2013年1月14日

今週の週刊経済誌の読みどころ_2013.1.15

今週の第1位は『週刊東洋経済』

週刊東洋経済 ... LINE大爆発!
日経ビジネス ... 2030年のモノ作り シリーズ動き出す未来②
週刊エコノミスト ... シェール革命の衝撃
週刊ダイヤモンド ... カネをかけずに納得の 寺・墓・葬儀

 日本発の世界的なサービスとして注目されてきている無料通話&メール&SNSサービスがあります。「LINE」と言えばそちら方面に疎い人でも、名前くらいは聞いたことがあるでしょう。国内では3700万人のユーザーがいるそうですが、若い層がその中心で、スマホ初心者を中心にその数を伸ばしてきました。この「LINE」を『週刊東洋経済』がいち早く取りあげました。経済誌の中心読者である中年層にはもってこいの企画かもしれません。その新しさで、同誌が今週の第1位です。
 先週その『週刊東洋経済』が「メイカーズ革命」という特集を組みましたが、今週は『日経ビジネス』がその進化系的特集を掲げました。題して「2030年のモノ作り」です。誰でもがメーカーになれる時代の実例を中心に将来のモノ作りのあるべき姿を描いています。これが第2位。
 そして『週刊エコノミスト』は何度か話題になったことのあるシェールガスの特集です。単なるエネルギーの一つというだけでなく、これによって世界の構造が大きく変わる可能性があることを示しています。第3位。
 第4位の『週刊ダイヤモンド』はこの時期定番の特集です。一番死亡率が高い時期の定番と言えば「寺・墓・葬儀」というわけです。中身はそれなりに工夫しているのですが、どうもマンネリ感も否めません。それでもある程度は売れるのでしょうがね。

第1位
■週刊東洋経済■ <<< 日本発の大ヒット世界的サービス「LINE」の全貌

 PCやスマートフォンが普及することで伸びたサービスといえば無料通話ができるSkypeやSNSのFacebookなどがすぐに思いつくが、どれもアメリカ発の独創的なサービスだ。
 ところが、こうした世界的なサービスに割って入った日本発のサービスがある。もう有名になりすぎた感はあるが、それが「LINE」である。何せ国内3700万人のユーザー、世界では8500万人ものユーザーが存在する、海外はアジア、中でも台湾が中心的だが、スペインでも人気は広がっている。そこで新しいものに目がない『週刊東洋経済』がこのスマホの無料通話&メールアプリ「LINE」を第1特集に持ってきた。
 それにしても「知らない間の急成長!」は、TwitterやFacebookを上回るスピードでユーザーを獲得しており、1億人突破も目前だ。
 かく言う私のスマホにもLINEをインストールしているが、正直にいえばハマってない。なぜかと考えたのだが、その答えが書かれていた。それはSNS疲れという現象で、それがこのLINEのヒットの要因であったと同誌は分析している。ならば、私も本格的に使ってみるか。
 ま、それはさておき、このおじさんには未知なるLINEを、その魅力から使い方、落とし穴、仕組み、そして開発した企業「NHNジャパン」まで、微に入り細を穿って解説している。この辺りは『週刊東洋経済』の真骨頂と言えよう。
 先行のSkypeやカカオトークなどの無料通話サービスについては「スマホSNS戦国時代」で。企業側の利用事例は「こう使う!LINE企業アカウント事例集」で。
 面白かったのは、LINEの代表的な人気サービス「スタンプ機能」で、ケンタッキーフライドチキンのはじけた表情をする「カーネルおじさんのスタンプ」が人気を博し、1週間で200万人の登録ユーザーを獲得したというエピソード。とにかくご一読をお勧めします。
 巻頭は久々に見る「株」の特集。「まだ買える好業績・割安株ランキング500」とか。アベノミクス・バブルでもなんでもいいから、みんなが待っていた上昇局面といったところだろうか。


