2013年5月 7日

今週の第1位は『日経ビジネス』・・・社長の発信力ランキング2013

日経ビジネス ... 社長の発信力ランキング2013
週刊東洋経済 ... 不動産2極化時代
週刊ダイヤモンド ..."仕事消失時代"に生き残るビジネスマン
週刊エコノミスト ... 不動産と相続

 ヘーェ、と思ったのは『日経ビジネス』が今号を合併号にしていることでした。もう連休は終わったというのに。ま、それはともかく、合併号であるからかどうかは分かりませんが、その『日経ビジネス』がいちばん面白かったですね。その特集とは社長の発信力を点数で評価したもの。総合ランキングは実は昨年の調査と変わらず、同じ顔ぶれです。それより面白かったのは、ツイッターにおける発信力ランキングを掲載していること。1位の孫さんは当然と言えば当然ですが、2位の任天堂岩田さん、3位の日本マクドナルドHD原田さんあたりはちょっと意外な感じもしましたが、読んでみればなるほどと思った次第です。これが今週の第1位。
 そして第2位は不動産特集を組んだ『週刊東洋経済』です。勝ち組物件の見分け方と表紙にも書いていますが、上がる物件と下がる物件をきちんと説明し、しかも場所ごとにどれくらい上がる(下がる)かを一覧表にしているところに価値を見ました。
 第3位の『週刊ダイヤモンド』はビジネスマンの生き残り策を特集しました。いろいろな仕事がなくなり、あるいは主婦や機械が代替することで、仕事がなくなっているのです。そのときあなたはどうする? というわけです。
『週刊エコノミスト』は『週刊東洋経済』と同じ不動産特集で、しかも論調は重なる点が多く見られましたが、ボリューム的にやや足りない感じがしたのが難点でした。

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第1位
■日経ビジネス■ <<<  情報を発信する社長の凄さ

『日経ビジネス』の特集は、1年ぶりとなる「社長の発信力ランキング2013」。独自の手法で企業トップの発信力を数値化した特集だ。登場する社長をコミックタッチのイラストレーションで紹介するなど、工夫も凝らしている。4月1日号の「あなたを救う病院ランキング」に続き、日経ビジネス独自の情報がいい。その気になるランキングだが、結論から言えばトップ5は順位の変動はあるものの、昨年と顔ぶれは変わらなかった。上から孫正義、白川方明、柳井正、豊田章男、三木谷浩史と並ぶ。企業名をつけなくてもイメージできる人は多いだろう。
 それより面白いのは、社長という枠にとどまらない「社会性」が発信力に繋がるとして、独自の方法で発信力を高める社長も紹介していることだ。
 その嚆矢が「ニンテンドーダイレクト」で"直接"のコミュニケーションを大切にする任天堂の岩田聡社長。ご本人が「心はゲーマー」と語るように、ゲーマー視点での交流を図るその様を紹介している。また2012年に東証マザーズ上場を果たしたライフネット生命の出口治明社長も、お笑い芸人スギちゃんの恰好をするなどして、仕事を選ばないスタイルで認知度を拡大したとして取りあげている。
 このようにメディアを上手く活用する一方で、逆効果となった企業、メディアに出ない企業も存在する。それぞれを「事故が事件になる瞬間」、「『発信ゼロ』社長の哲学」と題して記事にした。「事故が事件になる瞬間」では、三井化学と日本触媒の爆発事故における対応を比べ、求められる対応を分析。また、日揮のアルジェリア人質拘束事件の際の同社の真摯な対応も写真を使った解説をしながら取りあげた。
「『発信ゼロ』社長の哲学」では、メディアに出ない企業とその理由を紹介しているが、なるほどいろいろな哲学があるものだ。


