ろしさのみが増大しているようにも見えますが、そんなことはない! 本当に中国経済を根底からひっくり返すようなインパクトがあります。こちらもぜひご一読を。
 今週の『週刊ダイヤモンド』は年金を特集しました。そのポイントは「年金はどこまで減るか!」。例によって、年齢別、月収別などのシナリオに基づいて将来もらえる年金額をシミュレーションし、その対策も併せて掲載しています。

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第1位
■ 日経ビジネス■ <<<  第2のジョブズ現る

 渋谷に「FabCafe Tokyo」というカフェがある。3Dプリンターなど最先端の工具が並び、ものづくりカフェとして若者に人気がある。そんな時代の先をゆくお店が今年5月に導入したのが「スクエア」の決済サービスだ。2006年米国で生まれた、スマートフォンやタブレットを決済端末として使えるサービスで、年間取扱額は110億ドルを越える。今週の『日経ビジネス』の特集は「スクエア・インパクト」。「スクエア」を中心としたスマホ決済がもたらす変化を描く。
 端末「Squareリーダー」導入の垣根は低い。小さな店舗やメイクアップの出張サービスをする個人、露天のイベント店舗でも導入できる。Squareリーダーはローソンの店頭にて1000円で売られてもいる。購入後に指定口座に返金されるので、初期費用0円、決済手数料は利用金額の3.25%のみ。月額利用料もない。この「誰もが加盟店になれる」決済のキモはセキュリティの確保だが、どうやらGPSを利用したリアルタイム審査を行なっているらしい。加盟の垣根が高い日本のクレジットカード会社や端末会社、NTTデータは、ここでもガラパゴス化の危機に直面しそうだ。
 しかし、この特集の核となるのは米スクエアCEOであり、創業者であるジャック・ドーシーの存在だ。次期ジョブズとの呼び声の高い起業家であり、Twitterの創業者でもある。単独インタビューも掲載されている。そこでは、類似サービスが生まれていることを尋ねられると彼は「魂はコピーされない」と、強く言い切った。そして、「スクエアは単なる決済機能の端末ではない」とも。「わび・さび」といった日本文化や思想を愛するなど、なるほどスティーブ・ジョブズとイメージが重なる。
 ラリー・ペイジ、マーク・ザッカーバーグと並び、米起業家の象徴ともいえるジャック・ドーシー。彼の人間的魅力が伝わってくる特集だ。また、記事でも触れていたが、雑誌『WIRED』がロングインタビューを行なっている。Web版でも読めるので、URLを記す。
 http://wired.jp/2012/12/22/the_many_sides_of_jack_dorsey_vol5/
 第2特集は「伊豆諸島に学ぶ日本再生策」。少子化、資源不足、環境問題と数々の問題を抱える日本。その解決のヒントを伊豆七島の施策に見る。


第2位
■週刊東洋経済■ <<< 起業のヒント、ここにあり!

 2020年、東京オリンピックの開催が決まった。建築、不動産、観光など五輪特需に関連する産業の特集はいずれ4誌それぞれで扱われるだろう。今回は、その他に成長を見せる業界について。『週刊東洋経済』の特集は「新成長ビジネス100」。以前、同誌で「起業100のアイデア」といった特集があったが、構成は同じだ。分野ごとに伸び盛りの企業が紹介される。
 分野は「ものづくりの底力」・「いつまでも健康」・「日本発グローバル」・「子育てママの強い味方」・「脱常識の農業&水産業」・「高くても売れる趣味系」・「観光&地方の活性化」・「新しい働き方」の8つだ。
 どれも時代を感じる事業が多く、いくつか使ったことのあるサービスも。人気ラーメン店を冷凍で宅配する「宅麺.com」を運営するグルメイノベーション。絵本が全ページ試し読みできる絵本ナビ。他にも、イベント写真をネットで買えるサービス「はいチーズ!」を運営する「千」など、ありそうでなかった事業だ。"起業のヒント"的にも使える特集といえる。
 第2特集は「ASEAN 経済統合と日本」。人口6億人の大市場である、ASEAN
。日本企業の進出先であり、技術流出先でもある諸刃の剣だ。大市場に飲まれないための現状を把握できる特集だ。