第2位
■ 日経ビジネス■ <<<  一人からでもできるモノ作り

 2030年、モノ作りはどうなっているか......これをズバッと予測する特集が今週の『日経ビジネス』だ。先週『週刊東洋経済』が特集した「メイカーズ革命」がさらに進展し、一般的になった姿がその予測の全容と言っていいだろう。2030年まで待つことなく、「誰でもメーカーに」なれる環境は、2013年現在かなり整ってきている。大手電機メーカーから独立して「1人メーカー」を立ち上げた技術者がすでにちらほら出始めていて、特集にも何人か登場する。まだまだ少ないが、「アイディアさえあれば」、ハードウェアで起業する環境が成立したのだ。
 「1人メーカー」の小ロット商品、あるいは大量に生産する必要のある量産品を製造する製造ラインはどうなるのだろう。 EMSがさらに発達するだろうが、その現場は? これらの問いには「ラインの自動化はこうなる」「日本の工場はこうなる」でまとめられている。従来の固定型産業用ロボットでは自動化に限界があったが、少しずつ「人型ロボット」の導入が進んでいる現場もある。人手が足りないラインに配置したり、「目」を持たせれば人間と共存できるという柔軟性を持ったものだ。従来型の完全自動化と、人型ロボット導入と、生産ラインはますます無人化が進むだろう。「進化できない工場は日本から消えていく」。それは人材も同じだ。


第3位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 中東から輸入するLPGの半値で買える新エネルギー

 日本はLPG(液化石油ガス)の世界最大の輸入国だ。 ところがその90%を中東に依存しているため、価格の決定権も彼の国に握られている。ところが現在の価格の半値で日本に輸入されているLPGがある。それがシェールガスだ。経済誌では何度も特集を組んでいるが、今回『週刊エコノミスト』がこの新たなエネルギーを特集した。この革命ともいえるシェールガスを世界で最も多く生産するのは米国だ。つまり米国をエネルギーの純輸出国に変容させるポテンシャルを持つのがこの「シェールガス」というわけだ。それだけではない。世界のエネルギー需給はもちろん、産業構造や為替、安全保障まで大きな影響が及ぶ。
 同誌は多角的にこのエネルギーの影響を分析する。「塗り変わる世界の軍事バランス」「シェール革命でドル高時代に転換」「製造業回帰で復権する米国」「『アジアシフト』加速するロシアの焦り」(ロシアのLNGの行き先は?)「『シェールガス大国』中国の野望」「LNGを大人買いできる韓国」など。「Q&Aゼロから学ぶ シェールガスとLNG」もおすすめだ。
 日本は原発に頼りすぎてきた。そのため石油メジャーや産ガス国に「代替でLNGを買うしか選択肢がないだろう」と足下を見られ、高値で取引きしてきた。シェールガス、ロシアのLNG、自然エネルギーなど、エネルギーのベストミックスを国家戦略で今度こそ進めていかねば、生き残っていけない現実がここにもある。


第4位
■週刊ダイヤモンド■ <<<  17.8万円で火葬がOK! の現状

 『週刊ダイヤモンド』は、この時期定番の特集を持ってきた。「寺・墓・葬儀」特集だ。今年は「カネをかけずに納得の」という修飾語がついている。「形式としての葬儀や墓なら"カネをかけずに"済ませたいと考える人が増えている」からだそうだ。だいたい葬儀や墓や寺へのお布施など、弔いビジネスまわりは以前から料金体系があってなきがごとし。昨今ようやく明瞭会計のプランが出始めた業界でもある。「終活」といった言葉も使われ始め、人生の仕舞い支度を自分で算段しておく人も増えている。「終活セミナー」があるくらいだ。
 まずは「デフレ化する葬儀編」。「葬儀業界のヤマダ電機、ユニクロを目指す」ネット系ベンチャーの「小さなお葬式」ブランドが成功を収めつつあるという。「低価格、追加料金一切不要」で、読経のない「火葬プランは」17.8万円。「葬儀を軽視し過ぎだ」との批判もあるが、高齢化で友人も先に亡くなり、付き合いも希薄化して小規模化する実態と合致し、支持されているとのこと。「縮小する墓編」では、都会で足りない墓や火葬場事情、家族に負担をかけない多様な墓などが紹介されている。遺骨を骨やオブジェに加工して手元に置く「手元供養」の利用者も増えているという。最後は「存続危機の寺編」。葬儀や法事の簡素化や檀家数の減少が急速に進む現状がレポ
ートされている。
 第2特集は「クラウドファンディングの夜明け」。ベンチャーの新たな資金調達法としても注目を集めている。