2013年5月29日

今週の第1位は『日経ビジネス』・・・現地徹底取材 アフリカ

日経ビジネス ... 現地徹底取材 アフリカ
週刊エコノミスト ... 使える統計学
週刊ダイヤモンド ... 子どもが伸びる!中高一貫校・高校ランキング
週刊東洋経済 ... まだ間に合う!日本株大作戦

 盛り上がりをみせているわけでありませんが、5年に一度日本で開催されるTICAD(アフリカ開発会議)に合わせて『日経ビジネス』が、アフリカ特集を組みました。もっぱら日本の産業が目を向けているのはアジアであり、同誌は先々週も「メコン川流域圏」の特集を組んだばかりですが、今度は「アフリカ」というわけです。でもこの特集は滅法面白かった。なぜなら、知らないことが山のようにレポートされているからです。これは世界にネットワークを持つNIKKEIの強みなのでしょう。これが今週の第1位です。
 続いて面白い特集を組んだのは『週刊エコノミスト』です。テーマは今流行の「統計学」。他誌でも既に特集していますが、同誌はツイッターのつぶやきから独自の景気動向指数を作ろうと筑波大学の山本幹雄研究室と共同で試みました。こういうチャレンジは面白いですね。
 第3位は「中高一貫校ランキング」を掲載した『週刊ダイヤモンド』です。読んでみると、時代はもうそちらの方に大きく流れているのがよくわかります。でも、該当する子どもを持つ親には当たり前のことなんでしょうけれどね。
 第4位は「日本株購入はまだ間に合う!」と、この数日の大幅下げをもろともせず特集した『週刊東洋経済』です。別に連日下げたからと言ってタイミングが悪いというわけではないんですが、でもちょっと損をした感じはありますね。
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第1位
■日経ビジネス■ <<<  アフリカでつけ毛市場を席巻するカネカ

 2週間前の『日経ビジネス』では「メコン」を特集した。そしていつか、「ナイル」なんて特集が組まれるだろうとメルマガで述べたが、そこから2週間で「現地徹底取材 アフリカ」の特集です。人類最後の「10億人フロンティア市場」として胎動するアフリカと、市場を狙う各国各企業を現地取材してレポートしている。ちょうど6月1日から5年に1度のTICAD(アフリカ開発会議)が横浜で開かれることに合わせての特集だろう。
 アフリカというと、直近では日揮社員が犠牲となったアルジェリアの事件があり、アフリカ進出のリスクを際立たせた。しかしながら、10億人という確かな市場がそこには存在する。論より証拠ではないが、アフリカの総人口の6分の1に相当するナイジェリアは2014年にもGDPでアフリカ最大になる。そして数年で、2012年のインド経済の規模を追い抜くという。B to Cで考えれば、メコンではなくアフリカこそが一番の市場なのだ。だからこそ、企業がこぞって参入する。化学品メーカーのカネカは、高品質のつけ毛を売り込む。アフリカ女性にとって一般的なつけ毛に目を付け参入したのだ。驚くべきことに、アフリカ進出は1983年だという。他にもホンダやパイロットなどグローバル企業はすでに動き、成功している。ただし、日本ばかりではない。「新植民地主義」と批判される中国や旧宗主国のフランスなどの投資額には、日本はまだまだ及ばない。そこで特集では「単独では限界がある」とし、連携して攻略することを説く。


第2位
■ 週刊エコノミスト■ <<< ツイッターのつぶやきから景気動向指数を作る!?

