2013年4月30日

2013年4月30日

『CEO社長情報』第7号 発刊されました。
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※『CEO社長情報』Vol.7 掲載記事に関する訂正とお詫び 本誌P37に掲載した メーカーズシャツ鎌倉 ( ホームページはこちら:https://www.shirt.co.jp/ ) 写真の説明文に誤りがありました。 以下のように訂正し、関係者の皆さまにお詫び申し上げます。 Vol.jpg

2013年4月24日

今週の週刊経済誌の読みどころ_2013.4.24

今週の第1位は『日経ビジネス』

日経ビジネス ... 「道の駅」が地方を救う
週刊ダイヤモンド ... 親子で選ぶ「老後の住まい」
週刊東洋経済 ... 死んでたまるか!日本の電機
週刊エコノミスト ... 投資大全

 今週はゴールデンウィークの合併号(『日経ビジネス』以外)とあって、各誌それなりに力を入れた格好でした。たとえば『週刊ダイヤモンド』などは84ページを割く巨大特集です。ところが視点と切り口で魅せたのは合併号ではない『日経ビジネス』でした。その特集テーマは「道の駅」。クルマで地方をよく訪れる人でも、東京の人にはあまり馴染みではない。でも、地方では確実に流通として根づいているその様が新鮮かつ、面白かったです。これを今週の第1位にします。
 第2位は大きくページを割き、老後の住まいを特集した『週刊ダイヤモンド』です。目玉は「サ高住」。つまりサービス付き高齢者住宅の全国ランキングです。これは要保存の特集かもしれません。
そして、第3位は日本の電機産業を特集した『週刊東洋経済』です。後半の「電機をダメにしたのは誰か」が面白いし、なるほどと得心させられます。
 そして『週刊エコノミスト』は指定席となった第4位。テーマはズバリ「投資」。「早耳株価材料」とか、「買い時・売り時」という直接的な言葉が、響く人には響く、ということなのでしょうね。

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第1位
■日経ビジネス■ <<< 道の駅は第3の流通

 年5億人、3500億円の市場が田舎にある。それは、「道の駅」。私は「鉄道の駅」がメインのため、なかなか立ち寄る機会はないが、数年前訪れた富士五湖近くの道の駅の活気を特集を読みながら思い出した。今週の『日経ビジネス』は「『道の駅』が地方を救う」と題して、新しい流通のかたちを提示した。
 本誌では、道の駅を"第3の流通"と名付ける。第1はイオンなどの大型ショッピングセンター。第2をセブンイレブンなどのコンビニ。そして、第3の「道の駅」ということだ。といっても、始めから流通として成り立っていた訳ではない。ちょっとした休憩所程度であり、観光資源は皆無であった。しかし、何もない中で確かな商品と人々のやる気はあった。そこで、動きだす。
 特集では、「4つの『ない』を解消」として人・ブランド・情報・リーダーの再生モデル4つを紹介した。福岡県豊前市の道の駅「豊前おこしかけ」では人が来なかった。そこで、生産に関する物語性で固定客作りを行った。名物であるコメやユズを購入する人を対象に、バスツアーを行なった。名物商品も開発し、今では平日の午前中から300人がごった返す。そして、重要なのは9割以上が市外からの来訪者である点だ。地方にとって外貨の獲得は重要であり、豊前市では年間5億円以上にもなっている。
 このように新たな流通として注目されている「道の駅」。そして、流通以上に観光スポットとしての成功が人を離さないのだ。「連休に行きたい『駅』」という記事もあるので、どうぞご参考に。


第2位
■週刊ダイヤモンド■ <<< 本邦初のサービス付き高齢者住宅ランキング

『週刊ダイヤモンド』らしい、読者層をばっちり狙った特集だ。その名も「親子で選ぶ『老後の住まい』」。昨年10月、『週刊東洋経済』では「介護で選ぶ 老後の住まい」として36ページの特集を組んだが、今回の『週刊ダイヤモンド』は80ページ以上の大特集となった。目玉はPart3の「サービス付き高齢者住宅(サ高住)ランキング」だ。全国各都市で現地調査した1218件のサ高住を、都道府県別にランキングしている。まさに本邦初のサ高住ランキング! ゴールデンウィークにはこれを片手に老後の住まい探しに出かけますか?!
 さて、プロローグにはいまある高齢者住宅と在宅サービスがチャート化され、「こんなにあるのか!」と驚かされるが、これが目次ともなっている。続いてPart1は「老人ホームvs.サ高住」。老人ホームとサ高住の違いがしっかりわかる入門編だ。高齢者住宅のピンからキリまでが紹介され、運営事業者大手6社の経営者が一挙に顔を見せて「理念・悩み・今後を語る」(表組)。とんでもケアマネの見分け方や、業界覆面座談会では業界事情やホーム選びのポイントも紹介される。Part2.は「サ高住の選び方」。サ高住はそれぞれさまざまなコンセプトを持っているそうだ。例えばロハス型や終末期型などなど、暮らし方生き方に直結するのがサ高住選びのようだ。それだけに玉石混淆。エピローグでは、この現状と乏しい情報提供力を打破しようとする動きが紹介されている。サ高住業界自らが物件の格付け評価を行なおうというものだ。現在業界団体のプロジェクトとして進められている。有料老人ホームの業界団体も施設評価の公開を検討中という。現在は不透明な問題の多い事業者も多いこの業界。利用者が選びやすい透明度の高い市場へと進化するか?


