2013年2月19日

今週の週刊経済誌の読みどころ_2013.2.19

今週の第1位は『週刊エコノミスト』

週刊エコノミスト ... 金持ちの鉄則
週刊東洋経済 ... 投資の新常識
週刊ダイヤモンド ... 相続・贈与 節税完全ガイド
日経ビジネス ...  中国と生きる道

 今週はなぜか、お金まわりの特集を組む雑誌が多かったですね。投資に絡めての特集は『週刊エコノミスト』に『週刊東洋経済』、そして税に関しては『週刊ダイヤモンド』が特集を組みました。年度末も近づいてきて、そういう意識が高まるのは、ある意味ボーナス時の消費を促す特集と似ています。
 この3誌のなかでは富裕層とその海外移住を扱った『週刊エコノミスト』が面白かったですね。テーマ自体は以前に他誌でも取りあげた富裕層と海外移住の問題ですが、港区の税収まで変わる、と突っ込んだところがいい! というわけで、これが今週の第1位です。第2位は同じお金系の『週刊東洋経済』です。こちらはデフレ時代からインフレ時代へと移りつつあるとして、デフレ時代の「常識」をリセットし、新常識で投資を行なおうという特集です。
 ついでと言っては何ですが、第3位も金まわりの特集ということで『週刊ダイヤモンド』にしました。でも、こちらは投資ではなく税の問題です。確定申告野路気であり、相続税の大増税も控え、何かとお金持ちに大変な季節の特集というわけです。
 この3誌とは趣を異にしたのが『日経ビジネス』です。こちらは中国との付き合い方の特集です。

第1位
■ 週刊エコノミスト■ <<<  普通の金持ちのための特集

 今週は4誌中3誌が金まわりの特集で、『週刊エコノミスト』もそのなかに組み入れられた格好だが、そのなかでタイトルが一番効いていて、ズバリ「金持ちの鉄則」。最近は『週刊エコノミスト』も意外とこういう投資や相続系の特集を打つ。読者層=金持ちシニアが求めるテーマなんだろう。
 さて、冒頭プロローグのタイトルに「富裕層は続々海外へ 東京・港区の税収にも影響」とある。
「え? 港区の税収に影響が出るほど海外移住する富裕層が増えてるのか?」と、読者に軽いショックを与えるいいキャッチだ。ソワソワさせられるリアリティとでも言うのか。2週前も『週刊東洋経済』が「海外移住&投資『脱ニッポン』という選択」で取り上げていたマレーシアのイーストレダンでは、日本の富裕層向けに建てられた高級住宅が「シンガポールより安い」と着実に売れていくらしい。かくして、会社の売却などで多額の収入を得た大口納税予定者が、住民税の支払い義務が生じる前に海外へと移住していく。1人減るだけで数億円の税収減となる例もあるから、港区の税収も減少してしまうのだ。
 今回の特集、23ページのボリュームだが、『週刊ダイヤモンド』や『週刊東洋経済』に負けていない。「こんなに!?資産家直撃 相続・所得増税シミュレーション」、「パターン別増税資産と節税テクニック」、「成功する海外移住」、今年末にスタートする「国外財産調査制度」、「これがプライベートバンキング」、外貨、株、投資信託、REIT、債券、金と、網羅的に取り上げられているのだ。分散投資が鉄則の金持ちの心理を代弁している感じだろうか。「金持ちの知恵を借りよう!」ではなく、普通の金持ちのための特集!というのがなんだか斬新ではある。