第2位
■週刊東洋経済■ <<< バブルでも下がる不動産もある

 昨今のアベノミクスがらみで不動産特集が増えている。不動産バブル、お買い得マンションなどがそれだが、今週の『週刊東洋経済』の不動産特集はちょっと、アプローチを変え、特集のタイトルが示すように「不動産2極化時代」にスポットを当てている。高騰する陰には下落するマンションもある。不動産トレンドを探ろうじゃないか、というわけである。
 特集はマンション編とオフィスビル編に分けられているが、2極化はどちらにも起きている。例えば、マンションで顕著なのは、都心への逆流。1980年のバブル景気では、一戸建てマイホームが理想で都心から郊外への勢いが強かったが、しかし、今回のバブルは真逆となった。ベッドタウンの価値が下がり、品川や麻布十番は上がっている。郊外は若年人口が減っているから、さもありなんなのですがね。詳しくは「マンション価格 総まくり500駅」というデータで確認してください。資産価値の比重も、エリアそのものが60%、駅までの距離30%、物件全体の概要5%、各住戸のスペック5%といった内訳で評価される時代だ。しかし、それにしても勝ち組物件を探すのは大変だというのが正直な感想です。
 第2特集は「爆走ヤフーの突破力」。2012年3月に新体制を発表したヤフー。「爆速」をスローガン、役員平均年齢44歳へと数々の刷新を図った。優秀な人材とリソースは集まっていることは言うまでもないだろう。ただ、トレンドとして2番手に甘んじている感も否めない。はたして、ヤフーは「爆速」できるのか。


第3位
■週刊ダイヤモンド■ <<<  仕事が消えてしまった後のミドル

「キャリアプランを考えた上での仕事選び」。終身雇用や年功序列といった従来の労働スタイルが崩壊したせいだろう、就活中の学生と話をすると、この種の言葉が飛び交っている。しかし、仕事を始めるスタート時点で覚悟ができているなら、まだマシだ。
『週刊ダイヤモンド』の特集「"仕事消失時代"に生き残るビジネスマン」は、ミドル世代の受難の状況にスポットを当てている。頑張って働いてきたけれども、変化の波から逃げ切れない。それがミドル世代である。そんな彼らの仕事が消える理由は5つ。
「日本的雇用慣行のひずみ」、「スキルの陳腐化」、「産業構造の変化」、「IT・ロボットの進化」、「グローバル化の加速」。どれもこれもかなり前から指摘されてはきたが、企業の一員としては考えても、自分のこととしては考えてこなかったのがミドル世代というわけである。でも、定年よりも前に、大きな変化が来てしまったのだ。
 特集では「40歳から始めよう キャリアチェンジの心得」を指南する。自分にとっての絶対に譲れない条件とは何か。市場でマネタイズする能力はあるか。培った能力を見誤らないことがキャリアチェンジでは大切となる。自分自身のキャリアシートを作れるように、某社の例を紹介もしている。
 第2特集は「全国で料金値上げ必至! 上下水道が抱える時限爆弾」。料金収益の低下、施設の老朽化など先送りにしてきた問題が、ここでも破裂寸前のところまできている。値上げ危険度ランキングと共に、自治体の動きを伝える。


第4位
■週刊エコノミスト■ <<<  不動産は未体験ゾーンへ

 今週の『週刊エコノミスト』は『週刊東洋経済』と特集が被ってしまった。その特集タイトルは「不動産と相続」。つまり不動産市場の先行きをきちんと読んで、相続にも活かそうという特集である。不動産編に関しては内容、見解ともに『週刊東洋経済』と同じ視点が多々ある。「REITには慎重になるべき」や、「マンションの評価は二分される」など。
 しかし、違うのは『週刊東洋経済』が「ライフスタイル別マンション戦略」など具体例と得意の視覚的データでアプローチしているのに対して『週刊エコノミスト』は、ビッグデータを使った分析や世界不動産マネーの動きなどマクロな視点でひも解いている点。相続編も併せて特集しているのも同誌らしい。8つの「知って得する相続ノウハウ」を中心に据えた、使える節税は一読の価値ありか。手法はタワーマンションから資産移転まで様々。また、一般社団法人「移住・住みかえ支援機構」による、空き家の活用の記事は面白かった。『週刊東洋経済』の特集と併せて読むのも一興だろう。


(2013年5月7日)