第3位
■週刊東洋経済■ <<<  電機をダメにした抜てき経営者

 今週の『週刊東洋経済』は「死んでたまるか!日本の電機」。先週の「クルマは日本を救えるか」に引き続き、日本の基幹産業の「いま」にフォーカスする。工場再編や事業譲渡、資産売却など敗戦処理ばかりが目立つ電機業界だが、本当に「日の丸電機は完敗したのか?」を問う特集だ。
 まず、工場の現状と4つの再生の芽を紹介する。前半では、パナソニック、ソニー、シャープ3社の現状と戦略だ。カメラ2強、キャノン&ニコンの展望も語られる。後半の「突破せよ!半導体」では、「半導体工場は将来のゴミ」というセンセーショナルな言葉から始まる。
 そして、ラストには「電機をダメにしたのは誰か?」。「大手電機メーカーOBに話を聞くと、必ず出てくるのが『戦犯は誰なのか』という話題」だという。それは1990年代後半にリーダーシップを取った、いわばマスコミが持ち上げた「スター経営者」たち。共通点は「従来の主流事業が低迷していく中で、傍流出身の社長として華々しくデビューした」抜擢社長たちだ。いまだから言えることだけれど、経済マスコミにも大いに責任のあることだけれど、読ませる2ページだ。
 ニュームーブメントとして、第2特集「TEDってなんだ?」とNEWS & REPORT「ネット業界の新潮流」もご一読を。


第4位
■週刊エコノミスト■ <<< いい投資先はどこかなぁ?

 特集「投資大全」と銘打った『週刊エコノミスト』。アベノミクス、黒田バブルによる良い投資先はどこか? と極めて実質的。4部構成で、1部「どっちが得?」、2部「買い時・売り時」、3部「不動産復活か?」、4部「早耳株価材料」とこれもストレート。まぁ、ストレートならではの良さと言えなくもないが。
 第1部の「どっちが得?」では2通りの答えを用意し、それぞれを深堀する形をとった。例えば「悪いインフレ」では金、「良いインフレ」なら不動産を取りあげる。「良いインフレ」となり不動産需要が高まるのか、不毛の資産で「悪いインフレ」を耐え抜くのか。こういった形で、株vs.為替、ETF vs.投資信託を分析した。
「国策に売りなし」は相場格言だが、どの分野においても異次元金融緩和を後押しする流れがある。「日銀と景気」の記事では、「リフレ・ジュグラー」なる言葉が登場した。10年程度で1周期をもつ中間循環をジュグラー・サイクルと呼ぶが、記事の分析では、2003年3月〜08年1月以来の拡張優勢に入り、17年3月まで続くと解説している。
 また、マクロ視点だけでなく、市場で話題をよんでいる企業を紹介する。「パズドラ」で頂点に立ったガンホー。そして、最近良く話題になるクボタ。TPPにより、さらなる海外展開と稲作用機械の強みが期待される。このように、企業としての成長も国策を後押しする、そんなイメージを抱く特集です。

2013年4月16日

今週の週刊経済誌の読みどころ_2013.4.16

今週の第1位は『日経ビジネス』

日経ビジネス ... それをやったら「ブラック企業」
週刊東洋経済 ... クルマは日本を救えるのか
週刊ダイヤモンド ... 今、買うならこれだ! 得マンション
週刊エコノミスト ... 円安株高

 今週目についたのは、『日経ビジネス』の特集でした。黒い表紙に「笑うセェルスマン」のイラストがドーンと描かれて、タイトルが「それをやったらブラック企業」です。インパクトあるなぁ。中身はともかくこれは表紙の勝ちでしょう。でも中身も悪くはなかったですね。単にブラック企業の要点をあげるだけでなく、今どきの新入社員はどう鍛えればいいかを説明しています。弊社に来ている大学生のアルバイト君の感想は「ゆとり世代は嫌われてるのかなぁ」でした。同誌にはブラックだとも言われるファーストリテイリングの柳井会長兼社長のインタビューが掲載されていて、それに共感を持っていたようです。これが今週の第1位です。
 つぎに紹介するのは『週刊東洋経済』です。特集はクルマです。クルマの世界は円安に1円振れるだけで、利益が大きく異なってきます。その自動車産業が今後どんな手を打ってくるのか、という内容です。これが第2位。
 そして第3位は『週刊ダイヤモンド』です。時々特集に取りあげるお買い得マンション特集ですね。これもアベノミクスによる効果でしょう。恒例のランキングが山ほどあり、一読しておく価値はありそうです。
 そして最後が『週刊エコノミスト』の特集「円安株高」です。黒田新日銀総裁の「異次元緩和」がどんな相場を引き起こすのかレポートしています。

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第1位
■日経ビジネス■ <<<  ブラック企業にならないために