第3位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 日本のGDPをも押し下げる中国ショック

 中国で深刻度が増しているというシャドーバンキングの問題。実態のつかみにくいシステムであるがゆえに、どのくらい実際の中国経済に影響を及ぼしているのかが分からない。
 この実態を解明すべく今週の『週刊エコノミスト』が特集を組んだ。タイトルは「堕ちる中国」だ。シャドーバンキングは理財商品と信託商品の2種類があり、前者は満期が2週間から半年程度で5%程度の予想運用利回り。個人や企業が対象。後者は1年以上だが、利回り10%程度と高く購入者は大口の個人富裕層だ。邦の指導層の家族も買っているので、まさかのことはあるまいと拡大した。こうして集められた資金は地方債を発行できない地方政府のインフラ開発用投資会社などに融資されている。これらが12年には9000億元(14兆6000億円)もに膨らんでいるという。こうした融資先の投資が行き詰まったら......。空恐ろしいことになるわけだ。この中国ショックによって日本のGDP視聴率が前年同期比でマイナス1.7%まで落ち込むという試算もある。一通り読んでおいて損はない。

第4位
■週刊ダイヤモンド■ <<< 年金は本当のところいくらもらえるのか

 今週の『週刊ダイヤモンド』は「ここまで減る!あなたの年金」。改革先送りで一寸先は暗闇の年金制度を特集する。
 かの標語大好き元首相が「100年安心!」と豪語していた年金制度。豪語されればされるほど、とくに若い世代は、その胡散臭さを本能で察知しているかのように、その後若い世代の節約志向と消費意欲減退が発生したように思う。ま、消費減退の理由はこれだけじゃないが。 
 その年金制度、来月段階的な受給額引き下げの1回目が行なわれ、2015年4月には特例水準が解消されることも決まっている。1999年に適用された特例水準は、"厳しい経済環境下で年金を減らすのは酷"という理由で据え置かれたもので、この解消がやっと始まるにすぎない。政府・厚生労働省はそれでも「年金制度は大丈夫」と繰り返す。そりゃそうだろう。たとえ1円の給付になっても「制度は維持されている」と言える。ただ、国民のほうは年金では生活が維持できないだけだ。「本当にもらえる年金額試算」や「知って得する年金ノウハウ」など、ご興味がある方はどうぞ。
 第2特集は、「音楽会社じゃない!エイベックスの正体」。ここ数年で、音楽からライブ・映像にシフトするエイベックス。周辺ビジネスとさらなる成長を松浦勝人社長が語る。

2013年9月 4日

今週の第1位は『週刊ダイヤモンド』・・・激変! ベストホテル

週刊ダイヤモンド ... 激変! ベストホテル
週刊東洋経済 ... 楽天 VS. Tポイント
週刊エコノミスト ... 「期待」の経済学
日経ビジネス ... 役員報酬の「怪」