「今後10年間で最もセクシーな仕事は統計家である」―― 米グーグル・チーフエコノミストであるハル・ヴァリアンの言葉だ。2009年の発言であるため、あと6年なのかもしれないが、トレンドはまだ続く。そんな統計家という仕事が、ある言葉とともに日本でもやっと馴染みがでてきた。
「ビッグデータ」である。春以降、3/30号『週刊ダイヤモンド』で「最強の武器 統計学」、4/20号『週刊東洋経済』第2特集で「使える!ビッグデータ」と、各誌で「統計学」が矢継ぎ早に取り扱われている。
 特集は基礎的な統計学を説明しつつ、データからアベノミクスなどの問題を予測する。大切なことはどのようにデータを抽出するか。「筑波大、NNTデータと『つぶやき』解析」という記事で、実際に編集部がビッグデータであるTwitterを解析して景気指数づくりに挑戦し、その辺りの検証を試みている。またCPI(消費者物価指数)の癖を見抜くことも1つの統計学である。このように、統計学は日常的なところにもリンクしている学問なのだ。しかし、日本では専門学部や教育機関がない。各々の場面で適宜、教えるといった形をとっている。これは、他国と比べても遅れているおり、例えばシンガポール国立大学ではすでに単独の学部ができている。世界が刻一刻と変化を遂げる中で、学部内カリキュラムを変化させるだけでは対応しきれない。こういったところにも日本の遅れが浮き彫りとなっていた。


第3位
■週刊ダイヤモンド■ <<<  時代は中高一貫校へ

 先週、自社を含めたメディアへ警鐘を鳴らした『週刊ダイヤモンド』。今週は「子どもが伸びる!中高一貫校・高校ランキング」と、前号とは大幅に異なった特集を組んだ。この時期の恒例となった企画である。
「卒業生1人当たりの国公立大学合格力」を軸に高校を評価する。国公立は1人1校1学部しか合格できないため、大学合格者数の単純な比較ではわからない高校の真の実力を分析したランキングだという。今年も中高一貫校が上位を独占。これらの上位校は独自の教育方針や校風も強みとなり、さらに人気を博す。そして、公立高校でもそういったものをつくる風潮が起こり始め、それが結果に繋がってきている。また、特集では塾についても扱う。良い大学に入るには良い中高一貫校へ、良い中高一貫校に入るには良い塾へという流れだ。
 子どもがその時期にある読者層にとっては非常に参考になる特集だろう。人気企画なのも頷ける。しかしながら「教育とは?」なんて大層ではあるが、そんな疑問も浮かんでしまったのも事実。子供へより良い教育を望むのは、親心。数値は真実かもしれないが、多様な視点の1つとして受け止めるのが、ちょうど良いのかもしれない。


第4位
■週刊東洋経済■ <<< まだ間に合う日本株購入!?

 先週末、株価が急激に落ち込んだ。1万6000円目前から急落しつづけ、週明けの27日も下がり1万4142円にまでなった。「5月売りのジンクス」を取りあげつつ、報道は「アベノミクス批判」か「一時的な調整」のどちらかに振れ、奇しくも日頃のスタンスが見え隠れした。
 そんな中、『週刊東洋経済』の特集は「まだ間に合う!日本株大作戦」。つまり、「一時的な調整」派の特集だ。特集では、今までの株価の流れが異常であり、良い調整として捉える。まだまだバブルにはなっておらず、これからも上昇するとする。だから"まだ間に合う"なのだ。記事は今後のスケジュールと株の予測や、注目指標からみた銘柄ランキングなど。『週刊東洋経済』色として『四季報』記者による「気になるあの企業の13年度業績」といった記事もある。
 同誌でちょっと気になったのは、第2特集の「動き出した富裕層」。最近このての特集は各誌が載せているが、今、富裕層は何に投資をし、何を消費するかについては興味があるのだろう。日本では、お金持ちが目立つと叩かれやすいため、積極的に情報が入ってこないので、勢い新鮮な情報となる。不動産や宇宙旅行など"ザ・富裕層"なテーマもあるが、彼らが重点をおくのが「教育」。次世代の育成というある種の投資でもあり、年間学費1000万円でも惜しいなんて思わない。それは、単なる勉強の場ではなく、将来の人脈を作る機会としての考えが強いからだ。富裕層のお知恵拝借...といった切り口にせず、あくまでも「のぞき見」なのがいい。

(2013年5月29日)