 今週の『日経ビジネス』の特集は「それをやったら『ブラック企業』」。ついに経済誌でブラック企業が特集されるほど、学生の"ブラックアレルギー"が高まっているようだ。「ネットの悪評は企業の想像以上に人材確保に打撃を与えている」(内定塾講師)。まさに「情報パンデミック」。ネットでブラック認定されてから入社希望者が激減して、単独で会社説明会ができなくなった大手旅行代理店もあるというから深刻だ。「ブラック企業大賞」なんていうのも毎年発表され、就活生は注目している。「『ブラック企業』との評判を蔓延させない一番の方法は、そもそもブラック企業にならないこと、と言うしかない」との編集部結論から、「『悪い噂』の元を断つ」ノウハウを掲載している。副題「今どきの若手の鍛え方」とあるように、「ゆとり世代」をどう一人前の会社員に育てるか? つき合うか? が隠れメインテーマであるようだ。
 最近"ブラック企業"と呼ばれつつあるファーストリテイリング柳井正会長兼社長がインタビューに答えている。「『ブラック企業』という言葉は、旧来型の労働環境を守りたい人が作った言葉だと思っています」という柳井氏。しかし、社員と経営側の意識のギャップを埋める施策は着々と打って対策している。私の知人経営者は、「『ブラック企業』認定されるのは考えものだけど、『ブラック社員』も多過ぎますよ」とのこと。匿名でネットにいろいろ書き込む前に、対応策を練って行動できる人ばかりだといいんですけどね。


第2位
■週刊東洋経済■ <<< トヨタは 1円円安で350億円の増益

『週刊東洋経済』も日銀の「異次元緩和」を冒頭6ページでレポート。タイトルは「官製バブル襲来! 日銀超緩和の副作用」だ。経済界に広がる楽観論と悲観論。わが『CEO社長情報』最新号(4月末発行)では、伊藤元重・東大大学院教授が「マインド変化の実現が、アベノミクス成功の最大の鍵」と仰ってます。
 さて、『週刊ダイヤモンド』がマンション、そして『週刊東洋経済』がクルマを特集。なんだか景気のいい国にいるみたいだが、トヨタの場合、円安に触れるのは切実な意味をもち、対ドルで1円円安に振れると350億円の営業増益となるから、まあ仕方がない。
さて、このような状況で『週刊東洋経済』は「クルマは日本を救えるのか」と題して、日本自動車産業の底力を語った。
 トヨタ・ホンダ・富士重工業(スバル)と代表するメーカーを取り上げ、各社の戦略をひもとく。トヨタは、この4月から社内を4つのビジネスユニットに分ける組織改革を。ホンダは、国内での生産効率化と海外拠点での自立化。富士重工業は、「絞る経営」でオンリーワンを目指す。その3社ともに共通することは、海外市場を獲得すること。自動車調査会社IHSは2020年には世界での新車販売が1億750万台と予想している。そして、その内訳では日本を含めた先進国は縮小か横ばいが予想され、これからの主戦場は新興国であることを示す。円安だけに頼らない経営が必要とされるのだ。また、燃料電池車などの次世代技術での競争も要所となる。
 ただ、私の経験ではクルマの特集は売れない。『週刊東洋経済』はどうかは知らないが、『週刊ダイヤモンド』ではそうでした。
 第2特集は「使える!ビッグデータ」。Tポイントカードで集められたデータから個人単位でのマーケティングを行なう――ビッグデータが身近なところで使われている例だ。2ケタペースという成長産業だが、ビッグデータ自体に意味があるのではない。そこから何を抽出するかである。だから同誌もビッグデータの活用法に加えて落とし穴も紹介している。
 その他に、面白いインタビューがいくつかあった。1つ目はジャパネットたかた髙田明社長。2つ目は、坂本圭介CEサバデルオーナー。日本人で初めてスペインのサッカークラブオーナーになった人だ。


第3位
■週刊ダイヤモンド■ <<<  お買い得マンションの質的変化

 まず、今週の『週刊ダイヤモンド』、冒頭に日銀・黒田新総裁による「超弩級」緩和が緊急特集として組まれた。この大胆な緩和の詳細と現時点での市場への衝撃がまとめられている。
 特集のレビューはちょっと筆が進まなかった。アベノミクスバブルに踊る不動産特集だからだろうか。「今、買うならこれだ!」というお得な買いどきマンションの特集。不動産価格が上がってきているタイミングを狙ってなのだろうが、本誌は1ヵ月前に「不動産マネー」を扱っている。その際は、日本不動産を狙う海外投資家を紹介していたが、今回は一般家庭という視点。富裕層→投資家→外国人→ファミリーと、低迷していた不動産取引きが活発化してきた証拠と言えばそれまでだが、あざとい気がするのは私だけだろうか。でも売れるのかもしれませんね。
 その特集だが、「マンション購入のドミノ倒し」という表現をしている。一般人までブームが降りてきたら、たいていプロの仕込みは終わっている。えー!?もうバブルはじける準備!?という気分に襲われた。が、そんな一筋縄のストーリーではいかないのが昨今の経済状況だ。気を取り直そう。
 記事内の優良物件ランキング23区1位は「プラウド南麻布」、2位「Brillia Tower 池袋」。短期間で全戸完売する"瞬間蒸発"物件である。前者はフランス大使館旧館跡地に建つ優雅な物件で24時間スポーツジムも併設、後者は豊島区役所と一体化した建物ゆえの別格の免震性能が期待されている。昔は立地と価格に魅力があればそれだけで売れたという。しかし昨今の"瞬間蒸発"物件には、そこに生活の「質」が加わる。「そのマンションで想定される生活の質も同時に高くなければ購入には至らない」そうだ。収入別や地域別、中古の値上がり物件ベスト200などなど、ランキングが盛りだくさんだ。