 今週は割にどの経済誌も面白かった、というのが第1印象です。ま、こんな僅差の勝負もありますね。
 さて、経済誌の面白さの1つはランキングにあります。どの企業がどの企業よりも(どの点で)優れているか(あるいは劣っているか)が明白になる。つまり企業を見るもう一つの指標です。今週の『週刊ダイヤモンド』はそうした特集の1つ、「ホテルのランキング」を特集しました。もちろんランキングだけではなく、最近の業界の動き、企業の動きをうまく捉えた特集でした。「女性に人気のあるホテルランキング」なんて、きっと当事者は気になるんだろうなぁ。というわけで、これが今週の第1位です。
 次に面白かったのは、『週刊東洋経済』です。ポイントビジネスが大流行りの現在、その2強とも言うべき楽天とTポイントを対比させ、ポイントビジネスに切り込んでいきました。このテーマは実は奥深く、例えば電子決済・電子マネーであるとか、消費者囲い込みのためのIDを利用した派生ビジネスなどにも繋がり、面白いテーマといえるでしょう。
 第3位は『週刊エコノミスト』で、テーマは「期待」の経済学。と言ってもピンと来ない人が多いでしょうが......。そもそも「期待」とは一般的な意味で使われていません。経済学の「期待」はexpectationの訳語で、単なる"予想"という意味。つまり、インフレを期待するのではなく、インフレ予想に働きかけるということなのですね。と言ってもよく分からないか? でも中身は面白かったので。
 そして第4位の『日経ビジネス』ですが、「役員報酬」というこれもちょっと気になるテーマです。日本では日産自動車のカルロス・ゴーン社長の9億8800万円が最高額だそうですが、今や1億円以上のプレーヤーはざら。でもそれは、果たして妥当性があるのか、同誌が分析しています。

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第1位
■週刊ダイヤモンド■ <<< いまホテルが激変だ!

 ホテル業界が明るい。
 とくに東京や大阪のホテルが好調だ。海外からのインバウンド(訪日外国人)が増加し、日本人は円安で海外より国内に旅行をシフトしている。さらに、スカイツリーや歌舞伎座新開業、東京ディズニーランド開業30周年など、ホテルがにぎわうコンテンツがそろった感がある。そこを特集したのが今週の『週刊ダイヤモンド』で、タイトルは「激変! ベストホテル」だ。ハイアットの最高級ブランド「アンダーズ」やこれまたラグジュアリーホテルの代表格「アマンリゾーツ」の2014年東京進出など、1990年代、2000年代半ばに続く「第3次ホテル戦争」の感がある。
 変化しているのは、大手ブランドの高級ホテルだけではないのが「激変!」のゆえんだろう。高級路線と低価格ビジネスホテル路線の中間をいく「宿泊特化型」ホテルのクォリティがどんどん上がっている。Part2.「このホテルが面白い!」にまとめられているが、個室、浴室、ロビーなど、個性的でリーズナブルで宿泊してみたくなるホテルがたくさん紹介されていた。弊誌『CEO社長情報』にもご登場いただいた江戸の粋が感じられる「庭のホテル」も登場していた。
「ベストホテル100」のランキングはどうぞお手に取ってご確認を。年代別や役職別のランキングもあり、楽しめる。
 第2特集は「東芝」。新体制による改革を、田中久雄社長のトップインタビューと共に、解説した。


第2位
■週刊東洋経済■ <<<  大混戦のポイント業界

 この夏、知り合いがポイントで旅行に行ったらしい。その方面にはめっぽう疎く、どういう理屈なのかわからない。塵も積もれば山となるといった話なのだろうが、それほどの効力があるとは思いもしなかった。もはや"ポイント"ではなく、電子マネーなのかもしれない。
 そんなポイント業界を取りあげたのが、今週の『週刊東洋経済』の特集「楽天 VS. Tポイント」。Tポイントを運営するカルチャーコンビニエンスクラブ(CCC)と楽天が天下を取るべく各々大きく動いている。CCCは、得意の提携戦略でこの7月にヤフーと提携。楽天は、高還元率と共通ポイントへの移行でポイント経済圏を広げる。ともに、ネットとリアル店舗といった「O2O(Online to Offline)」サービスでの雌雄を争う。ただし、競合が沢山いるのがこの業界。リクルートにNTTドコモ、そしてアマゾンジャパンなどの圧倒的ユーザー数を抱える企業も侮れない。また、LINE株式会社は「LINE」を販促ツール化した「LINE@」をローンチし「LINEマイレージ」の導入準備もしている。一方、ポイントカードを捨てる企業もある。記事ではスタバ、ユニクロ、ミスドの3社の例があげられる。
 大混戦のポイント業界を伝えた、本特集。「ビジネスパーソンのための最強カード14選!」など日常で使える記事もあり、一読の価値ありだ。
 今号は、第2特集「来ちゃうぞ 2020年 東京五輪」、第3特集「国際化するアメ横商店街」、他にもレポートなど読み応えのある記事が並んだ。


第3位
■ 週刊エコノミスト■ <<<  「期待」に働きかける? 経済学? 