第2位
■週刊東洋経済■ <<<  インフレなら銀行預金は損

「銀行預金だけで大丈夫?」と副題で呼びかける今週の『週刊東洋経済』の特集は、「投資の新常識」と題した。1月末、『週刊ダイヤモンド』が先行して「円安に乗る! 株・投信・外貨投資」と、活きのいい感じの、バブルに乗ってしまおう的な感じのタイトルで投資を特集したが、今度は『週刊東洋経済』の番だ! というわけだ。タイトルだけでみると、先発『週刊ダイヤモンド』が煽り系、後発『週刊東洋経済』がちょい脅し系で面白い。脱デフレ政策で、現金優位の時代が終わり投資戦略が変わりますよ! あなたの戦略は大丈夫ですか? と、読者に問いかけるのだ。
「『株高』『円高』『横ばい』 全パターン必勝法」、「割安株ランキング150」、そして「マイホームを賢く買う」ところまで、後発だけに守備範囲を広くとってより汎用性が高くなっているかもしれない。
 第2特集は「衰退市場でもヒットを飛ばせる」。衰退しているとみられていた、袋面や音楽CD、伝統文化など、意外な市場から生まれるヒット商品を取り上げ、「実はこの市場(衰退市場)にこそチャンスが眠っている」と説く。


第3位
週刊ダイヤモンド■ <<<  税のことすべて教えます

 いよいよ2月も後半となった。新年度を意識する時期であり、何といっても確定申告をはじめとする税の問題に関心が傾く時期である。しかも税制改革もある。そんな状況下だから『週刊ダイヤモンド』が税制改革で変わる税金とその節税ノウハウを大特集したのもうなずける。ま、毎年恒例企画ではあるんですがね。年末に『週刊エコノミスト』、そして2週前には『日経ビジネス』が扱った「相続税増税対策」だが、こちらの特集は規模が違う。相続税はもちろん、税金一式、まとめて面倒見てしまおう!という特集だ。「一家の財産や生活を守るには、無駄な税金を払わない工夫が必要だ。新税制に対応した最新ノウハウを紹介する」とある。面倒だが、やっぱり目を通しておくのが身のためか?「消費税増税が気になる 増税シミュレーション」「それなりに財産がある 申告対象の拡大」「相続対策したい 相続対策の基本」「海外に資産を持っている 国外財産調書制度」「子や孫に資産をあげたい」「自宅相続で税金がかかる」「子に会社を引き継ぐ」「家を買いたい」「株やFXでもうけた」まあ、ざっとこんなコンテンツがあって、誰でもどれかは読んでおきたい身近さではないかという次第なのだ。
 第2特集は「iPhoneショックの深層」。株価は下がるし、成長エンジンのiPhoneの出荷目標は大幅下方修正だし、アップルはどうなるのか?


第4位
■ 日経ビジネス■ <<< 中国とのビジネスにはコツがいる

 今週の『日経ビジネス』は「中国と生きる道」という特集だ。反日意識の高まりで、暴動や日本製品不買運動が起きた"厄介な隣人"中国。巨大市場であるがゆえに、大手から中堅・中小まで日本企業が本格的に進出しているがゆえに、各社、「中国市場の果実を最大限に得つつ、リスクは最小化」していく戦略を踏み外してはならない。そういう企業の意識を汲み取る本特集のサブタイトルは「5つの『切り札』でしたたかに勝つ」というものだ。
 その5つの切り札とは何か。「土着化で『日本色』を消す」「アキレス腱をつかめ」「親日都市を選べ」「『いつでも撤退』に備えよ」「進出せず、実だけ取る」???詳しくは事例とともに雑誌で。
 暴動からこの1月までの間に実施された独自調査をまとめたものがいい。12主要都市の20?40代を対象に、日本製品の購入意識について3回にわたってインターネットで購入意識を問うている。12都市に限られるが、都市別不買意識の変化率グラフが、親日都市と反日都市をくっきり映し出しているようだ。チェックしてみてほしい。
 日本製品を買うと答えた人の割合は、3回目の調査実施の1月中旬までの間に全体で10%強改善している。鳩山元首相が訪れた南京の著しい回復ぶりも興味深い。しかし、なお過半数が「日本製品は買わない」という選択をしている。日本製品への不買意識は根強いものがある。
 第2特集は「店舗が消える」。拡大し続けるネット経由の購買が、リアルの店舗機能を解体している。リアル店はどういう形態になっていくのか、先進的な事例が紹介されている。