第4位
■週刊エコノミスト■ <<< 
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円安株高

『週刊エコノミスト』の特集タイトルは、いつも素っ気ないなぁ。それがいいときもあるんだけれど、今週は「円安株高」だった。「また? このテーマ?」という印象だが、今週は「黒田異次元緩和」(『週刊東洋経済』)「日銀"超弩級"緩和」(『週刊ダイヤモンド』)があったから、タイムリーな特集だ。それより、もう少し興味をひくタイトルはなかったのかなあ。サブタイトル「異次元緩和が牽引する熱狂相場」のほうがキャッチーです。
 内容は、黒田異次元緩和がもたらす円安株高の専門家陣による予測特集。有力ストラテジスト」の予想値は日経平均年内最高値「1ドル=95円定着で1万6000円」。「株ビギナーの投資法」、「外国人投資家の手口」と、最近取引きに参戦した新しい個人投資家に向けた記事も多い。その中でも、中心となるのは「マクロ経済視点で注目銘柄を探せ」。5つの視点から投資対象銘柄をピックアップする。特集の最後は、仮釈放された堀江貴文・元社長が投資を語った。ライブドア株を暴落させたことを反省しつつも、「投資は余裕資金で行なうのが鉄則」と説く。言い訳でも何でもなく、本心だろう。
 他の記事で面白かったのは、「魅力的な統合型リゾートカジノとは」と「鉄の女が果たせなかった夢」。一読しても良いだろう。

【来た!見た!書いた!】「西武鉄道とサーベラスの対立で見えた「人口減少時代の鉄道経営」

西武が秩父に路線を敷いた「思い」

 長年、西武鉄道の沿線に住んできた者として「あれ?」と思ったのは、西武鉄道が3月から女優の吉高由里子さんを起用した「特急レッドアロー号で行く秩父さんぽ旅」と題したテレビCMを流したり、ポスターを貼り始めたりしたことだ。
 CMでは、吉高さんが三峰神社を歩いたり、西武秩父仲見世通りでみそポテトを食べたりしながら「自分で見つけたものは、きっと宝物になる。そう思うんです」とつぶやく。はやりの山ガールや旅好きの女子に訴えそうな内容に「西武も久しぶりに秩父へ力を入れているな」という印象を持った。
 西武鉄道が秩父の武甲山の石灰石を原料とするセメントの輸送と、秩父周辺の観光開発を目的に「西武秩父線」を開業したのは1969年10月のこと。西武池袋線の終点である吾野駅から西武秩父駅までの19キロの路線は、当時としては私鉄最長の正丸トンネル(4811メートル)などトンネル16カ所、橋梁35カ所を含む本格的な山岳路線だ。
 西武はこの路線をわずか2年あまりで完成させた。開通に合わせて、特急専用車両の5000系「レッドアロー」を投入し、池袋と西武秩父の間で全席指定の有料特急の運行を始めた。
 開業日を鉄道記念日(現鉄道の日)の10月14日としたことも含め、当時の西武鉄道がいかに秩父線の開業にかけていたかがわかる。西武は秩父地域一帯を箱根に匹敵する観光地に育てようとしていた。さらに一時は、西武秩父から小鹿野町を通り、西武系のリゾート施設が集中する長野県軽井沢町まで秩父線を延伸する計画もあったという。

ようやく繋がった秩父への路線

 一方、秩父市などにとっても、東京都心に1本の電車で行けるようになる西武秩父線の開通は、大きな出来事だった。
 当時、三峯神社の宮司であった宮沢岩雄は「秩父にとってこれ(西武秩父線開業)は一つの維新ですね。明治維新は黒い船で始まったわけですが、秩父は西武の赤い矢(レッドアロー)で維新が始まったことになります」と1970年発行の西武鉄道の機関誌の中で述べている。
 だがそれからの40数年の西武鉄道の歩みをたどると、西武秩父線を巡る戦略が、当初の思惑通りには進まなかったという印象を受ける。
 長年、秩父観光のネックといわれた西武鉄道と秩父鉄道の接続問題。開業当時は西武秩父駅と秩父鉄道の最寄り駅が離れていて、三峰神社や長瀞などに行くには、乗客が相当な距離を歩かなければならなかった。
 1989年には秩父鉄道との間に連絡線を開設し、池袋から秩父鉄道へ直通する快速急行が運行できるようになった。ただ特急レッドアローの直通運転はいまだに実現していない。