 今週の『週刊エコノミスト』の特集は「『期待』の経済学」。副題は「『期待に働きかける』って何だ?」と、黒田総裁が異次元緩和の際に発した言葉を引用した。その後も、「インフレ期待」など耳にするケースは多いが、その意味をみなが正確に理解していたかというと、怪しいところ。そこで、「期待」という言葉から経済学、特にマクロ経済学をひも解く。
 そもそも「期待」とは一般的な意味で使われていない。経済学の「期待」はexpectationの訳語で、単なる"予想"という意味に過ぎない。つまり、インフレを期待するのではなく、インフレ予想に働きかけるということなのだ。では、その上で、働きかけられているのか? 8月8日の金融政策決定会合後の記者会見で黒田総裁は「人々の経済・物価に対する期待は好転している」と手応えを口にした。
 しかし、この考えに警鐘を鳴らす人物がいる。吉川洋・東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授だ。そもそものマクロ経済学が間違っているとする。一般的なマクロ経済は、「政府・日銀」、「代表的企業」、「代表的個人」と中核を成すものが存在する。しかし、吉川洋教授の考えるマクロ経済は、いくつかの企業や家計が集まったミクロコスモス(小宇宙)が、さらに集まってマクロを成すとする。つまり、「日銀が期待に働きかけようとする経済主体は、存在しない」と考えるのだ。
 特集では、吉川洋教授のインタビューのほか、経済学説史や波及経路、金融政策などから「期待」する。


第4位
■日経ビジネス■ <<<  実績に比例しない役員報酬

 9億8800万円、カルロス・ゴーン日産自動車社長の役員報酬だ。日本一の役員報酬であり、この下には300人の1億越えが名を連ねる。この額の多寡が波紋を呼ぶことは往々にしてある。なぜなら、役員報酬の実態が掴めないからだ。今週の『日経ビジネス』の特集は「役員報酬の『怪』」。役員報酬にまつわる20の怪を照らし出した。
 例えば、実績と報酬に比例するのか? 「ROE」、「連結純損益」、「時価総額増減」の3つ軸で比較をしてみる。すると、分かったことは「全く関係がない」だった。冒頭のゴーン氏の1億円当たりの純利益は347億円だが、永易克典・三菱東京UFJフィナンシャル・グループ取締役(役員報酬1億2800万円)は6661億円にもなる。このように不明瞭であり、言ってしまえばトップの「お手盛り」なのだ。他にも、「外国人は厚遇になる」や「大赤字でも巨額の退職慰労金」など謎は深まるばかりである。本特集では、韓国やアメリカの企業から役員報酬の在り方も考える。信賞必罰の韓国、青天井のアメリカとここでもお国柄がでる。どちらも課題はあるものの、大いに学ぶ点はある。役員報酬が明確になり、「ふさわしいだけの額」と誰しもが思えるようになることが、日本企業に求められているのだ。米ファイザーの株主総会招集通知書には、役員賞与を決める22の評価指標と達成率が一覧表で掲載され、40ページのボリュームだという。対して日本では有価証券報告書にわずか数行の記述という企業が大半。この不明瞭さは海外の投資家から敬遠されかねない。
 第2特集は「ファンドマネー日本回帰」。企業が成長する際、リスク込みで支えるファンド。事業会社のVC参入など、熱を帯びてきた日本市場を切り取る。