西武秩父線廃止の提案という青天の霹靂

 2004年春の総会屋利益供与事件、秋の有価証券報告書虚偽記載事件を経て、2005~2006年のグループ再編で、西武鉄道はメインバンクであるみずほコーポレート銀行がリードする体制に様変わりした。
 それ以後、秩父の観光について目立った施策はなく、現状維持を続けているように見えた。それだけに3月に始まったテレビCMに、沿線住民として新鮮な驚きを感じたのだ。
 改めて指摘するまでもなく、テレビCMは3月16日に始まった東京急行電鉄東横線と東京メトロ副都心線の相互直通運転がきっかけになっている。直通運転により、両線に加え西武池袋線、東武東上線、みなとみらい線の5線がつながり、横浜方面と埼玉県西部が乗り換えなしで結ばれるようになった。
 横浜方面からは秩父に乗り換えなしで行くことはできないものの、従来よりは格段に便利になった。これを機に、横浜方面からの集客を増やす狙いというわけだ。
 秩父地域にとっても、相互直通運転の開始は、観光を盛り上げるのに久しぶりの好機と映ったはずだ。
 ところが秩父市など西武秩父線の沿線自治体は、相互直通運転開始からわずか1週間後に、今度は「青天の霹靂」に見舞われることになる。西武鉄道を傘下に持つ西武ホールディングス(HD)の筆頭株主である米投資会社のサーベラスが、西武地秩父線などが不採算路線であるとして「廃止」を提案していることが明らかになったからだ。

昔犬猿の仲もいまは手を組む時代

 2011年度の西武秩父線の平均乗降客数は1万229人で10年前の2001年度と比べ18%減っている。赤字なのかどうかはわからないが、秩父線が当初の青写真通りには進まず、むしろ秩父地域の人口減や観光の低迷などから利用者の減少傾向が続いていることが読み取れる。
 西武HD側はこの提案に強く反発。またその後、埼玉県や秩父市など西武鉄道の沿線自治体から路線存続を求める声が強まったこともあり、サーベラス側は、鉄道路線の廃止などは「アイデアのひとつとして示したが提案はしていない。今後もするつもりはない」と主張するようになった。現在、この議論は小康状態になっている。
 ただ明らかなのは、西武鉄道とサーベラスの対立の背景には、人口減少という逃れることのできないトレンドの変化があり、これまでは人口が増え続けてきた首都圏ですら「鉄道の廃線」という問題が現実のものになりつつあることだ。
 思い起こせば、今回の相互直通運転でつながった西武鉄道と東急は、1950年代には伊豆半島での鉄道敷設を巡る「伊豆戦争」を起こすなど、犬猿の仲として知られていた。それが半世紀あまりを経て手を結ぶことになったのは、人口減時代を迎え私鉄同士が争うよりも連携することが得策になったからだ。
 サーベラスも、日本では採算だけで判断すると利用者から手痛い反発を食らうことを、今回の騒動から学んだはずだ。人口減時代の鉄道経営は、鉄道会社間の連携だけでなく、鉄道会社と沿線自治体や利用者との信頼関係の構築が、今まで以上に重要になる。

2013年4月 9日

今週の週刊経済誌の読みどころ_2013.4.09

今週の第1位は『週刊ダイヤモンド』

週刊ダイヤモンド ... 実は強いぞ!日本の農業
週刊東洋経済 ... 良い値上げ 悪い値上げ
日経ビジネス ... インドネシア 覚醒する「未完の大国」
週刊エコノミスト ... 食えない税理士・会計士

 今週は4月に入って気分一新! となったのか、どの雑誌も充実した内容でした。しかもそれぞれのテーマがバラエティに富んでいました。なにせ「農業」「値上げ(インフレ)」「インドネシア」「税理士・会計士」です。これぐらいばらつきがあるといいですね。どれも読んでみたくなります。
 そのなかでタイミングとしても掘り下げ方としても頭一つリードしていたのは『週刊ダイヤモンド』でした。特集のテーマは「農業」。TPP交渉参加に揺れる農業ですが、「実は強い」とスローガンを掲げ、その理由を解説しています。第2特集の「シェールガス革命」と併せて、充実度はいちばんでした。これが今週の第1位。
 第2位はアベノミクスによりインフレが起きることを前提に「値上げ」を特集テーマにもってきた『週刊東洋経済』です。「いい値上げ」とは何かを、消費者と密接に関連する企業の現場の戦略を取材してレポートしています。第2特集の「NPO」やパナソニック津賀社長へのロングインタビューも充実していました。
 同じく、現場での取材を軸に「インドネシア市場」への進出ノウハウを余すところなくレポートしたのが『日経ビジネス』です。これもなかなか読み応えがあって面白かったですね。
 では4位はというと『週刊エコノミスト』でした。でも、誤解のないように言うと、この特集もおもしろかった。「税理士や会計士」と言えば、食べていける資格の最たるものですが、これらの職業がさまざまな環境の変化から危機に瀕している、というレポートです。公認会計士などはいまでも花形職業と認識されていますが、決してそうでない現実があるのです。

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第1位
■週刊ダイヤモンド■ <<<  TPP参加は日本農業が海外に進出するチャンス

 雑誌を読んでお腹(頭?)がいっぱいになったのは今週の『週刊ダイヤモンド』である。第1特集「実は強いぞ!日本の農業」は、TPP問題にゆれる日本農業において知られざる活躍を見せる企業・人物を取りあげた。といっても、ボリュームがすごい。40ページにびっしりと綴られている。そして、特集では「農業は成長産業」という切り口をとっている。詳しくは本誌を読んでほしいが、品質において強い競争力をもっているため、海外(とくにアジア市場)に一層進出するべきとしている。つまり、TPP参加は国内市場が縮小している日本にとって絶好のチャンスであるというのだ。また、単なる第1次産業の話ではなく、「6次産業化(1次農業+2次製造+3次商業)」して付加価値をつける成功事例も数多く掲載されている。では「なぜ、TPPや国民自給率を問題視する風潮があるのか?」。それを特集では「成長を抑制するJA」というパートで解説する。
 Part3「都会にある潜在自給力」では、援農ボランティアの最新情報や、全国プロの指導付き体験農場リストなど、興味ある個人がすぐに役立つ情報も。プロも素人も、生産する人の顔はどの顔も力強い。「農」がもたらす社会の活性化にも注目したい。
 第2特集は「シェールが起こす 3つの"革命"」。『週刊ダイヤモンド』がシェール革命について単独で初めて特集枠で取り上げた。こちらも18ページとボリュームがある。ロシアのLNG関連要人の日本における"仁義なき戦い"が面白い。田中伸夫・前IAEA事務局長のインタビューに現状から展望まで、ほぼまとまっている。

第2位
■週刊東洋経済■ <<<  価値の高い値上げに奔走する日本企業

 デフレから反転してインフレ期待が高まるなか、今週の『週刊東洋経済』はインフレにおける問題点を取りあげて特集した。タイトルは「良い値上げ 悪い値上げ」。冒頭で、良し悪し2つの未来予想を説明し、その後は値上げを前提とした企業の取り組みにスポットを当てている。先週の『週刊ダイヤモンド』の特集「給料は上がるのか? 安倍マジックのタネ明かし」を読んだ人は、冒頭部分や「消費者物価」などが内容的に一部被ってしまうことにきづくだろう。(『週刊ダイヤモンド』の方が若干グラフなどの数値データが充実しているかな。)
 しかしその分、『週刊東洋経済』は値上げの矢面に立つ小売業などミクロの取材を試みた。これが結構面白い。
 特集で扱われた企業の特徴は、"値上げ"ではなく"価値の高い商品"とすること。単純な値上げでは、消費者の不満を募らせるだけだが、そこに新たな価値を足せば順当な価格上昇に変化させることができる。セブンイレブンやローソンなど大手コンビニはプライベートブランドの強化を。三越伊勢丹ホールディングスは、改装した新店舗での"買い物体験"という付加価値を提供して成果をあげている。
 第2特集は「NPOでメシを食う!」。NPO=ボランティアという時代が、日本でも終わりをむかえる!? 一流の手法で成果をあげるNPOに迫った。
 パナソニック津賀社長のインタビューも興味深かった。


第3位
■日経ビジネス■ <<<  成長著しいインドネシア市場開拓の秘訣

 マーケティングを学ぶならばインドネシアだ。と『日経ビジネス』は特集で宣言している。<覚醒する「未完の大国」>というサブタイトルを関したインドネシア特集である。
「BOP(Bottom of Pilamid)」市場として、経済成長は目覚ましく、"市場"としての期待度は日に日に増す。BRICsにI(Indonesia)を加えてBRIICsと呼んだり、ポストBRICs としてVIP(ベトナム、インドネシア、フィリピン)市場と呼ばれたりもしている。
 しかし、インドネシア市場の開拓は一辺倒ではいかない。2億4000万人にもなるインドネシアの人口は、300を超える民族と多様な宗教・文化でできているからだ。そこで同誌はインドネシア市場の攻略方法を日本企業の事例を交え紹介した。
 攻略するポイントを挙げるならば、大きく2つある。1つは「先入観」を持たないこと。例えば「イスラム国家だから豚肉は流行らない」。宗教上の理由で豚肉が禁忌なのは間違いないが、インドネシアにおけるイスラム教徒の割合は88.1%。つまり11.9%、約2800万人の市場は存在し、現にジャカルタでは豚骨ラーメン店が増えている。他にも、1人当たりのコメ消費量が日本の2倍である国に、双日・敷島製パンが「パン食」市場を立ち上げている。理由は「経済成長は、コメ以外の主食需要が伸びる」という、「先入観」を取り払ったものだ。
 2つ目は「ニーズ」を的確に汲みとること。イスラム教圏では、生理用品を洗って捨てる習慣がある。そのまま捨てることは、たしなみとして良くないとされるためだ。そこで花王は、「洗いやすい」と「吸水性」のバランスを考えた生理用品を開発し、後発でありながらユニ・チャームと並ぶ35%のシェアを占めるようになった。
 このような成功事例をみると、そのどれもがマーケティングの基本であることが分かる。この難しいインドネシア市場で、当たり前のことができるようになれば、それは世界で通用するマーケティングになるだろう。


第4位
■週刊エコノミスト■ <<<  税理士業界でも会計士業界でも起きる不当廉売

 この時期、大学近くで新歓活動に精を出す人たちは2通りいる。1つは大学生、もう1つは資格予備校のスタッフである。未だ進路として根強い資格取得であるが、数年前から未就職者率が上がっている。『週刊エコノミスト』は「食えない税理士・会計士」として、大競争時代へ向かう2つの業界が抱える問題を提起した。
 税理士編と会計士編の2部構成で、「読めば業界丸わかり 税理士(会計士)の基礎知識」という記事を差しこむなど対比して読みやすい構成。それぞれの問題をあげると、税理士側は<弁護士・公認会計士にも税理士資格が付与されている点>、会計士側は<相次ぐ会計不祥事が大手監査法人に巻き込まれている点>。前者は分かりやすいが、後者も食い扶持が増えないことに起因している。監査法人では、新規上場企業が減ったこともありリストラを行なっている。しかし、「本来辞めてほしい高年収の50歳代会計士ではなく、働き盛りの30年代がごっそり辞めた」(大手監査法人のパートナー談)ために、現場にシワ寄せが起き、監査の質に影響が出ることが懸念されている。
 このような市場で今まさに起きているのが、ダンピング(不当廉売)。既存顧客の取り合いが市場原理以上に加速し、質に対する負のスパイラルが懸念される。企業が良い会計士を探すとなると、大手になってしまうのは避けられない。しかし、個人が良い税理士を探す上で「税理士の正しい選び方」という記事は参考になるだろう。

2013年4月 3日

今週の週刊経済誌の読みどころ_2013.4.3

今週の第1位は『週刊ダイヤモンド』

週刊ダイヤモンド ... 安倍マジックのタネ明かし
週刊東洋経済 ... 給料大格差時代
日経ビジネス ... あなたを救う病院
週刊エコノミスト ... 噴き上がる日銀バブル

 4月に入ると従来はキャンペーンと称して特大号を連発していた『週刊ダイヤモンド』と『週刊東洋経済』とが、普通号で販売されていることに気づきました。もう、キャンペーン効果はないということでしょうか。両誌とも、ということは? まさか話し合いをするわけはなく、偶然なのでしょう。しかし、この両誌が今週号では期せずして「給料」の問題に取組んでいます。面白かったのはアベノミクスと絡めて「給与は上がるのか」と問いを発した『週刊ダイヤモンド』です。安倍マジックなる言葉を使ってアベノミクスの裏側を解剖しています。これが今週の第1位です。
 一方の『週刊東洋経済』は給料の格差にスポットを当てました。業種別の年収ランキングは単純には比較できないけれどつい見てしまいます。ちなみに情報・通信業界では日本テレビホールディングスがトップで1353.5万円だとか。
 第3位の『日経ビジネス』は病院のランキングを特集しました。それも医師1200人と管理職7200人が選ぶ病院ランキングです。総合1位は虎ノ門病院。2位は国立がん研究センター中央病院となっています。
 第4位はいよいよ日銀総裁が決まったことを受けて「日銀バブル」特集を組んだ『週刊エコノミスト』です。日銀が金融緩和により大量のマネーを市場に供給する官製バブルに市場は過熱気味ですが、これを株や為替、不動産とジャンル別にどう動くか、問題点は何かを分析しています。

dia_2013.4.3.jpgtoyo_2013.4.6.jpgnikkei_2013.4.3.jpgeco_2013.4.9.jpg


第1位
■週刊ダイヤモンド■ <<<  安倍マジックに騙される人、騙されない人

 4月が始まった。今週の『週刊ダイヤモンド』は新年度1発目に相応しい勢いのある号となった。とにかく読み応えのある記事が目白押しだ。期せずして『週刊ダイヤモンド』と『週刊東洋経済』の第1特集に「給料」の二文字が踊るのも、年度始めから興味深いシンクロニシティとなった。
 さて、まず巻頭は、筆頭株主である投資ファンド、サーベラスからTOBをかけられている西武の、タイムリーな「緊急レポート」だ。「西武VSサーベラス 全交渉秘録〜猛犬はかくして牙を剥いた」。タイトル周辺には"ハゲタカ"の4文字はないが、本文では「ハゲタカ」「猛犬」の実態が語られ、まるで小説を読むような緊迫した内容となっている。
 特集は、「給料は上がるのか? 安倍マジックのタネ明かし」。期待先行でなんだかよくわけもわからないうちに円安株髙、一部有名企業の給料アップ宣言と続くアベノミクスの表層を、「安倍マジック」と命名し、マジシャン安倍のマジック6幕20個の謎を解き明かしながら、その実態を掘り下げる内容だ。「謎」のいくつかを紹介しよう。企業が儲かっても給料が上がるわけではない実態を明かす「2000年代半ばの円安でなぜ給料は上がらなかった?」(謎解き3)、インフレ率2%はなにをもって2%としているのかの謎に迫る「消費者物価の全貌と問題点」(謎解き6)、「安倍政権の経済政策に水を差さないよう社内に大号令がかかっている」という大手証券エコノミスト氏の言葉は「金融緩和だけでデフレ脱却できるのか」(謎解き8)に登場する。
 そして巻末には、羽生善治プロ棋士と川上量生ドワンゴ会長の特別対談だ。3月から始まったプロ棋士対コンピューターの真剣勝負「将棋電王戦」。ニコニコ動画を運営するドワンゴが主催し、ニコ動でも生中継され注目されているが、この二人の対談にも注目だ。


第2位
■週刊東洋経済■ <<< 日本企業の賞与格差は米国と比べても異常

「給料 大格差時代」という、サラリーマンには危機感募る特集タイトルを持ってきたのは『週刊東洋経済』。『週刊ダイヤモンド』と共に「給料」という文字が表紙に踊るが、あちらはアベノミクスにフォーカス、こちらは給与額の二極化にフォーカスしたものとなった。
 特集は2部構成だ。Part1は「広がる給与格差」。年功型賃金体系の完全崩壊、役割・職務給の導入企業増加でさらに拡大した給与格差が、数値で示される。人材コンサルティング会社、ヘイコンサルティンググループの高野社長は、「日本企業の賞与格差は米国と比べても異常」という。意外な言葉だが、事実そうらしい。
 Part2「賃上げ狂騒曲の虚実」では、「なぜ賃金は上がりにくいのか」に焦点を当てる。「主要1300社 40歳年収ランキング」では、1人当たり付加価値額と推計年収で余剰賃上げ力を探ってもいる。自分の生き方を考え、よりスキルアップできる組織を求め、あるいは自分で作り、気の抜けた安定を求めてはいない、そういうアグレッシブな生き方にシフトする若手は意外といる。そういう人材にはピンとこない特集かもしれない。
 第2特集は「どうした経産省!」。経済最優先を掲げる安倍内閣だが、成長戦略は従来型のプランを脱せず、規制緩和も迷走気味だ。「経産省主導内閣」の実態をレポートする。


第3位
■日経ビジネス■ <<<  医師が選ぶ病院ランキング

 あなたは病院になにを求めるだろうか。病気や怪我を治せる医師や医療機器、最先端の治療、つまるところ求めているのは良い結果だ。で、その「良い結果」の中には、医師や看護師への信頼や安心感なんていう、非常に繊細で心情的なものも求めている。今週の『日経ビジネス』「あなたを救う病院」には、患者側のそんな心情がよく表われている。
 特集「あなたを救う病院」では、日経オンラインを通じて独自に調査した「病院満足度」を、『日経メディカルオンライン』読者の医師1200人、『日経ビジネスオンライン』読者の管理職以上7200人に尋ねたランキングが掲載されている。
 興味深いのは、医師だけが評価したランキングとビジネスパーソン側からのランキングがまるで違うところだ。お互いの20位以内で重なるのは4病院のみ。症例数の多さや先端的な医療の導入という観点では「医師が選ぶランキング」を参照し、総合的な満足度ではビジネスパーソンランキングを参照してみるのが良さそうだ。しかし、経営者仲間でよく言われているのは、大事なのは「何でも相談できる『かかりつけ医』を持つこと」だ。記事内でも、かかりつけ医から名医に導かれた例がレポートされている。


第4位
■週刊エコノミスト■ <<<  いよいよ日銀によるバブルが始まる

『週刊エコノミスト』の特集は「噴き上がる日銀バブル」。このところ続くアベノミクス関連特集だが、今週は話題の中心が安倍総理から黒田総裁に変わった。包括的なアベノミクスから放たれた金融緩和が、実態のつかめる段階に近づいたということか。とにかく新しい黒田日銀がスタートを切った。
 本特集では「一度、やると決めたらとことんやる男。決して妥協しない」と評された黒田東彦・日銀総裁(小幡績慶大准教授評)。表紙にも特集トビラにも顔写真で登場する。最近、黒田総裁の性格にふれる記事をたびたび見かける。2013年3月18日の『週刊東洋経済』では榊原英資元財務官に「人当たりはソフトだが、芯は強い」と評されていた。共通するニュアンスは日本人が好みそうな一徹な人物像。こういったところにもインフレ期待が潜んでいる。
 分析するカテゴリーは、株式、不動産、J-REIT(日本版不動産投資信託)、金、国債、為替と、いつもの王道路線を扱っている。個人消費では高級腕時計の売れ行きが好調で、ゴルフ会員権価格も上昇中だ。バレンタインデーのルイ・ヴィトンでは、前年同日の4倍を売上げたという。
 さて、「エコノミストリポート」で「ぽっちゃり」市場を3ページの記事にした。ぽっちゃりファッション専門女性誌『ラ・ファーファ』(ぶんか社)がこの3月に創刊され、初版部数5万部で好調だという。昨年の今頃、ニッセンがリアル店舗でぽっちゃり店員さんを販売員に起用し話題となったが、ついに専門メディア登場でぽっちゃり市場が華やぎそうだ。